拠点
試験が終わり、時刻は17時頃を迎えていた。
冒険者組合は以前とは違い、沢山の冒険者が依頼報告をする為に戻ってきていた。
「こっちだ。」
ギソクが依頼ボードまで案内してくれた。
三人で今ある依頼を眺める。
「ランクを上げるならこの討伐上限の無いゴブリンとかが良さそうだね。」
「確かに、上限が無いなら狩っただけ報酬も貰えるしいいかも。」
「気持ち悪いけど。」
ゴブリンは確かに見た目は気持ち悪い。
女性に敏感な所も嫌悪感があるのだろう。
「薬草採取もあるし、達成回数を稼ぐならここら辺だな。」
「じゃあここら辺を受ける事にしよっか。」
「賛成〜、早く帰りたいなぁ。」
アリスの疲労がかなり溜まっているようだ。
計画を考えるのが苦手なようだ。
「宿はどうする?」
「集合時間も決めないとな。」
ギソクは細かいように見えるが、決めないと後々面倒な事を事前に決めてくれるタイプのようだ。
「それなら自分の家に住む?」
「家あるんだ。」
家持ちの冒険者はこの世界では珍しいようだ。
「結構広いし、近いから便利だと思うよ。」
「じゃあそこを拠点にするか。」
「いいよ。」
冒険者組合を後にして、三人でたすくのギルドホームへ向かった。
「ギソクはこの部屋、アリスはここの部屋使って。」
「自分はこの部屋にいるから、何かあったらこの部屋に来てね。」
「わかった。」
「あ、そうだ。」
「どうした?」
「着いてきて。」
二人を連れ、たすくは一階へ向かった。
「風呂場はここにあるから、自由に使っていいからね。」
「お風呂あるんだ!やったー!」
風呂があると聞き、アリスは喜んでいた。
「じゃあ自分は部屋に戻るから。」
「あぁ。」
二人にギルドホームの説明をし、たすくは部屋に戻った。
「…」
「どうしたの?」
考え込んでいるギソクが気になりアリスが声をかける。
「この家おかしくないか?」
「何が?」
「家具の量が多すぎる。」
「たすく一人しか住んでないのに椅子がこんなに必要か?」
「部屋数もかなりある、一人で住む家じゃない。」
「家族が別の所に引っ越したか、もう居ないかとか?」
「…人探しか。」
ギソクはたすくが話した目的を思い出した。
「あ、まだここに居た。」
「二人とも夜ご飯食べる?」
二階からたすくが降りてきて声をかける。
「私はいいかな、お風呂貰って寝ちゃうね。」
「じゃあ俺もパス。朝飯は欲しいかな。」
「分かった、また明日ね。」
そう言いたすくは自室へ戻った。
「…たすくは誰を探してるんだろうな。」
「さぁ、聞いてみたら?」
「そんな事聞ける訳ないだろ。」
アリスの適当な返事にギソクは思わず突っ込んでいた。




