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血のクサリ

「じゅ、十分後にこのわしが死ぬ、だとぅ~!」


 スナリャト=モシャーが動揺(どうよう)しながらそう言ってくる。


「ああ、そうだ。」


 ロクショウは冷静に、しかし嘲笑(ちょうしょう)するように言い返す。


「ふ、ふん!ありえん!そんなことは!あ!り!え!ん!!!」


 とまるでいや、確実に自分に言(い)い聞(き)かせるように大声でわめき散(わ)らす


 あまりに哀(あわ)れで、無様(ぶざま)な姿(すがた)にロクショウはつい


「信(しん)じたく無ければ、信(しん)じなくていいよ、ただし十分後にその真実(しんじつ)を知ることにな、いや……、お前はあの世の住人(じゅうにん)となるわけだから、わからないか。」


 挑発(ちょうはつ)してしまう。


「くそう!わしはアルリイアンカンパニーの総帥(そうすい)だぞ!!貴様(きさま)ごときのくだらん魔法で死ぬわけがない!!!」


 ロクショウは、あまりの馬鹿(ばか)さ加減(かげん)に呆(あき)れ返ってしまう。


「ク総帥(そうすい)さまの頭(あたま)の中には、脳(のう)みその代(か)わりにクソでもつまっているのかな?アルリイアンカンパニーの総帥(そうすい)であることがどう、俺の魔法(まおう)で死(し)なないことにつながるのか教えていただきたいな~。」


 モシャーは縋(すが)るように


「さ、さっきのペテンでわしを動揺(どうよう)させる作戦(さくせん)だな、どんなペテンをつかっか知らんがわしは騙(だま)されんぞ。」


 そう言ってくる


「ペテン?ペテンってのはこれのことか。」


 ロクショウは、モシャーの悪(わる)あがきに近い、希望(きぼう)を打(う)ち砕(くだ)くように


「夢人現人厭魅(ヤンヤイアンユエ)」


 と、言語行使(スペル)を放(はな)つ、すると紋章(もんしょう)が出た後(のち)、もう一人(ひとり)のロクショウが出てきた。


「あ、あり、ありえない!こんなことは、ありえない!!」


 そう、さらに動揺(どうよう)して言(い)ってきた。


「ありえるんだよ、俺は『始祖(ビギンニン)』特別の中の特別だぜ!」


 強めの声音で言葉(ことば)を放(はな)つ


「お、おのれ~。」


 悔(くや)しそうにモシャーは歯(は)ぎしりを立てる。


「この弓による媒体行使(マター)でお前は死(し)ぬ事(こと)になる、せいぜい地獄(じごく)で楽しくやることだな!ハァーハッハッハッハッハ!!!!」


 ロクショウは勝利宣言(しょうりせんげん)の高笑(たかわら)いを上げる。


「弓による媒体行使(マター)…………、はっ!そうかそうか、ふふふふふ……」


 モシャーは不気味(ぶきみ)に笑(わら)う。


「どうした?絶望と恐怖のあまり、元(もと)からおかしい頭がさらにおかしくなってしまったか?」


 俺がそう言い放つと。


「ふっふっふっふ……、最後の最後で墓穴(ぼけつ)を掘(ほ)ったな。」


 そう、不敵(ふてき)に笑いながら言う。


「あ?」


 挑発(ちょうはつ)するように言うと。


「弓による媒体行使(マター)……ということはつまり、その手に持つ弓を破壊すればいいんだろ?」


「な!」


 モシャーのその言葉にロクショウはつい声(こえ)を漏(も)らす。


「ふなはははははは!やはりそうか!アァルゥクェー!やつの手にある弓を破壊(はかい)しろォ!!!」


 モシャーは勝利を確信(かくしん)し、アルケにそう命(めい)ずる。


「空色錬成(ミスエアフォルク)」


 アルケはレイピアを捨てると光の中から出てきた長大(ちょうだい)な剣(つるぎ)、巨大剣(クレイモア)を手に取る。


「まずい!」


 ロクショウは慌(あわ)てて後ろに跳(と)び距離(きょり)を取る。


 しかし、前のめりに移動するアルケの速度(そくど)にはかなわない。


 金属と金属のぶつかる激(はげ)しい音がなる。


「ぐ!!」

 

 ロクショウはアルケのクレイモアをかろうじて受け止める。


 クレイモアの攻撃はレイピアと違い大ぶりで隙(すき)が大きい、しかし片手(かたて)のバトルアックスで受けるには重(おも)すぎる一撃(いちげき)だった。


 何度か打ち合っていると、とうとうバトルアックスを持っている手が耐え切れなくなり武器を落としてしまった。


「あぎ!!」


 一瞬だがロクショウは硬直(こうちょく)してしまう。


 アルケはその好きを逃(のが)さず、弓を持つ手を狙(ねら)う。


「くそ!!」


 そんな言葉を吐(は)いているうちに長大な刃(やいば)が弓ごとロクショウの腕(うで)をブッタ斬(き)る。


 アルケはロクショウの大量の血を浴びると同時にモシャーは勝ち誇(ほこ)るように


「ふげいやふへやははははははははっははははははははっははっははははは!!!!!!!!!!!!ざまぁぁぁっぁあぁみぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃろぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


 大声で笑った


「この瞬間(しゅんかん)を待っていた!」


 ロクショウは自分の勝ちを確信した顔で言う、そして


「蚊虻碌碌(キマーマ)!!」


 そう叫(さけ)ぶとアルケについたロクショウの血液(けつえき)が鎖(くさり)を象(かたど)る


「!?」


 アルケは驚愕(きょうがく)に満(み)ちた顔をする 。


 それもその筈(はず)である


 なぜなら、ロクショウの血が付いた部分(ぶぶん)つまりほぼ全身が動かないのだから。


「な!」


 モシャーは狐(きつね)につままれたような顔をする


 アルケは即座(そくざ)に蚊虻碌碌(キマーマ)の弱点(じゃくてん)、血を洗(あら)い流(なが)せば無力化(むりょくか)してしまうといことに気づき、口周りの血を舐め取り、水の魔法を発動させようとする。


 しかし、ロクショウはそれより早くモシャーの影(かげ)に手をやる、そして


「陰昏摂魂(リンヘウンリン)!」


 と言語行使(スペル)を行うと、影の中に手が入る、そしてすぐさま手を引き上げるとさまざまな色に変化するもやのようなものがロクショウの手に握(にぎ)られていた。


 『陰昏摂魂(リンヘウンリン)』それは影の中からその人の魂(ソウル)と精神(マインド)を引きずり出す黒魔法


 本能的(ほんのうてき)にそれを感知(かんち)したモシャーはアルケに


「う、動くな。」


 と命じた。


「おい、アルケを操る魔法を完全に解除(かいじょ)しろ、嘘を付いても俺の目はごまかされないぞ。」


 静かに、脅(おど)すように言うと


「ぐ……それは…………。」


 と言葉を濁(にご)したので


 ロクショウはモシャーの魂(ソウル)と精神(マインド)に軽いショックを与える。


「ぐうううぅぅぅぅ……わかった、わかった、解除する!」

 

 その苦しそうにそう言うとアルケにかかっている魔法が解除されたのをロクショウは確認すると。


「じゃあの。」


 モシャーの魂(ソウル)と精神(マインド)にさっきより強いショックを与え気絶(きぜつ)させた。


 ロクショウの勝利(しょうり)でこの戦いは幕(まく)をおろしたのであった

 


 






 

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