7話 主人を振り回す系の執事
数日後、私の決意は甘い事を思い知らされた。
「どうしてそう簡単に変身を解くのよ」
自室のゆり椅子にデミトリアスは元の姿で我が物顔で座っている。
「何故ってたまにはいいだろう?
執事の姿になればメイドの視線が気になるからな」
「ハイハイ、自慢ね。
どうでもいいけど私だってそこで読書したいんだけど」
「テーブル椅子でも読書はできるだろう?」
デミトリアスは私が腰掛けている姿を見て今のままで別に問題ないだろうと目線で物申す。
(主人は私なのに!)
「本当に自分勝手ね」
(私のまわりにはこんな男ばかりね)
デミトリアスは私のタイプとは違うけどギルと違うとこと言えば多少理解があるところだ。
それにアロンの時とデミトリアスの時は体格から声まで違う。
デミトリアスの方が大きく威厳があり、今こそ寛いでるからこそ穏やかな表情をしているがその黄金の瞳で睨まれたら誰もが縮こまってしまいそうだ。
(悔しいけどデミトリアスにしろアロンにしろ顔はいいのよね)
ジッと見ていた私の目線と彼との目線が合う。
「どうしたそんなに見つめて?
僕に見惚れたのか?
僕は君の愛人でもあるからな」
「はあ?そんな訳ないじゃない。
元の姿に戻って!」
声を上げると響いていたのか
「奥様、どうかされましたか?」
とメイドが下の階から来た。
「だ、大丈夫。猫とじゃれていたの」
「まあ、その猫最近奥様にべったりですね」
クスッとメイドが笑う。
失礼しましたとメイドが部屋を去る。
デミトリアスは猫のまま呑気に私のゆり椅子が気に入ってそのまま昼寝の体勢になっているみたいだった。
(ああ、もうだめ!私がふりまわされてどうするのよ!)
誰かに話したいわ!
と思った矢先、久々に彼女の顔が浮かんだ。




