2日目 過去。12
で、なんだい話って?
「ねぇ中田くん。これを見てくれる?」
河下のスマホの画面には『中田くんとわたし達、同窓会メンバー以外の誰かがこの島にいるわよね?』と表示されていた。
(さすが昔から優等生の明美ちゃん、わざわざスマホを使ったってことはアレにも気づいたな。ま、今更気付いたところでどうにもならないけどな。)
俺はそんなことを考えながら、ゆっくり頷いた。
「やっぱり…。おかしいと思ったわ、わたし達の誰かが犯人だったとしたら千佳殺害の件やボートのトラップは時間や手間の問題でかなり困難なのよ。このコテージは中田くん所有だからあなたが事前にボートへトラップを仕掛ておけば辻褄は合うけど、さっきのあなたの様子からその説も違う。となればたどり着く答えはただ一つ、陰に隠れて暗躍している者がいるのよ。」
(アイツ、いつ美優ちゃんを殺したんだ?ったく、場合によっては美優ちゃん守って恩を売ろうとか思ってたのによ。)
さすがだね。そこまで分かってるならもう隠す必要もないから言ってしまおう、この島にはスペシャルゲストがいるんだよ。
「加藤くん…生きてるの?」
さあな?あんまり言うと俺の身が危ないんでね。自分の目で確かめたらいいんじゃねーか?もっとも"カトブレパスと目を合わせると死んでしまう"んだったかな?
「その口ぶり、あなた無関係じゃないわね?そりゃそうよね、ここは中田くんの別荘…中田くんがうまいこと動いてくれればそれだけ"スペシャルゲスト"が思う存分動きやすいんだから。自発的に協力してるのかは知らないけど?」
(さすが河下明美、賢いな。YESかNOで答えられるように質問してきやがる。)
俺は静かに首を振る、本当のことだしな。
「そう。でも仮に脅されているにしても協力してるってことは、中田くんだけは身の安全が保証されているのでしょうね。"お前だけは助けてやるから協力しろ"とでも言われてるのかしら?分かってるだろうけど犯罪者への協力行為は立派な逮捕案件よ。警察が来ても安心ならないわね。」
まぁな、でも無様に殺されるよりはマシ。そうだろ?
(なんてな、俺は警察には捕まらないんだよ。そのための材料だって揃えてある…伊達に社長やってないんだぜ俺は。さて次に殺されるのはどっちかな?)
「お、助野が風呂出たみたいだな。俺も入ろうっと。」
-- 同窓会の数ヶ月前 とある日 --
その日、休日出社で一人会社にいた俺を狙いすましたかのように、会社に一本の電話がかかってきた。当然俺が電話に出る。
「中田祐一、私はお前達に復讐するために蘇った。」
何言ってんだアンタ?いたずら電話なら切りますよ。
「お前の会社の受付窓口メールに今1通のメールを送信した。お前にはこれからピエロになってもらう。」
はぁ?そう思いながら相手の言う通りメールボックスを開くと、俺が昔イジメていたときの証拠画像や音声が添付されていた。
一瞬で察した。アイツ、ただイジメに耐えていただけじゃないんだ。証拠集めをしていやがったのか、そして今このときまで大事に保管していたんだ。
「私の言う通り行動しなければ、これらのファイルは時限式のプログラムによりキミの関係会社やマスコミなどへ拡散されるだろう。一番下にあるURLを確認してみろ。」
震える手でURLをクリックすると、そこにはとある日付と"削除にはパスワードが必要です"の文字が。その日付が今回の同窓会の1週間後なのである。
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※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




