依頼
三人は朝早くから冒険者組合に着いたが、それでも多くの冒険者が依頼を受けに来ていた。
依頼ボードの前に来たは良いが、良さそうな依頼は見当たらなかった。
「んー…、ゴブリン無くなってるね。」
「まぁそうだよな。昨日のもう一つのパーティーがやってるんじゃないか?」
ギソクはたすくの横に来て話す。
アリスは離れた椅子に座っているようだ。
「なら難しくはなるけど、一体討伐の依頼にする?」
「一体討伐か。」
「一体討伐なら一つ上のランクの依頼を受けられるんだっけか?」
ギソクはあまり覚えていないのか、たすくに確認をとる。
「そう、つまりEランクの魔物…。」
たすくは依頼書を一つ手に取る。
「ホーンカウの討伐か。」
ギソクは依頼書を読み込む。
「ホーンカウって結構暴れるけど大丈夫か?」
「俺やアリスは一発貰うだけでも死にかねないぞ?」
「大丈夫だよ、戦い方は知ってるから。」
「(懐かしいな、ホーンカウ。危険を察知すると角を振り回して初心者は結構負けちゃってたんだよなぁ。)」
「ホーンカウはスリープを使えば簡単に討伐できるから安心して。」
「効くのか?スリープなんて。」
ギソクは少し不安そうな顔をしている。
「ホーンカウは臆病だから、普段あまり寝てないんだよ。」
「常に寝不足だから凄く効くよ。」
そう説明しながら、たすくはもう一枚依頼書を手に取る。
「なんだ、それ?」
ギソクが覗き込んできた。
「近くの村の依頼。食料品の納品。」
「納品するものは自分たちで用意するみたい。」
「まぁ近くの村ならちょうどいいな。」
「一体討伐ならそんな時間はかからないだろうし。」
ギソクとたすくはアリスを呼びつけ、受付へ向かう。
「あの、この依頼受けたいんですけど。」
「はい…あ、たすくさん聞きましたよ。」
「Fランクからスタートなんですよね。」
受付嬢は紙を受け取り、微笑みながら話しかけて来た。
「そうなりました。」
「これからの活躍を期待してます。」
「えっと…二つの依頼ですね。」
受付嬢が依頼に目を通す。
「二つ同時に依頼をこなせば評価は上がりますが、失敗するとその分下がりますので気を付けてください。」
受付嬢が依頼書に受領印を押し、返して来た。
「わかりました。」
「この食料品の調達なんですけど、どんなのが良いですかね?」
たすくは依頼書を指さし、質問した。
「食料になりそうな物ならなんでも大丈夫ですよ。」
「討伐した魔物を解体せずそのまま渡しても喜ばれますよ。」
「そんなに食料に困ってるのか。」
横にいたギソクが呟いた。
「この辺に生息している魔物は村人じゃ狩れないので、こうして依頼をされてるんです。」
「解体は村人ができるので心配しなくても大丈夫ですよ。」
「わかりました。」
聞きたいことを聞いて、三人は冒険者組合を後にした。




