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2―5 水月の泉

水月の森に向かい歩くこと数十分。昨日散歩の時に寄った川が見えてきた。


そこを通り過ぎさらに数十分後に森が見えてきた。


水月の森である。此処にいる魔物は強くてもBランク。Bランクは森の主だけだと思うが一応は警戒しておく。


もしかしたらBランク以上の可能性もあるため油断は出来ない。


一応警戒しながら森に入る。


森の中は思ったよりもすっきりしていた。


道もあるのである程度頻繁に人が出入りしているのであろう。


これならば特に警戒しなくても良いと思い警戒を解く。


それにリースがいるから特に警戒する必要もないしね。


この場で一旦立ち止まりアルティナに買ってきてもらった虫除けの薬を取り出す。


「アルティナ、ちょっとコレを持ってて虫除けの薬を使うから」


「うん。いいよ」


アルティナに荷物を持っててもらい、蜂の巣のように細かい穴の開いた金属のケースに火を着けた虫除けの薬を入れて蓋を閉じる。


「これで良しっと……アルティナ荷物ありがとね」


「終わったのね……はい、荷物」


アルティナから荷物を受け取る。虫除けの薬が入った金属ケースは腰に吊してある。


アルティナから受け取った荷物を抱えなおしてから森を進む。


森を進んで行くうちに辺りが暗くなってきた。


するとアルティナはガサッとした葉の音や小枝を踏んでパキッと鳴った音にビクッとなりその度に俺の袖を掴み辺りを見回す仕草が可愛らしく、笑みがこぼれる。


俺が笑っているのに気がつくと頬を膨らませ拗ねるが袖を掴んだまま離さない。それがまた可愛らしいのだが。









そんな感じで道を進んで行く。でも途中からアルティナも慣れたのかあまりビクッとしなくなった。


個人的に少し残念だ。あのアルティナのビクッとした時の行動がなんかこう小動物を連想させる動きでとても可愛らしかったのだが……。


そして日が沈み月が天高く上った頃に泉に着いた。


泉は話に聞いていた通りに月の形をしていた。今日は三日月なので泉も三日月の形に月明かりを反射している。


その光景を俺とアルティナはじっと眺めていた。


しばらく眺めているとさすがにおなかが空いたのかリースが晩ご飯を急かしてくる。


そのため晩ご飯の準備をする。準備と言っても持ってきたのに軽く手を加えるだけだが。


薪を用意し火を点ける。次に鉄板を用意してその上にチーズを乗っけたパンを乗せる。


鉄板を日の上に固定する。そしてチーズがとろけたら火から鉄板を離す。


鉄板の上に乗っているパンを皿に置いて、今度は鉄板の上に生ハムを置きカリカリになるまで焼く。


カリカリになるまで焼いたらパンの上に置き完成だ。


リースの用の肉に今回は熊肉を用意した。それをリースの前に置く。


それからパンが冷めない内に食べる。


外で食べる食事は家の中で食べる時とはまた違った味わいがある。


そう特に力の入った料理じゃなくてもそれなりに美味しく感じるから不思議だ。


俺はパンを食べながら泉を見る。


辺りからは虫の鳴く音があちらこちらから聞こえており、泉は月光を月の形に反射している。


ふと思う……この月は地球から見えていた月とは何かしらの違いがあるのか。


いつか調べて見るのも良いかも知れない。そう思い空に輝く月を見上げる。


すると突然どこからともなく突風が吹き出し、落ち葉などが宙を舞う。


やがて風が収まると岸に黒龍と黒龍に乗った仮面を被った人物が居た。


「失礼します。私はこの地から西にあります、魔王の娘"フォルテ・ヴィレイヌ"様が治めるリベルドニア興国から来ました。マルファス・ディーベリックと申します」


仮面を被った人物は黒龍から降りて姿勢を正して軽く頭を下げた。


「これはどうもご丁寧に俺はレイオットと言います」


「私はアルティナと言います」


俺とアルティナは仮面を被った人物……マルファス・ディーベリックに頭を軽く下げる。


それにしても何の用だろうか?頭を上げマルファスを観察するように眺める。


服装は特別な時にしか着ないような礼装に顔の上半分を隠す仮面。腰には一本のサーベルを帯剣している。


「単刀直入に申し上げますとハイ・エルフであるあなた方にフォルテ様が治めるリベルドニア興国に来ていただきたいのです」


「どういう事ですか?それに何故貴方は俺達がハイ・エルフである事を知っているんですか?」


俺達の種族を知っているのはごく少数のはずだ、大半の輩はエルフだと思っているはずだ。何故ならハイ・エルフとエルフの身体的特徴は酷似しており違いは殆どない。


なのにマルファスは俺達がハイ・エルフであると知っている……何故?


「あなた方がハイ・エルフだと知っている理由はこのアイテムの効果です」


マルファスは懐から懐中時計のような物を取り出す。


「このアイテムは予め対象となる種族の名を刻み込んであり、刻み込まれた種族の居場所に数回だけ案内してくれるのです。だからあなた方がハイ・エルフだと判断しました」


なるほど……なら俺達がハイ・エルフだと分かるのも頷ける。実際に当たっていることからもそのアイテムの効果も本当だろう。


「続けてフォルテ様があなた方ハイ・エルフを興国に呼んでいる理由ですがそれはフォルテ様が自身で話すと申しておられるため私にはわかりません」


理由は本人に聞かないとわからないか……どうするかな……。


俺は旅に出ようと思ってたからリベルドニア興国に行くのも吝かではないのだが……アルティナはどうするのだろうか……。

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