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冒険者組合のマスター

「すみません。討伐依頼達成したんですけど…。」

たすくが受付に報酬を受け取りに行った。


「はい…。」

後ろを向いていた受付嬢のナタリーは前を向いた。

たすくが来たと気付くと、探していたと言わんばかりの顔をした。


「あ、たすくさん!探してましたよ。」


「え?」


「武闘会の件で上から呼び出しがあって。」

「今呼んできますので待っててください。」


「わかりました。」

ナタリーが受付けから出て少し経った後、一人の男性を連れてきた。


「やっと来たか。」


「あなたは?」


「ここの冒険者組合のマスターってところだ。」


「なるほど。」



「なんか時間かかってるねぇ。」


「あれ組合のマスターじゃないか?」


「何かあったのかも、行こう。」


「そうだな。」

三人はたすくの元へ向かった。



「たすく、どうした?」

ギソクが駆け寄り声をかけた。


「あー、武闘会の件で呼び出されちゃって。」


「お、ちょうど良かった。お前らも呼びに行こうと思って…なんか一人多くないか?」


「どうも」

アリスの後ろからアークが顔を出した。


「おいおい…、そういうことかよ。」

「とりあえず全員来てくれ。」

マスターは頭を抱えながら案内する。



「で、要件なんだが…。」

マスターはたすくをじっと見て話し始めた。


「お前、やりすぎだ。」


「え?」

自覚はあるが、まさか呼び出されるとは思っても居なくてたすくは驚いた。


「俺も知らない技を連発しまくってくれたおかげで事後処理が大変なんだよ。」

「あの技はなんだ!とか、組合に入れば使えるようになるのか!とか。」

「知らねぇよ俺だって…。」

マスターは頭を抱えて話す。

あまりにも哀愁が漂っていて、気の毒でしかない。


「あ、あはは…。」

この場にいた全員から冷ややかな目で見られ、たすくにできる事は愛想笑いしかなかった。


「アーク、お前は知ってるのか。」

マスターはアークに声を掛ける。

二人は面識があるようだった。


「使えないけど知ってるよ。でも知らない技も何個かあったね。」


「アークでも使えないのかよ…はぁ。」

マスターはため息をついた。


「(コイツってそんなに凄いのか…。)」

ギソクはアークがどういう人間か知らないため、マスターがアークとたすくを比較している事に驚いた。


「アークってそんなに凄いんだ!」

アリスが無邪気に聞く。


「(コイツがバカで助かった。)」

ギソクは聞けなかった疑問を解決できそうな流れを少し喜んだ。


「アークはな、聖騎士のジョブをマスターしてるんだ。」


「っ!」


「え、聖騎士!?」

二人はアークの顔を見た。


「そだよ〜。」


「何十年もかけてようやく聖騎士に“なれる”ジョブをマスター…。」


「アークって凄いね。」


「そうでしょ〜。」

「(たすくもマスターしてるけど、言わない方がいいか。)」

アークは真実を一つ、胸にしまった。

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