表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/9

2話 最悪夫とメイドの噂話

「まあ、それは真っ黒すぎたわね」

「もう最悪よ。慰めてエミリー」

「よしよーし、マーリンの好きなお菓子持って来させるから」


友人のエミリーの屋敷に押しかけるとエミリーはメイドにそう言って新しいお菓子を持って来させる。




「それでギルバート様の新しい女って誰か分かるの?」

「メイドの噂ではモーヴ家の1番下のシェリーって子みたいな事を言っていたわ」

「ああ、ロザリーが言っていたわ」


ロザリーは私とエミリーの共通の友人だ。



「ロザリーは妹がいるでしょう。社交界ではもっぱらシェリーの話題でいつも沢山の伯爵達に取り巻かれ待てるって持ちきりなんですって」

「その中の1人がギルだったのかしら」


「さあ。でも同じ社交界の華でマーリンみたいな金髪の子を選ぶなんて・・・」

「・・・ええ。分かりやすい人よね」


だからって金髪で華があったらどんな子でもいいのかしらと言いたい事は山々あるけど。



「ああ、もう!思い出しただけで腹が立つわ!

ねえエミリー、良い人紹介して」

そう彼女に無理を言う。


「ええ~?私だって既婚者よ。知り合いなんて」

いないわよと言おうとしていた彼女だが何か思いついたという表情になる。 



「何?誰かいるの?」

「良い人じゃなくてツテならあるかも。

マーリン、クレアを知ってるわよね?」

「ええ」

クレアも私達共通の知り合いだ。



「確かクレアとこの間話した時に彼女の叔母様がそういう事に詳しいんですって」

「例えば?」

「確か会員制のクラブに入ってるってクレアは言っていた気がしたけど」

「クラブ!?それって大丈夫なところなのかしら?」

「私達の間ではたまに聞くけど、私も行った事はないわ」


エミリーはクレアに聞いて知っていたのかまあ大丈夫じゃない?と言った感じで話す。


「紹介制だからよかったらマーリンも気になるならクレアに話せば叔母様と一緒に行けるかもよ」

「ええ~?」


クレアの叔母様には会った事がない。


(しかも愛人探しの為に会いたいなんて言ったら引かないかしら?)


私は今こそダグラス家に嫁いだもののお母様が聞いたら倒れそうな事だ。


「いいことマーリン、幸せになりたかったら結婚した人を愛しなさい」


2年前、ギルとの結婚が決まって父も母もギルみたいな立派な伯爵家に嫁ぐ私を彼らは喜んで祝ってくれた。


そんな母は幸せだったのかは分からない。


「マーリン行きましょうよ。そうだ!紹介性なら私も夫と一緒に行こうかしら?」

「いいの?」


エミリーの発言に嬉しくつい、彼女の手を取る。


「夫に聞いてみてからだけど、こんな機会ないならなかなかクラブなんて行かないしね。あ、でも夫にもマーリンの事情話すからね」

「分かった!助かるわ!」


持つべきものは親身になってくれる親友だ。


(相談してよかったわ)


1人で抱え込むには大きすぎる悩みだ。

(エミリーが聞いてくれてよかった)



行きよりも帰りは気持ちが楽になり、馬車で屋敷に帰ると、その日の夕飯に相変わらずギルはいなくてもいつもよりは良い気分で過ごせたと思う。


しかし

「眠れない」


エミリーとあんな約束をしてよかったのかしらと不安になったのだ。


一応私だって結婚する前はハミルトン家の一人娘。

愛人探しの為に友人の知り合いに着いていって男漁りなんて聞いたらなんて言われるか!

と思ったけどギルもギルだ。


(いっそ、彼のご家族に忠告するべきだったかしら!?)

爵位はギルに渡し、彼らは遠くの地に旅行に行く事が多い。



「ああ、もう!みんな勝手すぎるわ!」

なかなか寝付けないから何か飲んだら落ち着くかしらとメイドが寝ているかもしれない深夜にキッチンに向かうとする途中、部屋の前で聞き慣れたメイド達の声がした。



「ええ?じゃあララはその魔法使いの伯爵に会った事あるの?」

この声は確かメイドのリリーだ。


「ないわよ。買い物中の令嬢達がそう噂していたの」

この声はリリーの姉、メイドのララだ。


双子の彼女らはの部屋は一階のキッチン側でまだ起きていたらしい。


どうやら令嬢の中で噂の伯爵様がいるらしい。


ララの話を聞いてリリーは

「なんだあ」

と安心したようにクスクス笑い話を続ける。

「そうよね噂よね。魔法使い伯爵なんて」

「そうよ」

とララは彼女に頷く。


(まほうつかいの伯爵?)

納得する彼女らとは別に私は聞き慣れない名前に頭を捻らせた。


(手品が上手な伯爵が話題になってるのでかしら?)


もっとリリーとララの話を聞きたかったが彼女らは寝てしまったのか話し声はそれ以降聞こえなかった。


仕方なく部屋に戻った私には気になる話題が増えて結局小腹も満たされないまま朝を迎えた。
























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ