103. ハン村
「うわぁーーー」
僕はユウ。テジ村からの使いとして現在ハン村に向けて空の旅をしている。風が吹き荒れる中を目標に向けて浮遊能力による位置調整中である。やっと村が見えてきたかと思ったら、砂嵐がいきなり発生した。
「あと少し……。やった!なんとか着地できた。」
ハン村の着地場に落ちることが出来た。初めての1人の打ち上げで緊張していた為か、かなり疲れていた。ゆっくり壺と一緒に地面に降りる。辺りを見回すが、人は見当たらない。上から見えていた。近くの家の方に向かう。
「ごめんください」
「どうしただぁ~、あれ子供でねえか」
「わんっ」
現れたのは、中年黒髪のおじさんと、おじさんの肩ぐらいに頭がある大きい黒色の犬だった。
「テジ村から使いで来た、ユウと言います。ハン村の村長さんに会いたいのですが……」
「そりゃ~、遠くからご苦労なこって。おらはベン。ちょっと待っててちょ。連れて行ってやるべ、犬と遊んどいてくれべさ」
「ありがとうございます」
「わふっ」
数分、ごんさくと遊んでいると、ベンさんがゴーグルを2つもって戻ってきた。
「ほら、ここら辺は急に砂嵐が発生するから、着けとけ~」
「ありがとうございます」
もらったゴーグルを装着し、ベンさんと歩き出すと、ごんさくから僕のお尻に鼻を付けて、鳴く声が聞こえた。
「くぅーん」
「あ~、おめぇさんさえ良ければごんさくに乗ってあげてくれ。近頃太り気味で、おらが乗れてないんだぁ」
「乗って良いんですか?」
「ええよ。ごんさくも乗せたいと言っとるし」
「言葉が分かるのですか?」
「あぁ、この村では多くの動物と一緒に暮らすから、なんとなく分かるようになる」
「じゃあ、ごんさくお願いします」
ごんさくに頼んでみると、乗りやすいように伏せてくれた。背に乗って、ごんさくが立ち上がると、目線はいつもより高い所になった。乗せ慣れているのか、余り振動を感じない。ゆとりが生まれたので、気になっていたことをベンさんに聞いてみた。
「ここら辺では、砂嵐がよく発生するのですか?」
「あぁ、突然出来るから、このハン村は、別名砂嵐の村とも呼ばれちょ~。この村が他の土地より低いことが原因らしいが、おらにはわかんね」
「そうですか」
確かに空から見ると、ここの地形は、村を中心に窪んでいた気がする。




