魔法
「んー…2日後かぁ、困ったな。」
「暇だなぁ。」
今の目的は自分と同じ境遇の人間を見つける為、冒険者組合に登録する事。
冒険者登録が出来ないと先には進めない。
「明日は街から出て体を動かす練習でもしておくか。」
明日のやる事を決め、ギルドホームへ帰った─。
「えーっと。」
次の日、街から出て平原に来た。
少し歩けば川が流れ、木も生い茂っており目立ちにくい。
ここなら魔法を撃っても迷惑にはならないだろう。
「よっ。」
気持ち高くジャンプした。つもりだった。
木より高く飛び、キャラのステータスの高さを再認識した。
「ちょっ、高っ!」
地面が迫ってくる、確実に足を怪我するだろう。
覚悟を決め、着地する。
「…痛くないな。それにあまり怖くもない。」
何かを思い出し、ジョブ一覧を開く。
「忍者のジョブをマスターすると手に入るEXパッシブが確か…。」
ファンタジーオブオンラインでは、ジョブをマスターすると永続効果のあるパッシブスキルが手に入る。
マスターすればする程強くなるが、途方も無い時間がかかる。
ジョブにも“ジョブ”“上位ジョブ”“超位ジョブ”が存在する。
超位ジョブを初めてマスターしたプレイヤーはEXスキルが手に入る。
「忍者のEXパッシブは落下による自傷ダメージの無効と、隠密時に奇襲ダメージボーナスか。」
「ちょっと自分強すぎるか?」
ゲームでは強いに越したことはないが、現実となれば流石に気が引ける。
しかし、強さを証明しなければ他のプレイヤーは“たすく”がプレイヤーだとは気付かないかもしれない。
「とりあえず練習して試験に備えるか。」
「それにいざ魔物を前にしてビビったら終わりだもんな。」
彼は真面目君だった─。
「いい感じ…慣れてきたな。」
「何年も使ってきた相棒だもんな。」
ダイブ機器ゲームだからか、ゲームの時と変わらない程動けた。
リアルの身体なら不可能だろうが、このアバターにはステータスがある。
動体視力も、瞬発力もゲームと同じだ。
「次は魔法の練習でもするか。」
メニューを開き、装備プリセットから大賢者の装備に着替えた。
ここもゲームと変わらないようだ。
「えーっと…」
「ライトニング」
杖の先から電撃が放たれた。
狙った先は近くに生えていた木。
放たれた魔法は瞬く間に直撃した。
ギギギギ、ドォン!
大きな音を立て、木は焼け焦げ折れてしまった。
「威力も同じっぽいな。」
普通のライトニングはここまでの威力は無い。
数多くのパッシブに、伝説級の装備を付けてる事により威力が跳ね上がっている。
「あとは…。」
川に目を向ける。
「フリーズ」
川で泳いでた魚が凍る。
凍った魚は浮き上がり、ゆったりと流れていく。
「うん、弱体も通ってるね。」
弱体の威力ではないが、足止めは確かに出来てるだろう。
「ごめんなー、美味しく食べてやるからな。」
そう言い、アイテムボックスにしまった。
「えっと…。」
ついでにアイテムボックスにしまった試験の案内用紙を取り出した。
「明日の昼、12時から試験開始だから…もう少し余裕があるな。」
「夜まで練習して明日に備えよう。」
練習は寝るくなるまで続いた。




