オールユ共同墓地
次の日、三人はオールユ共同墓地へ来ていた。
共同墓地は霧で薄暗く、陰湿だった。
普段は静寂に包まれているが、今日は戦いの音が鳴り響いていた。
「ライトニング」
たすくの持っている杖から凄まじい電撃がグールに飛んで行った。
グールの胴体には風穴ができていた。
「これで全部?二十体は倒したよ。」
「いや、まだ来るぞ!」
「多いね、結構放置されてたのかな。」
「でも倒した分だけ報酬アップだよ!」
「なら全部倒すで決まりだな。」
「フレア」
ギソクの体ほど大きい獄炎がグールに向かって飛んで行った。
「うわ、くっさ!!」
「やめてよ!火の魔法使うの!」
アリスがギソクに怒っている。
「悪かったな!」
「ならあれ使う?」
「あれ?」
「…、いや墓まで壊れちまうだろ。」
ギソクはアレがダイヤモンドダストを指していると気が付いた。
「えー、じゃあちまちま倒すしかないって事?」
「ホーリージャベリンも大変って言ってるよ?」
アリスは手に持っているホーリージャベリンを撫でながら言った。
「いやお前が一番蹴散らしてるだろ。」
「なんか倒さなきゃってなっちゃうんだよね!」
アリスはホーリージャベリンをグールに突き刺す。
「さすが聖女の血だな。」
「ウォーターボール!」
上空から降ってきた巨大な水の玉がグールの頭上に落ちた。
グールは耐えられず倒れた。
しかし、遠くからまだ足音が聞こえた。
「えー、まだ来るの…。」
「おい…倒しすぎても魔石引っこ抜くのに時間が掛かっちまうぞ。」
「自分とアリスが倒しておくから、ギソクは魔石取ってて。」
「うわ、俺かよ。」
グールの死体から魔石を抜くと言う行為に嫌気を感じたが、誰かがやらなければいけないことを理解している為、ギソクは黙々と作業を始めた。
「パーティーで79体のグール討伐…、それにレイスの討伐、ですか。」
「凄いですね、流石期待の新人パーティーです。」
ナタリーはあまりの戦果に動揺していた。
「査定しましたら報酬をお渡ししますので、暫く経ったらまたお越しください。」
ナタリーはそう言い、報酬未受け取りと書き足された依頼書を渡してきた。
「わかりました。」
「次の依頼が決まったらまたお声掛けください。」
「武闘会に出るので暫く休みにします。」
たすくは少し申し訳無さそうに告げる。
「そうなんですか…武闘会に出るなんで凄いですね。」
「武闘会って報酬とか出るんですか?」
「…たしか、前回は優勝賞金に100万ギル位だったかと。」
「もし優勝したら組合からもなにか報酬が出ますよ。」
「そうなんですか?」
「優勝した人が組合に所属していたらそれだけで宣伝になりますし。」
「私も応援してますね。」
「ありがとうございます。」
たすくは礼をし、受付を後にした。
「武闘会って武器の持ち込みはありって言ってたよね。」
「えーっと…あ、事前に申請がいるみたい。」
「じゃあ何を使うかは決めておかないといけないのか…。」
「予め全部申請しておけばいいんじゃないか?」
「確かに、それはありかも。」
たすくはギソクの案に賛同した。
「じゃあ受付してくるね。」
「おう。」
「行ってらっしゃい!」
二人はたすくを見送った。




