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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第5章 みんな大好きキノコ作り!

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第217話 俺たちの目指す場所


 それにしても、話が少々横道にそれてしまった。

 (おれ)たちがこれからすべきこと。それはまず「高ランクダンジョンに入ろうとしていたアナグマ族の冒険者(ぼうけんしゃ)」を見つけ出すことだ。そのためにも、人探(ひとさが)しを行っていたとされる人物を早いところ見つけなければならない。ここでこうしている間にも、孤高(ここう)存在(そんざい)である(かれ)らは待ってくれないのだから!



「あ、ハクたま、はーい! (ぼく)ら、その人に会ったことあるよー!」



 ……………………

 ……………………


 ええと、モックさん。

 アアタ、今なんとおっしゃいました(※徹子風)?


 ざわつき始める村人たち。

 (うれ)しそうに手を挙げているモックさん。


 しかし考えてみればそうだ。

 (かれ)らは実際に、ガーンビア地下迷宮(めいきゅう)に入った冒険者(ぼうけんしゃ)だったのだ。目当ての人物が迷宮(めいきゅう)近くでパーティーを(さが)していたのなら、(かれ)らにも声をかけたに(ちが)いない。(おれ)はどうしてそんな単純(たんじゅん)なことにも気付かなかったんだ!?


「ええと、それは何処(いずこ)で……?」


「ええとねぇ、確か地下迷宮(めいきゅう)近くのラピットって村だったかなぁ。あ、でもね、今から行っても会えないかもです!」


 ビシッと敬礼(けいれい)

 (おれ)はそんなモックさんを(かか)え上げ、「どうしてですか!?」と問いただす。


「しょ、しょれはね、確かあのしとね! (ぼく)らに声かけたあと、場所を変えてね、もっと下層(かそう)を目指すパーティーを(さが)すって言ってたから!」


「うっ。そ、そうなると、もう近くの町にはいないかもしれないってことか」


「あっ、でもね、そうでもないかも!」


 どうしてそう思わせぶりなことを言うのですか、この子は!?

 再び持ち上げて問いただす。


「しょ、しょれが、確かあのしと、マイルネの町で(さが)してみようかな~とかなんとか。あ、でもギルドは(きら)いだから、町を出てく冒険者(ぼうけんしゃ)に直接声をかけてるんじゃないかな」


 おいおいおい。

 それってぇことは……!?


「完全に()(ちが)いじゃないか。せっかく村まで帰ってきたのに」


 頭を(かか)えるしかない。

 どうしてこうもチグハグなことばかり続くんだ!


 しかし同じタイミングで、(だれ)かが「あっ」とささやいた。

 不意に()(かえ)った(おれ)は、何か思いついたように左(なな)め上を見つめているマーロンさんに質問した。


「どうかしましたか……?」


「ちょっと思ったんだけどさ。そのアナグマ族の人って、高ランクのパーティーを(さが)してたんだよね?」


「サワーさんの話では。それが何か?」


「でもギルドや冒険者(ぼうけんしゃ)一緒(いっしょ)に行動してないから、ダンジョンの情報には(うと)い、……かもしれない」


「ま、まぁそうかもしれませんね。それがどうしたんです?」


 う~んと腕組(うでぐ)みするマーロンさん。

 そしてしばし考えてから、一つの可能性を示唆(しさ)した。


「情報がないってことは、もしかしてダンジョンが水没(すいぼつ)してるってことも知らなかったり?」


「可能性としては、そうかもしれないですね」


「だとしたらあり得ると思わない? ()()可能性」


 村人たちが一斉(いっせい)に耳を()ませる。

 (おれ)も思わず彼女(かのじょ)に一歩()()った。


「ガーンビア地下迷宮(めいきゅう)下層(かそう)を目指していて、かつマイルネの町を出発した最も高ランクのパーティー。(わたし)の考えていることが正しいとしたら、それはきっと一組しかいないと思う」


 彼女(かのじょ)指摘(してき)に、思わず「あっ」と声を()らしてしまう。

 確かに彼女(かのじょ)の言うとおり、もしその人物が高ランク冒険者(ぼうけんしゃ)(さが)しているのだとしたら、うってつけのパーティーがいるじゃないか!


隣国(りんごく)唯一(ゆいいつ)のSランクパーティーで、迷宮(めいきゅう)下層(かそう)を目指している『双龍(そうりゅう)(きば)』。もし(わたし)がその冒険者(ぼうけんしゃ)なら、きっと(かれ)らについていくと思うんだ」


 思わず納得(なっとく)してしまう。

 確かにSランクパーティーが下層(かそう)を目指していると知れば、(うそ)をついてでも(かれ)らについていくに(ちが)いない。いや、間違(まちが)いなくそうに決まってる!!


「だが(こま)りましたな。その冒険者(ぼうけんしゃ)がどの程度の強者か(ぞん)じませんが、もしダンジョン内で命を落とすなどあれば、永遠に会うことはできませんぞ。しかも今は有事中の有事。地下の崩落(ほうらく)などに()()まれでもしたら、部外者の獣人(じゅうじん)など最初に()()てられますぞ」


 と、(ねこ)族の族長が。

 いやいや、そんなこと言われたら不安になっちゃうじゃないか。


「でもハクたま! ギルドマスターさんが、今は(あぶ)ないから許可された冒険者(ぼうけんしゃ)以外はダンジョンに入れないって言ってましたよね!?」


 モックさんがハワハワしながら(あわ)てて質問した。


 そう、確かにそうなんだ。現在迷宮(めいきゅう)の入口は、冒険者(ぼうけんしゃ)ギルドのテーブルの命により、その出入りが厳重(げんじゅう)に管理されているはずだ。入口では関係者が目を光らせているだろうし、たとえ(おれ)たちが入りたいと言っても許可は出ないだろう。どうすりゃ良いんだ!?


「どっちにしろ、行ってみるしかないんじゃな~い。ここでダ~ラダラしてても、お目当ての人物は見つからないよ~っと?」


 クラッカーの(かげ)から現れたリッケさんが、悪戯(いたずら)に「しっしっし」と笑いながら(おれ)たちを(あお)った。彼女(かのじょ)の言うとおり、ここでボーっとしていても始まらないのは確かだ。だったら……


「マーロンさん」


 目を合わせ、(うなず)()う。


「だね、急ごう!」


 目指すはガーンビア地下迷宮(めいきゅう)下層(かそう)

 こうなったら、考えるより先に動くしかないだろ!


 だがしかし、この時の(おれ)たちは知らなかった。

 目指すその場所で、まさかあんなことが起きていようとは――


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