エリーゼ嬢に計算と鑑定を
昨日エリーゼ嬢が来てイメージで行う魔法の基礎を教え始めたけど暫くは魔力の移動なのでその間にかけ算と割り算でも教えようかな。
この世界は足し算と引き算しかないからね。
まぁ今の所は算数で事足りるし、九九の表でも作ろうかな? ミラージュにも必要になるから。
取り敢えずの急ぎの仕事はないので、執務室で九九の表を作っていると、ドアがノックされて返事をするとエリーゼ嬢が入って来て、僕に声をかけて来た。
「殿下、少しよろしいでしょうか?」
「良いよ、どうかしたの?」
「前にお話しさせてもらった計算の話なのですが・・・」
「ああそれなら今資料を作っているよ」
「良かったです。忘れていたらどうしようかと。
もし忘れていたら何をしようか、考えていた所です」
「何をしれっと怖いことを言って来るの」
「それでどんな資料を作っているのですか?」
「かけ算と言う計算方法で、一桁だけを書いた表だよ。九九と言うのだけどね」
エリーゼ嬢は僕の書いているの九九の表を覗き見ていた。
「なんですの、この1バツ1とか2バツ2と言うのは」
「これはバツではなくて、かけると読む。まぁ計算に使う記号だよ。
例えばだけど、りんご2個を3ヶ所で買いました。全部で何個でしょうか」
「えーっと、2+2+2で6だから6個」
「そうだけど、りんごの2個を3ヶ所だから2×3で6になる。これが9ヶ所とか15ヶ所になると足し算だと長くなるよね。でもかけ算だと短くなって分かり易くなる」
「なるほどです。とてもわかり易いです」
「じゃぁ次の問題ね。りんご2個を3ヶ所とりんご3個を3ヶ所で買いました。全部で何個買ったでしょうか」
「2+2+2で6、3+3+3で9、6+9で15なので15個です」
「そうだけど、かけ算だと2×3+3×3=15となる」
「凄いです。何処で教わったのですか?」
そう言ってエリーゼ嬢は僕の手を握って来たのだが、その時にドアが開き「兄上〜」と言ってミラージュが入って来て、握っていた手を見て「アチチ」ですかと言ってドアを開けたまま行ってしまい、廊下で「お母様〜兄上とお姉ちゃんがアチチです〜」と言って母上の所に向った様だ。
「アチチとは何ですか?」
エリーゼ嬢に聞かれたので「なんだろうね」と答えておいた。
そしてエリーゼ嬢は自分が僕の手を握っていた事に気づき、直ぐに手を離した。
エリーゼ嬢の顔が真っ赤になっていた。
「気を取り直して、先ずは一桁のかけ算を暗記してもらいます。言い方は自由で良いですよ」
「殿下はどの様に言っているのですか?」
「普通は<イチイチがイチ>、<イチニがニ>、<ニイチがニ>、<ニニがシ、またはヨン>何だけど、僕は1が<インイはイチ>、<インニがニ>と言うようにしている。特に深い意味はないよ。
もう直ぐ書き終わるから待っていて」
・
取り敢えず1部は書いたので原本として残しておいて2部コピーすれば良いかな?
原本を左に置き、右側に2枚紙を列べてから右手を原本の上に置き2枚の紙にコピーするイメージをしてから魔法を発動させる。
「はっ」
発動させると一瞬で2枚の紙に九九の表がコピーされた。
「出来たからこれで・・・・・エリーゼ嬢どうしましたか?」
エリーゼ嬢はまた口が半開きになって固まっていた。
「お~い、大丈夫か〜」
目の前で呼びかけても手を振っても微動だにしないぞ。
しょうがないのでエリーゼ嬢の後ろに回り、両脇腹を指で突いた。
「えい」
「はう」
エリーゼ嬢が驚き、一瞬飛び上がり僕の方を向いた。
「何をするのですか〜」
「エリーゼ嬢が動かなくなったから生きているのかな〜と思って」
「すみません。殿下がやった事に驚いて」
「そうなの? 大した事はやってないよ」
「そんな事はありません。文字を一瞬で写すなんてできません」
「そうなの、まぁ良いや。取り敢えずこれを渡しておくから」
九九の表を渡した。
「ありがとうございます。ちゃんと覚えます」
そう言って部屋を出て行った。
「所でエリーゼ嬢は何をしに来たのだろう。ん~~何か忘れている様な気がする。まぁ良いかな? 思い出せば来るだろう」
執務室を始めて15分程したらまたエリーゼ嬢が来た。
「殿下〜、計算じゃなくて[鑑定]をお願いします」
息を切らしてゼエゼエしながら言っている。
「そうだったね、すっかり忘れていたよ。ごめんごめん。今からやるから此処に座ってくれるかな?」
「はい、でも酷いですわ。約束を忘れるなんて」
エリーゼ嬢が僕の正面に座るとじーっと僕を見ている。
「どうしたの?」
「いえ何でもありません」
「そう。左手を前に出して。僕がエリーゼ嬢に[鑑定]する時に魔力を少し流しますのでびっくりしないで下さい」
エリーゼ嬢は「はい」と返事をして目を瞑った。
エリーゼ嬢に魔力を流し[鑑定]を発動させると目の前に画面が出て、魔法属性、スキルが出て来て現在のレベルもわかる。
画面をスクロールすると名前や年齢が出てきたと思ったら、趣味や好きな食べ物、好きな色、花、場所、服等が出て来て、最後にスリーサイズ迄出て来たので思わず「えっ」と言ってしまった。
エリーゼ嬢は着痩せするタイプの様だ。結構スレンダーに見えるのに。これは内緒にしておこう。
[鑑定]が終わったので手を離してから「終わったよ」と伝えると「どうですか」と前のめり気味で食い付かれた。
エリーゼ嬢の鑑定結果は以下の通り。
○魔法属性
火属性 Lv3 水属性 Lv3 風属性 Lv2
土属性 Lv1 光属性 Lv1 聖属性 Lv1
○ スキル
礼儀作法 Lv3 指導力 Lv2 内政 Lv1
鑑定 Lv1 農林 Lv1 料理 Lv1
雷魔法 Lv1 付与魔法 Lv1 空間魔法 Lv1
薬師 Lv1 服飾師 Lv1 デザイナー Lv1
○その他
趣味:ガーデニング、ウインドウショッピング、刺繍
甘味を食べる事
好きな食べ物:サラダ、チーズ、野菜たっぷりのシチュー、甘味
好きな色:黄色、オレンジ色
好きな場所:領都の外れに有る高台
好きな服:シンプルな服
BWH:秘密
以上
[鑑定]したものを紙に書いてエリーゼ嬢に渡した。
エリーゼ嬢は鑑定結果を穴が開くのではないかと思う位見ている。
「あのぉ殿下、その他の所のBWHとは何ですか?」
「えっ、それを聞くの? まぁ服を作る時に必要だからね。Bは胸、Wは腰、Hはお尻の大きさだよ」
「・・・殿下は全部わかっているのですか?」
「不可抗力だよ、勝手に出て来たのだから。胸が○○cmでお○型で腰が○○cmでキュとしていて、お尻が○○cmで少し小さめでちょっと上を向いているなんて知らないよ」
「で・ん・か、イヤーーー」
エリーゼ嬢がそう言った後にビンタを1発くらいました。
僕のほっぺたにはエリーゼ嬢の手の後がはっきりと残っています。
エリーゼ嬢の声が響いた様で母親で有る側妃殿下が「何事なの?」と言って入って来ました。
側妃殿下はエリーゼ嬢を見て僕にゲンコツを落として来て「何をやったの」と言ったので、全てを話しました。
そして罰として夕食抜きが言い渡され、反省をしろと言われ本日1日は自室待機になりました。
鑑定しただけなのに。
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