キャバリエ村
冒険者組合を出て、四人はそのまま街の外まできた。
「なぁ、俺たちはどうするんだ?」
「そのままついて行っても足手まといになるとおもうが。」
ギソクは自分の実力を冷静に分析しているからこそ、今回の戦いでは力になれないと感じたようだ。
「アークがいるなら大丈夫だよ。」
たすくはけろっとした顔で言った。
「そうだな、平気だと思うよ。」
「まぁ…お前らがそういうならそうなんだろうが。」
「流石に死にたくないぞ。」
「大丈夫だって、アークがいれば死ぬことは無いから。」
「?」
たすくの言葉に疑問を覚えたが、これ以上聞くのは時間の無駄だと感じた。
「村まで遠いし、急ぐからこれ乗っていこうか。」
たすくがそういうと、地面に絨毯を広げた。
「えっ。」
アークはものすごい速度で近づき、たすくに耳打ちをした。
「もしかしてそれって、初期のランキング報酬で一度だけ配られたっていう伝説の空飛ぶ絨毯?」
「よく知ってるね。」
「お、おおおお!!すげぇ!」
アークは初めて見たのだろう、興奮して絨毯を触り始めた。
「おいおいどうしたんだよ。」
「アークが壊れちゃった。」
「じゃあ行こうか、乗って。」
たすくが皆に乗るよう指示する。
それにしたかだって皆が乗ると、絨毯は浮かび、かなりの速度で飛び始めた。
絨毯の周りは結界で覆われ、風を受けて落ちる心配も無かった。
「うわー!結構早いね!」
「これなら今日中に着きそうじゃない?」
「そうだね、これなら3時間で着けそうだね。」
「…。」
かなりの間飛び、北峰が近付いてきた。
目的地まで後数分ってところだろう。
「おい、煙が上がってるぞ。」
ギソクが指さした方で確かに黒い煙が上がっていた。
「向かおう。」
「位置的に村で間違いないね。」
四人は絨毯から降り、村へ駆け寄る。
建物は壊れ、あちこちから煙が立ち込めている。
辺りから悲鳴、鳴き声が飛び交っていて、正直かなり酷い状態だった。
「…。」
あまりの惨状にたすくは言葉を失った。
「酷いな…。」
ギソクが杖を構え、煙の方を見た瞬間アリスが駆け出して行った。
「、おい!」
「っ、自分も行ってくる。」
アリスが駆け出したのを見て、たすくも後を追った。
「これ。」
そういうとアークはギソクに箱を渡した。
「…、ポーションか。」
「飲ませてって、ギソクは回復魔法使えないだろ?」
「あぁ、助かる。」
そう言い、四人は救助へ駆け出して行った。
「大丈夫ですか」
たすくは外で建物の柱にもたれかかっている男に近付いた。
「、…あぁ。」
意識はあるが、かなり酷い怪我だ。
もたれかかるのも辛く、男はゆっくりと座った。
それを見て、たすくもしゃがんだ。
「ハイヒール」
たすくが魔法を唱えると、彼の体を光が包み傷はみるみる治った。
「…、傷が。」
あんなに辛く痛かった怪我がものの数秒で治り、男は驚いた。
「よかった、念の為ポーション置いておきますね。」
「、ありがとう。」
「いえ、じゃあこれで。」
たすくは立ち上がり、他の場所へ向かおうとした。
「待ってくれ、もしもっと強い回復魔法が使えるなら頼みがある!」
男は駆け出そうとしていたたすくを制止する。
「どうしたの?」
アリスが二人に気付き近付いてきた。
「向こうにある協会が見えるか。」
「あそこに怪我が深い村人が沢山運ばれている。」
「俺なんか比にならないくらいの怪我をした村人がだ。」
「ここいらの怪我人はポーションがあれば大丈夫だから協会に行ってくれないか?」
男は涙で声を震わせながら二人に懇願してきた。
「たすく、行こう。」
アリスは杖を構え走り出した。
「ここら辺にいる村人へ使ってください。」
たすくは男に箱に入ったポーションを手渡した。
「こんなに…いいのか?」
「ええ、じゃあ協会に行くんで。」
「、ありがとう、ここは任せてくれ!」
男は近くで怪我をしている村人にポーションを配り始めた。




