2日目 いなくなる。3
ウチが顔を洗ってリビングに行った頃は、もうほとんど全員朝の自由行動という感じで思い思いにすごしとった。
中田くんは自分の洗濯物を片付けに、助野くんは洗濯機を使いに2人で脱衣所へ。
明美はモニターに自分のスマホを接続しニュース番組を見ながら、さらにスマホでニュースアプリをチェックするというダブルタスクをこなしている。聞けば毎朝のルーティンらしく、明美の器用さにウチは改めて関心した。
昔から勉強と運動を両立して、器用な人は何やらせても器用なんやなぁ~。
吉川くんはほぼ朝食を食べ終わり、あとはおにぎりを一つ残すだけとなっている。明美が映しているニュース番組を見ながら、洗濯機の順番待ちをしているらしい。
そして渡辺くんはウチのちょっと前に起きてきたらしく今から朝食を食べ始めるところだ。そう、ウチがこうやってウロチョロみんなの様子を伺っていたのも、渡辺くんがレンジで自分の分を温め終わるまで手持ち無沙汰だったからである。
「ほい、レンジ空いたぞ。ついでにケトルもな。」
渡辺くんと交代で自分の朝食を温める。明美が起きた頃にはもう作り終わっていたらしいから、美優もだいぶ頑張ったなぁ。
渡辺くんがうまいうまいと言いながらかじりつく様子を見ていると余計にお腹が空いてくる、ピーッというレンジ完了の合図が待ち遠しい。
あれ、ってことはのぞみが一番ねぼすけなのかな?
「普段ガキの面倒で毎朝早いから、こういうときくらいゆっくり寝たいんじゃねーの?職場に持っていくオレの弁当も作ってくれるし。」
渡辺くんに言われ、それもそうかと思った。幼児2人を育てるのがどれほど大変なのかまだ未婚のウチには分からないが、昨日の疲れもあってぐっすり寝ているのだろう。
そんなことを考えているとレンジがピーッとなった。ウチもダイニングテーブルについてさぁ食べようというときに、玄関側のドアが開き美優が入ってきた。
「みんなおはよう。みゆのご飯どうだった?」
おいしかったよと答える吉川くんと明美、渡辺くんは口いっぱいに頬張っていて喋れないのか右手の親指を突き出してグーサインを出している。
「よかったー、千佳っちは?」
卵焼きとおにぎりを食べてみるとたしかにおいしい。卵焼きはだし巻きっぽい味付けだけど、塩むすびも普通と違う?
「気付いた?実はね、岩塩とアジシオをブレンドしたの。普通、塩むすび握るときって塩は1種類でしょ?でも2種類の塩を混ぜることでより風味豊かになるのよ、裏技みたいなものね。さっき廊下で中田くんにも聞かれてネタバラししちゃった。それでも塩にも相性があるからなんでもかんでもブレンドすればいいってわけじゃないけど、自宅で作るときは試してみて!」
なるほどーさすがカフェの店長お気に入りのカフェ店員やな。
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