オリシエ村
三人は村に辿り着いた。
少し閑散としているが、生活するには十分な村のようだった。
「なんか凄い見られてない?」
周りを見回したアリスが言った。
「そうだな、歓迎されてる訳じゃなさそうだな。」
ギソクが答えると、プラチナブロンドの髪をした村人の一人が近付いてきた。
「冒険者の方ですか?」
近付いてきた村人が話かけてきた。
「はい、依頼を受けて来ました。」
たすくが返事をした。
「私はこのオリシエ村の村長をしているマルクスと申します。」
20代くらいだろうか?村長と言うには若すぎて三人は少し驚いた。
「依頼品を納品したいのですが、何処に下ろせばいいですか?」
「納品…?」
手ぶらな三人を見てマルクスは不思議そうに答えた。
「この村に解体場はありますか?」
「でしたらこちらに。」
マルクスは三人を案内する。
「ここですが…。」
「では出しますね。」
たすくはアイテムボックスからホーンカウの体、頭部、血液を一つずつ取り出した。
「アイテムボックスですか…。」
「しかもホーンカウ…状態が凄くいいですね。」
マルクスは目を輝かせている。
ふとアリスがホーンカウの前に立った
「ピュリフィケーション」
ホーンカウが光り輝いた。
浄化魔法の一種だろう。
「(浄化魔法…確かに食べるなら安全になるな。)」
「…、失礼しました。依頼書を貸してください。」
マルクスは浄化魔法に驚きながらも思い出したかのように依頼を進める。
「お願いします。」
「こんなに状態の良い物は初めてです、助かりました。」
マルクスは依頼達成のサインを依頼書に記し、たすくへ返した。
「ありがとうございます、それでは。」
「もう行ってしまうのですか?」
「何もおもてなし出来ずにすみません。」
マルクスは申し訳無さそうに言った。
「いえ、依頼が目的なので大丈夫ですよ。」
「では失礼します。」
たすくは会釈をして村から出る。
「四日で依頼二つか。」
「片方はEランクだから大丈夫でしょ。」
「そういえばそうだったね。」
「じゃあ報告しに帰ろうか。」
三人が去った後、マルクスはホーンカウを眺めていた。
「…」
「凄いな、ホーンカウを一刀で…。」
「今のが例のパーティーですか?」
村人が一人マルクスに声をかけた。
「そうだ。」
「あの動き…素人には見えませんでしたね。」
「今回の冒険者は当たりだな。」
「初心者でホーンカウの首を切り落とす冒険者なんて存在しませんよ。」
村人は滑らかな切り口を見て言った。
「目立った外傷も無い。不意打ちで首を落としている。」
「対処法を良く熟知しているな。」
「…はぁ、俺も狩りしてぇよ。」
マルクスはため息を付いた。
「マルクスさん、報告どうしますか?」
「あぁ、そうだったな。」
「腕は良い。冒険者としては少し腰が低いが悪い事じゃない。」
「威厳は実力に付いてくるからな。」
「総評A+って所だな。」
マルクスは手に顎を乗せ言った。
「では組合に送っておきます。」
「凄いですね、A+なんて初めて書きましたよ。」
「俺も初めてだよ。」
「ホーンカウの主食は薬草で血や内臓は薬になる。」
「調剤して組合に納品しろ。」
「分かりました。」
「(あの三人…、他の奴は気付いていないが魔力量がおかしい。)」
「(Aランク冒険者に引けを取らない魔力量だ。)」
「(特にアイツ…、一人だけ次元が違うな。)」
マルクスは冷や汗をかいた。
「おーいマルクス!」
別の村人の一人が近寄ってきた。
「どうした。」
「お前宛に手紙、組合からだ。」
マルクスは手紙を受け取り、中を見る。
「…、キターーー!!!」
マルクスは大声を出し喜んでいる。
「うわ、なんだよ急に。」
「ちょっと準備してくる。」
マルクスは手紙を押し付け、自宅へ向かった。
「なんだよ…あぁ、討伐編成通達か。」
「アイツも好きだな…ベヒーモスか、こりゃ誰か死ぬな。」
「ってまだ先の話かよ。」
村人は呆れながらマルクスの家へ向かった。




