88. ドンドコマッスル号爆走
「ヒャッホー!今までより速くなると思っていたがここまでとはな!」
「カン、右、右!岩があるぞ」
「カン、左だよ左!流砂だ」
「わかってるよ!トン兄、カン兄!でも速すぎるんだよ!」
「もう少し揺れを少なくしてください……うぷっ」
「キョウスピードを落とすんじゃないぞ!最高じゃ!」
上からは、クウ村長の喜びの声が聞こえる。前方からはトンテンカンから慌てている声が常に聞こえる。右側の座席に座っているリーンはなんか口を押さえて青い顔をしている気がする。
「中継地点の大岩が見えてきた。これなら、後30分位でテジ村に着きそうじゃ」
前方にはまだ遠くだというのに、窓にはおさまりきれないぐらいの大岩が見えてきた。
「あそこに着いたら一旦休憩じゃ」
大岩が近づいてきたので、回転を緩め始める。
「キョウ、大岩を回り込むと日陰になる所があるからそこまでゆっくり」
カンに言われて大岩を回り込むと、トンネルのような場所があった。
「はいストッーープ。良いよキョウ」
「じゃあ俺ら3人は故障箇所が無いか点検するぞ」
「「了解」」
トンテンカンはそれぞれ別れて点検に向かって行った。僕は、青い顔でいるリーンに近づいて行く。
「リーン大丈夫?」
「う~ん、なんとか……。一度外に出るわ」
そう言うと、少しフラフラしながら外に出ていった。自分も外に出ると、後部車両から出たと思われる人たちが、膝を付いた姿勢でうずくまっていた。
「なんつー、速さだ……」
「俺達の、5倍は速いぞ……」
「筋肉バンザイ……」
「もうダメ……」
「気持ち悪い……」
「もう……乗りたくない……」
「お前らだらしないぞ、最高の体験じゃー。キョウ休憩後はもっと力を入れるのじゃ!」
上から降りてきたクウ村長が喋ると、皆が親の仇を見るような目でクウ村長を睨み付けていた。その中にはリーンも居たが、怖かったので見なかったことにしよう。




