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猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める  作者: 遥風 かずら
アフターストーリー 3

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ぺルーシャ亭のお使いクエスト 3

 何となく突発的なイベントだとは思っていたが、お腹を空かせた猫一家を助けるのがお使いクエストだったりするのだろうか。


「リプルさん。あの~合格って、もしかしてお使いクエストのですか?」

「みゃ!?」


 俺の言葉にリプルさんは驚きの声を上げ、目を大きく見開いている。


 驚かせてしまったか?


 しかし、驚いたということは正解なのでは。


「えっ? すみません、何か驚かせてしまいましたか?」

「お使いの依頼を言う前だったので、どうして知っているのかとびっくりしました。宿屋にあの子たちを向かわせていただけで、まだ正式に依頼を出していなかったのです……」


 ……なんだ、あの子たちは俺に依頼するつもりだったのか。


「そうすると、何が合格なんです?」

「人間ではあるけれど、猫たちの父親として合格という意味です」

「えぇっ!? ち、父親?」


 猫好きではあるけど、流石に父親ってのは無理があるような。


「……と言っても代表の、という意味ですよ。お気づきかもしれませんが、ミネット村には猫じいを除けば大人のオスがいません。その代わりと思っていただくだけで構いませんよ」


 子供たちはちらほら見えたけど、大人のオス猫は見かけてないからどこにいるのかと思ってたけどそういうことか。


「疑問に思われているのでお教えしますが、大人のオスは旅をする決まりになっているんですよ」

「なるほど……」

「あなたにはコムギさまがいますから、そこまで深くお悩みになる必要はないですよ」


 リプルさんは俺を見ながら目を細めている。


 ……猫の村で父親代わり。猫好き冥利に尽きるし、あまり深く考えるのをやめとこう。


「そういえば、さっき猫じいと言ってましたが、猫じいさんはどこに?」


 正規のお使いクエストをこなしておかないとな。


「猫じいでしたら、ぺルーシャ亭のお部屋にいるはずですよ」

「えぇ!? あれ、でもミネット村の役場と聞いてるんですが、宿屋の中に役場があるんですか?」

「ぺルーシャ亭はミネット村のシンボルなんです。人間であるトージさまをお泊めできる場所であり、コムギさまが回復出来る場所でもあるので……」

「……なるほど。そういう場所でしたら納得です」


 ということは、宿から出なくていい話だったんじゃないか?


 リプルさんの家以外に大きめな家がないから役場なんてないんじゃないかと思っていたけど、まさかの灯台下暗し。


「トージさま。本当に美味しいものをご馳走して頂き、ありがとうございました! 我が子たちも満足しましたし、ミネット村の猫を代表して改めてトージさまを歓迎しますわ」

「ど、どうもです」


 魔導ボックスを使えたのが良かったな。


「トージさまの評価は猫じいに伝えておきますね」

「は、はい。じゃあ俺は宿屋に戻ります」

「トージさま、いってらっしゃい!」


 父親、しかも猫たちの父親代わりか。嬉しいような複雑のような。


 リプルさんの他、外で待っていた猫の子たちに見送られながら、俺はぺルーシャ亭に戻ることにした。


「トージ、お帰りニャ~」


 ぺルーシャ亭に戻り、とりあえず部屋に入るとコムギさんが起きていて俺を出迎えてくれた。


 たっぷりと眠って元気なようで、とても機嫌が良さそう。


「コムギさん。実はルルさんにお使いクエストの依頼を受けてたんだけど――」

「ふんふん」


 何故か猫たちの父親代わりになった話をすると、コムギさんは呆れるどころかさらに機嫌を良くしているみたいだった。


「あれ、俺を怒らないの?」

「どうしてニャ? トージは単なる猫好きのおじさんじゃなくなったニャ。これは私の主人が名誉を得たということになるのニャ。だから私も誇らしいニャ!」


 そう言いながらコムギさんが俺の足にすりすりしてくる。俺が予想していたのと違ってかなり嬉しそうだ。


 このまま座ってモフモフしたいところだが、宿の中に役場があるなら早いところ猫じいに会っておかないと。


「えっと、コムギさん。まだルルさんの依頼が残ってるんだけど、一緒に行く?」

「もちろんニャ!」


 ぺルーシャ亭の中にあるなら簡単に見つかるとは思うが、まずはルルさんを探してそれからだ。


「ところでトージの話だと魔導ボックスが使えるようになったってことだけど、スキルが使えるようになったのかニャ?」

「う~ん。何とも言えないかな……」

「ウニャゥ……でも、徐々に使えるようになってるのは確かだから元気出してニャ!」

「そうだね、ありがとうコムギさん」


 目覚めて元気になったコムギさんと一緒なら何とかなる――そう思いながら、部屋を出てまずはルルさんを探すことにした。

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