↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第3章 雪雪危機一髪!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
100/441

第100話 ハク村爆誕!


 良い話ではあるものの、こればかりは俺(おれ)の一存(いちぞん)で即決(そっけつ)することはできない。「前向きに考えたいがすぐには決められないため、改めてお返事を」と躱(かわ)しておいた。


「おお、本当か。よろしく頼(たの)む。細かな話は我(わ)が国(くに)の商会を通し、改めて話をさせていただこう」


 となると、やはり村に商会を作りたいというリッケさんの提案を飲まないわけにはいかないな。しかしそうなれば、必然的に俺(おれ)が商会の代表になってしまう。できればそれは避(さ)けたいが、どうしたものか……。


「ちなみにもう一つ噂(うわさ)で聞いたのだが、何やらそちらの村で、驚(おどろ)くほど美味(うま)いコリツノイモが作られていると。あのガロウ氏もいたく気に入っていたとテーブルから聞いているが、どうだろうか……?」


 テーブルめ!

 どうやら俺(おれ)たちの情報は奴(やつ)を通じて全部筒抜(つつぬ)けらしい。こうなったら隠(かく)しておいても仕方がない。いっそのこと、ここでアピールしておいた方が早いのかもしれない。


 こんなこともあろうかと、俺(おれ)はポンチョのリュックから既(すで)に焼いておいたコリツノイモを一つ取り出し、サワーに手渡(てわた)した。「そのような得体の知れぬものを口にするのは!?」と慌(あわ)てる部下たちを制して受け取った彼(かれ)は、毒が盛(も)られている可能性すら鑑(かんが)みず、あむっと大きく一口かじってみせた。


「んなっ!? なんだこれは!!? これがあの、味気なく淡白(たんぱく)で口の中がパサつくばかりのコリツノイモだというのか! バカな、信じられん!」


 イモの香(かお)りで目を覚ましたポンチョが、自分も食べるとリュックからイモを取り出し食い始めた。そのあまりの甘(あま)い香(かお)りに、謁見(えっけん)の間にいた全員が一斉(いっせい)にノドを鳴らしたのは言うまでもない。


「こ、これは恐(おそ)ろしい。よもやこのような恐(おそ)ろしいものまで作り出していようとは……。して村長殿(どの)よ、こちらのイモも我(わ)が町(まち)に卸(おろ)してはもらえぬのか!?」


「そちらも前向きに。ですが今回のことで私(わたし)たちにもそれほど余裕(よゆう)がございません故(ゆえ)、もう少々お時間をいただくことになると思います」


「それは構わぬ。しかしこれが世に出回ることとなると、もはや普通(ふつう)のコリツノイモでは満足いかぬようになるぞ。それはそれで困(こま)りものだな、ハッハッ!」


 トントン拍子(ひょうし)で進んでいく話に、少しばかりむず痒(がゆ)くなってくる。しかしそれは同時に、俺(おれ)にとっては不都合が大きくなることを意味している。村にとってかけがえのない話ではあるものの、その先に果たして俺(おれ)の居場所はあるのだろうか――


「一時はボアを飼い慣らす輩(やから)が森にいるなどと良からぬ噂(うわさ)に振(ふ)り回(まわ)されることもあったが、此度(こたび)はこうして町を救っていただいた。今さらそれをどうこう言うのは野暮(やぼ)というものだ。なぁテーブルよ」


「ですが何かあれば、我(われ)らは国のため、誰(だれ)が相手でも関係なく対処(たいしょ)する所存(しょぞん)。お前たちもわかっているな?」


 妙(みょう)な圧をかけてくるテーブル。

 これはアレだな。あまり調子に乗るなよという忠告(ちゅうこく)だな、多分。


「ボアとウルフたちについては、彼(かれ)ら猫(ねこ)族と私(わたし)とで問題なく対処(たいしょ)できるものと考えております。願わくば、彼(かれ)らの寝床(ねどこ)となる村の周辺に、不要な侵入(しんにゅう)をなされぬことを望みます」


「うむ、ギルドを通じて忠告(ちゅうこく)しておこう。テーブル、頼(たの)んだぞ」


 こちらをグッと睨(にら)むテーブル。

 あまり調子に乗ると後で怒(おこ)られそうだ。


「ではこのあたりで。そうだ、一つ伺(うかが)い損(そこ)ねておったが、主(おさ)らの村は名をなんと申すのだ? 正式な名があるのであろう?」


 そういえばリッケさんにも言われてたけど、何も考えていなかった。しかしそんな俺(おれ)をよそに、隣(となり)にいたマーロンさんが何事もなく返答した。



「我(わ)が村の名はハク村と申します。以後、そうお呼(よ)びいただければと存(ぞん)じます」



 …………は?


 いや、マーロンさん。

 何言っちゃってるんですか?



「ちょ、ちょいとマーロンさんや。そんな勝手なことを言われちゃうと困(こま)るというか、なんというか」


「なに言っているんだ村長。ずっと前から我々(われわれ)は村のことをハク村と呼(よ)んでいたのだぞ。もはやそれで慣れてしまっているからな。今さら変えられないよ」


 いやいや、初耳なんですけど!?

 俺(おれ)の動揺(どうよう)をよそに、勝手に決められた村の名前の話題を〆(しめ)て解放された俺(おれ)たちは、緊張(きんちょう)続きの城内(じょうない)を後にした。


 しかしそれにしても、ハク村はちょっと問題が大きくなっている気がする。これ以上俺(おれ)自身が目立つのは避(さ)けたいが、いやはやどうしたものか……。


 その後、村へ戻(もど)って「この名前は良くない!」と抵抗(ていこう)するも虚(むな)しく、村の名称(めいしょう)は『ハク村』ということで正式決定してしまった。だから、どうしてそうなるのよ!?



 俺(おれ)の意見、

 いつもみんなに無視(むし)されるんですけどッ!!



 そんなこんなで、まだまだハク村の物語は始まったばかりです。さてさて次は、どんなモフモフさんが出てくるんでしょうね……



――――――――――

――――――――

――――――

――――

――

―


第3章 完


ここまでお読みいただきありがとうございます。

物語は本話でひとまず一区切り、でもまだまだ続きます。


もし少しでも面白いと思っていただけましたら、評価やブックマーク等を頂けますと励みになります。

多分ポンチョも喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。