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2日目 いなくなる。5

 ソファー席に明美ちゃん・のぞみちゃん・美優ちゃん・昌大・助野・中梅が座り、ダイニングテーブルは俺と吉川くんが座った。



 図らずも全員で"愛と復讐の狭間で シーズン2"を見始めた、オレにとっては都合の良い話だ。いやむしろ全員同じ部屋、という認識が全員に行き渡るからむしろ不利なのか?

 いやそんなことはどうでもいい、もう結末は見えているんだからね。



 ちなみにこの作品は長編ドラマであり、現在全部でシーズン7までリリースされている。年末にはシーズン8が出るのではともっぱら世間でウワサになるほどの大人気シリーズで、明美ちゃん達が見ようと言い出したのも恐らく次のシーズンに備えるためだ。

 ま、シーズン8が始まったとしてもキミ達は見ることはできないだろうがな。



 開始して1時間ほどしてチラホラとトイレに立つものが出始めた、作戦通りだ。俺が昨日寝る前に渡されたのは『利尿剤』だ、コーヒーのカフェインにも利尿作用があるため相乗効果で当たり前のようにトイレに行きたくなるという仕組みだ。

 古いシーズンでみんな一度は見たことがあるのか、わざわざトイレの度に一時停止をしたりはしないのも好都合だった。



 なんでそんなことをしたのかって?ターゲットとふたりきりになるチャンスを作るためさ。普通トイレっていうのは生理現象で、誰がいつトイレに行くかなんて誰にも想像がつかないだろ?

 だがこの利尿剤を活用することで意図的にコントロールすることができるというわけだ。ま、俺の案じゃないんだけどな。



 利尿剤を入れた量の順番からしてそろそろターゲットが席を立つ頃だが、どうか…。



 「中田くん、自分ちょっとトイレに…。」



 吉川くんが席を立った、ダイニングテーブルに座っているのは俺と彼だけなので小さい声で俺に耳打ちして彼はトイレへ行った。

 ソファー側は離れているからか誰も気づいていない。そろそろ主人公の不倫がパートナーにバレる一番の佳境シーンなのだから無理もないが。



 吉川くんがそろそろ用を終えるだろうという頃、俺も静かに廊下に出た。彼に伝えなくてはならないことがあるからだ。





 「あれ中田くんもトイレッスか?」



 まぁね、一番おもしろいシーンなのにトイレしたくなっちゃったよ。



 (偶然手を洗う吉川くんと遭遇するフリをする俺の演技、我ながら自然すぎるな。)



 それでね、吉川くんに今からちょっと頼みたいことがあるんだ。



 「なにかな?」



 部屋にカメラを忘れてしまったからちょっと取ってきてほしいんだよ。左側の廊下だとモニターに近くてみんなせっかく集中しているのに邪魔になるだろうから、遠回りで東側の廊下を伝って行ってくれると助かるな。



 「良いッスよ、鍵はかかってないんすね?」



 あぁ大丈夫、俺めんどうくさくて普段いちいち鍵なんてかけないからさ。



 (もちろん嘘だが、これでキミの一人きりは確定する。恨むなら俺じゃなくてアイツを恨めよ。)


 いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。

 ※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。


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