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2―2 家族増員

数日前のヴェイン、クラリッサの突然の来訪から俺は考えた。いつ誰が来るか判らないから番犬的なのを飼おうと、その事をアルティナに伝えたら……。


「番犬かぁ〜……とりあえず見てから飼うか飼わないか決めるよ」


と言われ、街に番犬候補を探しに行くことになった。


街で番犬用の子犬を何匹か見たが、これだッ!と言えるのがなく断念した。


そして帰り道。日が傾き空が夕焼けに染まりだした頃一匹の小さな狼の子を見つけた。


だが、その狼の子は全身が血で染まっておりぐったりと地に伏していた。


全身が血に染まっていて地に伏していることから俺はすでに死んでいるものだと思い通り過ぎようとしたら……アルティナが狼の子の所に走っていった。


そしてその狼の子を服が汚れるのも構わず抱き上げた。


「レイオット……この子を家に連れて行こう……駄目…かな?」


「いいや……駄目じゃないさ…家はアルティナのなんだから」


俺はそう言いながら狼の子の容態を確認する。


大きさは30㎝前後で目立った外傷がないことから血は返り血だと推測する。


拾った狼の子を家に連れ帰ると俺はアルティナに汚れた服を着替えるよう言い、狼の子にこびり付いた返り血を落とす為のぬるま湯とタオルを用意する。


アルティナが着替えて戻って来ると、狼の子に付いた血を落とすのを任せ汚れた服の洗濯に向かう。


数分で洗濯を終わらせ家に戻ってくると……部屋の隅で縮こまる狼の子とどうにか警戒をとこうとするアルティナの姿があった。


とりあえず返り血が落ちていなかったのでスリープの魔法で眠らせて返り血を落とした後は適当な座布団に寝かせてタオルケットを掛けて目の届く範囲に寝かせておく。


狼の子が寝ている間に晩御飯の用意をしておく。一応、狼の子の分も用意した……干し肉を細かく崩したお粥だが。


晩御飯を食べている間にアルティナと狼の子をこるからどうするのか話し合いその結果……飼う事となった。


まあ番犬の犬が狼になっただけの差だ……気にしないでおこう。


名前はリース……アルティナ曰わく雌だそうだ。


それから2日。


とりあえず…リースと言う名に反応するようになった……でも反応するだけで俺達に慣れたわけではない。


さらに5日。


ようやく、食事を持って行くの時のみリースから近づいてくれるようになった。


初めの頃は食事の乗った皿を置いてそこから俺達が離れてしばらく経ってから食べていた……その時に比べると今は十分な進歩だろう。


さらに一週間後。


ようやく普通に触れるようになり、食事も持って行けばすぐに食べるようになった。


この状況になるまで約二週間……慣れなかったらどうしようかと内心ハラハラしていたがもうその心配をする必要は無いようだ。


その頃から街で度々水月の森の主が変わったと言う話を聞くようになった。


水月の森とは家がある場所から南に進んだ所にある。


水月の名の通り月の様な形の泉がある森だ。ちゃんと月の満ち欠けも再現するらしい。いつか行ってみたい場所である。現段階では行けないが……。


それはさて置き、リースの事だが狼のどの種類なのか調べたら……魔物だった。


種類はハウンドウルフ。大きくなると全長4〜5m程で強さとしてはギリギリAランクに入るかは入らないかぐらい。


ぶっちゃけると番狼?にするには申し分ない程強い。強いと言っても雑魚(Cランク程度の魔物)相手なら一体多で戦えるぐらいだが……。


でもそれ以前の問題があるそれは……俺とアルティナがテイマー職でないことだ。


テイマー職じゃないので意志の疎通が大変で言うことを訊かせるのが難しい。


この事はアルティナにも伝えた……勿論、リースが魔物である事もだ。


それを聞いたアルティナは言った。


「リースはまだ子供だし大きくなるまで時間があるから問題ないよ。それに……私がちゃんとお世話するから」


俺は頭を片手で掻きながら言う。


「まあ、アルティナがいいなら俺もそれで問題ないさ」


「……ありがとう」


「気にすることはない……とりあえずは躾からだな」


俺がリースを指差し言う。そこにアルティナが視線を向ける。


アルティナの視線の先にはアルティナの着替えを散らかすリースの姿があった。


「あっ……コラー!!ヤメナサーーーーーイ!!!!」


ダッ!と顔を赤くしたアルティナがリースに向かって駆け出す。


アルティナが顔を赤くした理由だが……下着が混ざってたのだリースが散らかした着替えの中に……。


自分の元に怒鳴りながら近づいてくるのを見たリースがその場から逃げ出す。


そしてアルティナとリースの追いかけっこが始まった。


それから数分後、家の中はさらに散らかった。理由は言わずもがなリースとアルティナの追いかけっこだ……。


リースは俺の足元で勝ち誇ったように座り、アルティナは床にへばりつき恨み魔がしい視線でリースを見ている。


「アルティナ、部屋を見てみな」


「部屋?…………………あ………片づけなくちゃ…ハァ」


部屋の惨状を見て溜息を出し部屋を片づけ始める。


俺もアルティナが片づけ始めたので手伝う。






片づけ終わるとリースの躾を開始する。今回の目標はイタズラをしないようにすることだ。


まあ、今回は早く済むだろう……イタズラする度にリースを驚かせればいいだけだし……俺がやるんだけどね…。


そしてこの日は家から時折爆発音とキャンッ!と言う鳴き声が響いたそうだ。


それ以降、イタズラは無くなったが特定の音に対して激しく怯えるようになった。


余談だが、リースにイタズラされたアルティナの着替えは下着を除きリースの布団代わりになり下着は破けて使えなくなったので処分したらしい。

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