101. レイちゃん
『卵にヒビが入ったようです。鳥の習性を持っている場合、初めて見た対象を親と思うかもしれません。リーン様近くに行ってください』
「私で良いの?」
「リーンがフサワシの女王から託されたんだから、リーンしかいないよ」
カラさんとクウさんを見ると、頷いてくれた。緊張しつつも、孵卵器に近づいて中を覗いてみる。確かに少しヒビが入っていた。
ーーーーーパキッ
先程よりも大きな音と共にヒビが大きくなる。孵卵器からそっと卵を取り出し、床に置いた。
「頑張れ……頑張れ……」
少しずつ大きくなるヒビ。そして、その姿が見えた。
「ピヨッ」
こちらを見つつ鳴いてくれた。その姿は、体全体は黒い産毛だが、尾羽の付近は白くなっている。
「ピヨ、ピヨ」
卵から出て、私の方にまだぎこちない歩きだが近づいてくる。
「ピヨッ!」
「かわいい」
両方の翼、翼と呼ぶにはまだ小さいかもしれないが、目一杯開いて私に挨拶しているみたいだった。
「かわいいね」
「そうじゃな」
「カラ……、私も欲しい……」
皆メロメロになっているみたいだ。
『リーン様、名前を付けてあげてはどうですか?解析したところ、女の子のようです。』
「なまえ……。おんなのこ……。虹の卵……。にじ、コウ、レインボー……。レイちゃん、貴女は今日からレイちゃん。よろしくね」
「ピーヒョロ~」
名前を付けてもらって、歌うような鳴き声で喜んでくれているようだ。




