144/152
142. 初代国王様の賭け事
「あの~リックさん、なにも賭けていない僕に、皆のお金が集まるのは、なぜでしょうか?」
訳が分からない状況になったので、リックさんに聞いてみる。
「あぁそれはですね。初代国王様が賭け事をやった時。今回の腕相撲の勝負のように勝つか負けるかになると皆が思うじゃないですか、まさか引き分けに……とは誰も思わないですよね。それが初代国王様の時に起きて、それに腹を抱えて笑った後に、近くで見ていた子供に賭けていた全額を渡したそうです。それが今にも伝えられていて、まさかの結果になった時には、賭け事をしていなかった人に渡すようになったわけです。ちなみに、その子供が私のご先祖様です。その縁で私の家系は王を支える立場になったのです」
「へー、でもそれだと賭けない人が多く出てくるんじゃないですか?」
「それはないですね。男のプライドと大人の懐の広さをアピールする場にもなるので、賭けないなんて周りから何と言われるか。まぁ私は楽しみで賭けていますが……まぁ先程も言いましたが、カン君が大人になれば、分かる時が来ると思いますよ」
リックさんにそう言われるが、僕は、大人になってもこの時の大人達の顔を覚えておこうと思った。




