135. 百獣(白亜宮殿)
「うわぁー」
キャラバンのテントから出ると壺の着地場に行き、バダトさんが木札を渡し外に出ると、外には真っ白な楕円形の壺が置かれていた。壺には動物達が描かれた意匠がとても綺麗だった。
「宮殿に行く時は、白の壺でしか許可が下りていない。今回はこれに乗っていく。坊主共は早く乗れ」
壺には扉のようなものがあり、そこから乗り込んだ。中には座席が取り付けてあり、ドラと並んで座った。バダトさんは前に座った。直ぐに1メートル程浮かんで進みだした。
「今からオアシス中央にある白亜宮殿に向かう。宮殿の名前は別名百獣と言う。この壺に感激してたらビックリするぞ」
「これもかなり綺麗だと思ったんですが、これ以上ですか?」
「こんなもんじゃないぞ。外観も綺麗だが今回依頼する場所は、さらにスゲー。この世の物とは思えない程にな」
「それは、楽しみですね。楽しみだねドラ?」
「おう、この壺もかなり綺麗な意匠だが、宮殿は近くで見れなかったから楽しみだ」
オアシスに入り進んで行くと、目の前には大きな白い宮殿が見えてきた。そのまま門の近くまで来て、壺から降りる。バダトさんは門番の人と話している。
門には、砂漠の王と呼ばれているオウカンが彫られており、今にも飛び出てくるのではと思わせる程の迫力が込められていた。壁には、スコルブ、フサワシ、大蛇、スナジゴク等の砂漠の生き物が彫られている。
「後数分もすれば、迎えがくるらしい。どうだ坊主共、入り口だけでもスゲーだろ?」
「はい、バダトさんの言う通りでした」
「ああ、いったいどれ程の時間をかけて作ったんだ?」
「まぁ初代の王様が生涯をかけて作ったと言う話だから、30年はくだらんだろ」
「30年以上……」
それから、迎えが来るまでの少しの間、白亜宮殿百獣について3人で話していた。




