2日目 いなくなる。7
首から胸元にかけてしか映っていないので、こちらから相手の表情は読めない。だが言葉の雰囲気から笑っているのは分かる。
いや加藤くんなわけがない、彼は死んだんだ!彼のご両親から学校に連絡もあった。ふざけているなら今すぐシャットダウンしてやる。
「吉川くん、私はふざけてなんかないんだよ。5年生のあの日、私は一度死にそして生き返った。」
そんなバカげた話、はいそうですかと信用できるわけがないだろう。
「まぁそうだよね。でも懐かしいよね、キミは転入してきた当初から生き物などの自然分野やロボットなどの科学分野が大好きだったよね。助野や私とも授業中よく話したじゃないか。」
(なぜそれを…。たしかに加藤くん・助野くんと自分でよく理科の授業を楽しみにしていたのは事実だ。)
でもそのくらい、他の同級生から話を聞けば分かることッスね。現にこうして加藤くん以外の全員がここに集められているわけだし、なんらかの手段で事前に情報を得ておけば言い当てるのは容易い。
「じゃあこれはどうかな?キミが転入してきた直後、私がまだイジメられているとキミが気づいていなかった頃。キミは将来の夢を話して聞かせてくれたことがあったね?しかも2つ。覚えているかな?」
それは…。
「一つはスポーツ選手になること。具体的には当時前の学校でも先生にせがんで体育倉庫からハードルを出してもらうくらいには陸上競技が大好きだったキミは、陸上選手になることが夢だった。先生たちからよく苦笑いされたと語っていたね。もう一つは自然・科学の分野で活躍すること、具体的には捨て猫や捨て犬の里親探しなど…違うかい?」
!!!
あのときは放課後、転入初日の手続きなどで偶然遅くなった自分となぜか放課後遅くまでいた加藤くんが教室で2人きりになったときに話したことだ。
周りには誰もいなく、途中まで一緒に歩いたことを転入初日だったためか今でも覚えている。
本当に加藤くんなの?
「そうだよ、ホラ。」
そう言って彼はカメラを遠ざけ顔が映るようにする。と同時に自分の両腕に一気に鳥肌が立つのを実感した、それは薄ぼんやりと覚えていた加藤くんの顔をハッキリ思い出した瞬間でもあった。
年の頃は自分と同じくらいだろうか、だが確かに面影はある。
「吉川くん、キミにはこれからおもしろいものを見せてあげよう。そのまま画面を見ていてくれ。」
そう言うと画面の中の加藤くんは席を外したあとタブレット端末をカメラの前に固定し、何かの映像を再生し始めた。これ…自分たちが卒業した小学校の校門じゃないか!時間は夕方、そこから校庭と校舎を映すような画角で撮られている。
いやその前に…自分はスマホを取り出し連絡先を交換していた助野くんに電話をしようとする。そのとき同時に背後のクローゼットが静かに開いた。
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※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




