壊れた人形のような
この作品のことは、『あおきゅん』とお呼びくださいませ!
「青春」と「(弟が)可愛すぎる」を掛け合わせたものでございます!
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「じゃあ、琥珀は若くんの荷解き、手伝ってあげてね。」
「分かった。」
そう言って、私と若くんは2階へと上がる。
「ねぇ、お姉ちゃん、約束してほしいことがあるんだけど。」
「何?」
「学校では、同級生のフリしててね♡
僕らがイケナイ関係だって思われたくないし、それはお姉ちゃんもでしょ?そうしてくれれば、イイ事してあげるからさ♡」
若くんは壊れた人形のような目をしてこちらを見る。
それはとても美しく、吸い込まれそうな、妖艶な瞳だ。
彼がこんな目をするのは、やはり過去の事が原因なんだろうか。
「分かった。」
私は若くんの部屋のドアの前で腕を組み、そう言った。
「じゃあ、何してほし...」
「だけど、私からもお願いがある。」
若くんは目をピクリとし
「なぁに?お姉ちゃん?。」
「私のこと、学校では絶対にお姉ちゃんて呼ばないで、普通に名前で呼んで。」
「あと、」
「私たちはイケナイ関係でもなんでもない、ただの姉弟って認識でいいからね、イイ事って言うのもいらない。」
「...。」
若くんは黙る。
「さ、はやく荷解き終わらせよ、」
チュッ
「!?」
私がダンボールに手を伸ばしたその時、若くんにドアまで押され、唇にキスをされた。
若くんの唇はとても柔らかかった。
...ってそんなこと言ってる場合じゃない!
ドンッ!と私は若くんを引き離そうと押したが、逆に私もバランスを倒して一緒に倒れ込んでしまい、私と若くんの唇はまたキスをしていた。
...っ!!
「ほらね、やっぱりお姉ちゃんもイイ事したいんでしょ?」
私が押し倒してしまったような体勢から戻そうとするが、足に力が入らず、ついに彼の全身と私の全身は密着されてしまった。
「いいよ、イイ事しよ?お姉ちゃん?」
若くんが私の服を脱がそうとしてくる。
「だ、め、、、。」
力いっぱい声を出す。
「...何がダメなの?」
やっと足に力が入った私は、彼の身体から自分の身体をどかした。
「そういうことは、ちゃんと好きな人と合意でやんないとだめ!」
「...今のは合意じゃないの?」
若くんの言葉に私は顔を真っ赤にして、
「当たり前でしょ!あ、あれは、その、、、じ、事故よ事故!」
「へぇー?そうなんだ。」
「でもお姉ちゃん、俺とイイ事しないの?いいの?」
若くんは自分のことを『俺』と言った。
「今までの女の人はみんな、イイ事したいって言ってたよ?お姉ちゃんは違うの?」
「今までの女の人?」
「まさか、そういうことしてたの?」
「うん、そうだよ?そしたらお金くれるんだ。」
あぁ、この子は...。
「なんで、そんなことを?ご飯食べれなかったから?」
「うん!あとね、1回やり始めたら、とってもイイ事してる事に気がついたんだ!だって、その女の人達も最初はお姉ちゃんと同じこと言うんだよ?でね、俺思ったの!結局はみんな、頭のどこかではそういう事がしたいと思ってる。だから、俺がそれを叶えてあげて、その報酬としてお金もらってたの!」
子供のように話す彼に、恐怖感を抱きながらも
「だから、私もその人達と同じだって?」
そう私が言うと
「うん!だって、人間てみんな違うと言いながら心の中ではそう思ってるはずだから!」
彼は子供のような、キラキラとした笑顔でそう言った。
「...、違うよ。」
「私は、違う。」
「じゃあ何をしてあげたらいいの?あ、逆にお金が欲しいとか?だったら、盗って来てあげようか?」
「違う!」
「そんなのいらない!」
「何も返さなくていいし、何もしなくていいんだよ!君は普通に暮らして、普通に学校に行って、普通に恋愛するの、私はオマケみたいなもの、だから、気にしないで!」
「君は、これから幸せになるべき男の子なんだから!」
「...。」
「ごめん、後で荷解き手伝うから、一旦部屋戻るね...っ!!」
そう言って私は自分の部屋へ逃げ込む。
私は許せない、私自身も、彼の親も、彼の学校の人達も。
彼の周りにいた大人達は何をしていたの!
なんでまだ10代後半の、これからの男の子が、なんであんな目をして、なんであんなことをするようになったの!
本当に許せない...っ!
何より、当時彼を守ってあげられなかったことが悔しいっ!!
あんな歳の子は、恋だの、青春だの、もっと楽しいことを考えて生きていくものでしょ!
普通に笑えるはずでしょ!
私は怒りと悲しみが込み上げ、涙を流す。
でも、これからよ、私があの子をサポートして、普通に青春を送らせて、普通に幸せにさせるの!
私は若くんの『お姉ちゃん』なんだから!
そう言って私は自分の頬をパン!と叩き、
「よし!私のやり直し青春にも目標ができた、やるぞー!!」
若くんの部屋に戻り、「これから、私の青春やり直しと、若くんの青春サポートを姉として頑張ります!一緒に幸せになろうね!若くん!」
私がそう言うと
「あ、そういうのいらないから。」
と言って荷解きに戻ってしまった。トホホ。
若、お前は本当に幸せになってくれ...!(泣)
次回も応援よろしくお願いします!




