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4頁 不安からの解放

 その男はショーケースを見て悩んでいる様子だった。

神耶氏がそっと近づいて、


 神耶「お悩みですか?」

 男 「いえ」

 神耶「我慢してはいけません。ストレスが溜まりますよ」

 男 「実は・・・」

 神耶「実は?」

 男 「私は自衛官で今度、中東派遣が決まりまして。・・・いざと言う時、人を撃てるかどうか心配なんです」

 神耶「それは困りましたね。迷っていたら自分が撃たれてしまう」

 男 「この心配事・・・何とかならないものでしょうか」

 神耶「分かりました。ちょっとアナタの脳内を拝見させて下さい」

 男 「脳内?」

 神耶「あちらの小部屋にどうぞ」

 男 「え? あッ、はい」


神耶氏は別室の小部屋へ男を案内する。


 神耶「そこに座ってそのテーブルの上のヘルメットをカブって下さい」


男は言われるがままにヘルメットを被る。

神耶氏は垂れ下がったコードをヘルメットのコンセントに差し込んだ。

急いで小部屋から出て、ショールーム(応接室)のモニターのスイッチを入れる。

壁のモニターに画像が映し出された。

神耶氏は映像を見て、


 神耶「・・・あ〜あ、コレだ。前頭葉の前の部分、理性をコントロールする線がカラんでる。理性が強過ぎてショートしてるんだ。これじゃあ、銃の引金は引けない筈だ。自我(心)のチャンネルをメンテしてリセットしないと。・・・あッ! そうだ。あの『猟師の脳』をシナップスで繋いで、男の脳とコラボしてみよう。ところであの男の職歴は・・・」


神耶氏は海馬に刺激を与えて前頭葉に想起させた。

想起させた映像には、寺で男が正座して経を唱えながら特大の『りん』をりん棒で叩いている姿が映し出された。


 神耶「・・・な〜るほど、彼は『僧侶』だったのか・・・」


神耶氏は小部屋に戻り男の頭からヘルメットを外した。

男を見て、


 神耶「アナタは以前、僧侶だったのですか・・・」

 男 「えッ! なぜ、分かったのですか?」

 神耶「脳の中に残る過去の残像を拝見させてもらいました。で、これからアナタの脳をチューンアップして行きたいと思います」

 男 「えッ! あ、あの、値段は?」

 神耶「値段? オマカセします」

 男 「いや、そのあやふやな言葉が『怖い』んです」

 神耶「怖い? 施工(施術)が終わったらその怖さも無くなりますよ。人を人だと思わず銃の引金も引ける筈です。弾は正確にマトに当たります。何しろ『猟師の脳』を使いますから」

 男 「猟師の脳?」

 神耶「ええ。カナダのエスキモーの猟師が使用していた脳です。アナタの目の奥にある網膜(神経節細胞)から猟師の脳の後頭葉(視覚中枢)にシナップスで繋いでチューナップして行きたいと思います。アナタの心配事(人を撃つ)も減り、マトへの命中率も相当上がります」

 男 「シナップスを繋ぐ? 開頭手術でもするのですか?」

 神耶「手術? この店は病院では有りません。シナップスでアナタの脳と猟師の脳を繋げ、超微量電流を数十秒間流します。それにより絡んだ理性を刺激し、ほぐし(解放)ます」

 男 「あの〜、そのほぐす料金はおいくらですか?」

 神耶「施工時間で計算されます。約3分でお客様の脳内のカラんだ理性をほぐし(解放)、猟師の脳を使ってリセットします。解放からリセット迄で30万位でしょうか。アナタの命が亡くなる事と比較すれば安いモノです」

 男 「3分で30万かぁ・・・分かりました。じゃ、お願いします」

 神耶「ありがとう御座います。これで、アナタは直ぐに狙撃部隊の部隊長に成れます。中東での戦いが楽しみですね。ハハハハ」

                               つづく

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