合否
「…。」
「どうしたんだよ、そんなにソワソワして。」
見かねたギソクが声をかけてきた。
「え、緊張しないの?」
「する訳ねぇだろ。」
即答された。ギソクは自信があったようだ。
答えを聞くまで緊張するのは普通だと思っていたが違ったようだ。
「聞いたよー、化け物二人とも。」
声のする方を向くとアリスが居た。
「なんだそれ。」
ギソクは冷ややかな目でアリスを見ていた。
「さっき試験官の人が話してたよ。」
「頭のおかしい威力の魔法を連続で見させられたって。」
「そんなやばい魔法使ったの?」
アリスは魔法を見ていなかった為、気になっているようだった。
「俺は派手なの使うって決めてたからな。」
ギソクは何処か自慢げだった。
「それはまぁ、想像はできるけど…。」
「まさかたすくまでそんな魔法使うなんて誰も思ってなかったよね。」
アリスはたすくの方を見て言った。
「程々に。」
「んな訳あるか。」
ギソクに怒られてしまった。
「二人の魔法の振動で会場パニックになってたんだからね。」
「悪かったな。」
こういう時ギソクは謝るタイプなんだなと、たすくは感心した。
「でも人数も少ないしこれは受かったでしょ。」
確かに人数は少ない。全部で7人くらいしか居ない。
会場には100人近く集まっていた為、アリスの言い分は説得力があった。
ふと扉が空いた。
試験官が部屋に入ってきた。
「全員いるな。」
「まず先に言わせてもらうが、お前ら全員合格だ。」
「良かった…。」
たすくは結果を聞き安堵していた。
「いや当然だからね?」
「そりゃな。」
ギソクとアリスはたすくの反応を見て呆れていた。
ほかの受験者も喜んでいた。
「本来なら他にも試験があるんだが、お前らには必要無いと判断させてもらった。」
「まずお前らのランクだが、Fランクから始めてもらう。」
「冒険者ってGからだよな。」
「たしかそのはずだけど…。」
部屋が少しざわついた。
「静かに。」
「普通はGランクからだが、Fランクからは討伐の任務を受けられるようになる。」
「今討伐に出られる冒険者の数が減っている。」
「実力のあるお前らに早く経験を積んで欲しい為、この様な措置を取らせてもらった。」
「だがそこで問題が発生する。」
「初心者は油断するとすぐ死ぬ。」
「そこでお前たち7人でパーティーを二つ作ってもらう。」
「(…パーティーか。)」
「(…活躍しても戦果が分割されるのは困るな。)」
たすくは少し乗り気じゃなくなっていた。
有名になるならソロの方が明らかに目立てるからだ。
「だが問題もある。」
「今この合格者の中で前衛を張れるヤツは1人しかいない。」
「この中に前で戦える奴は居るか。」
部屋が静まり返った。
どうやら誰も居ないようだった。
ただ、一人を除いて。




