追いかける者達と呑気なスタリオン
(SIDE 商会)
「出発の用意は終わったか? 2王領の方はどうなっている?」
「明日の昼に到着予定なのですが、住民や役所の人達もついて来るそうです」
「そうか、以前の様にはなりたくないと言うことだな。良し、それなら一緒に行くか」
「そうですね。此処の用意も明日の朝には終わります。系列商会、下請けや協力工房もついて来ると言っておりました」
「わかった。スタリオン殿下とは山脈の手前で待ち合わせをしているから2王領の者達が来たら出発だ」
この商会は王都で1番と言われた商会で、スタリオンが考えた物を全て取り扱っており、他にも宿屋、高級なドレスや宝石等も売る系列店もあり、王城や貴族達の御用達で、此処で買うのが流行の先端である。
この商会でなければ取り扱いが出来無い物が多数あり国外からの商品も取り扱っていた。
この商会や系列店が無くなると言う事は王都で60%以上の店や工房が無くなるので多大な影響が出ると言うことだ。
(SIDE 王城の文官等の職員達)
王城内の文官達はスタリオンの追放を聞いた時から辞表や退職届が多数提出された。
貴族の上司達はおかしいと思いながらも全て受理をした。平民からまた雇えば良いと考えていたからだ。
一部の下級貴族の文官達も退職してスタリオンの所に行こうとしていた。
「お前はどうするんだ?」
「さっき辞表を出して来たよ。貴族の上司は何も言わずに受け取って受理された。俺は昨日の夜のうちに準備は終わっているよ」
「俺もだ。直ぐに此処を出て殿下を追いかけるよ」
「メイドや侍従の奴らの方も結構いるそうだ。皆で固まって行った方が良いな」
「行きそうな奴らは心当たりが有るから言っておくわ」
「そうしてくれ」
王城の文官等の王城で働いている2/3は退職をした。
(SIDE 軍部、警備隊)
軍部でも同じ様な事が起こっていたが貴族のみで構成される近衛や軍部部隊では十数人が辞めてスタリオンを追うようなった。彼らは下級の貴族でスタリオンには色々と助けられていた。
平民中心の部隊ではほぼ全員が辞めて行った部隊長や副官は貴族だが平民の兵士をぞんざいに扱っていたので辞めたならまた募集すれば来ると思っていたので辞める兵士を止める事もなかった。
警備隊は平民で構成されていて軍部とは別組織となっている。
隊長は下級の貴族であるがスタリオンには助けてもらった事もあり、辞めてついて行きたかったが王都内の安全を優先させて辞める事はなかったが、事情を言って希望者のみ残ってもらい、3/4は退職をしてスタリオンの元に送った。スタリオンの所に行く人達がいれば警護をして欲しいと頼んでおいた。
商会や王城で働いていた者達はスタリオンが出立してから4日後に王都を出て行った。
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スタリオン達がのんびりと馬車旅をしていたのだが、途中で山脈の向こう側に領地がある伯爵家と知り合い、伯爵家は当主、夫人、2男1女と先代の夫婦で領地を切り盛りしていて僕が入る王領の南隣と言っていた。今回の王太子誕生記念パーティーは夫妻と長女で参加していて戻る所だったそうで、長女は学院生だが僕と同じで卒業資格は取得済みだそうだ。今回は長期の休みを取って領地に帰るそうだ。
歳は僕と同じで同じクラスと言っていたが、僕はクラスに行かずに部室に籠もっていたので初対面となった。話しをすると僕はサボり魔になっていたそうだ。
まぁいいけどね。
彼女の名前はエリーゼ・ターロスと言って綺麗な子だった。
あるアニメキャラに似ていたので、思わず「あんたバカ〜と言って」と言ってしまった。
エリーゼさんからは「はあ?」と言われた。
そりゃそうだろうね。
ターロス伯爵家とは数日一緒に旅をしてミラージュはエリーゼさんの事をお姉ちゃんと呼んで懐いていた。
山脈の手前まで来て別れる事をになって伯爵にはこう言った。
「後1週間程すると地殻変動で山脈が繋がりますよ、それも3000m級です」
伯爵は信じてくれてはいなかったので「じゃぁ見ていきますか?」と言って誘った。
伯爵も「面白そうだな」と言って悪ノリをしてきた。
後続から来る待ち合い場所に来てから伯爵に「此処で後続で来る人達がいますよので少し待ちます」と言った。
此処は何も無いので、家とターロス伯爵家、使用人達の家を土属性魔法を使って作った。
そして外だが料理を作る場所も作った。一応屋根付きです。パンを焼く窯も作っておこう。
料理はコック達に任せておけば良いや。
伯爵に声をかけようとしたら一家で固まっていた。
エリーゼさんは口が半開きであったので思わず「美少女が台無しだよ」と言いそうになった。
「伯爵〜、こっちの建屋を使って下さいね」
そう言って母親の方に行った。
夜は皆でBBQパーティーとなった。離宮でも1年に2、3回はしていたかな? まぁ離宮の皆との友好の為にやっていたのだけど。ミラージュは何時もBBQの時は大はしゃぎするんだよね。今日も楽しそうだ。
「殿下は良くこの様な事をするのですか?」
「離宮の皆で偶にね。こう言うのも楽しいよね」
「そうですね、楽しいです。家でもやろうかな?」
「そうすると良いよ。屋敷内の結束が良くなるよ」
「はい、それで殿下は魔法が得意なのですか? 先程は呪文を使ってませんでしたが」
「多分得意なのかな? 他人と比べた事がないから分からないや」
「もし宜しければ教えてもらえませんか?」
「僕が知っているので良ければ、そろそろミラージュにも教えないといけないからね」
伯爵家と待ち合わせ場所に着いて交流を深めながら4日目には後続が来たのだけど何かとんでも無い人数がいるぞ。
先頭は僕が懇意にしてる商会の商会長だった。
「殿下、ご無沙汰しております。ちょっと多いですけど殿下の所に行きたいと言う皆を連れて来ました」
「連れて来たと言うか民族大移動になっているぞ」
「王太子と第2王子の管理している王領からはほぼ全員ですからね」
「それ大丈夫なのか?」
「さあ? お2人が考えるでしょう」
「2人で騒いで陛下に怒られて終わりかな?」
「殿下が考える事ではないですよ」
「まぁそうだな、知らなかった事にしよう」
「他はどの様な人達が来ているんだ?」
「王城の文官や侍従やメイド、料理人、それと軍や警備隊からも来てますよ。後は商会の関係者と王都の住民が少しですね。皆スタリオン殿下が王城で働く前には戻りたくないみたいです」
「そうか、まぁ土地はだだっ広いからどうにかなるか。兄上達の領地を足してもその2.5倍はあるからね」
「楽しい事が始まりそうですね」
「そのお気楽さが羨ましいよ。取り敢えず明日は休んで2日後に出発だな」
まぁとんでもない人数が来たけど、どうにかなるか。
新しい領地に行って楽しく過ごそう。
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