城を出よう
朝になり、着替えてから朝食を取ってから離宮の執務室で最後の仕事をしていると執事が来て「ラムダ殿下が来ております」と行ってから応接室に案内された。
「スタリオン来たか、書類は持って来たから直ぐにサインしろ」
僕は兄上から書類を受け取り、内容を精査してからサインをしようとしたら、気になる事があった。
「兄上、この書類に王太子のサインが入っていません。先にサインを書いて頂かないと無効になりますよ。先に僕が書くと王太子のサインはあとから書くことは出来ず書こうとすると電撃が走りますよ」
「なんだと、そんな仕掛けがして有るのか」
「えぇ不正の防止ですよ。直ぐにもらって来て下さい」
兄上は直ぐに王太子の元に向った。
兄上は直ぐに戻って来て書類をよこしたが、まだ足りなかった。
「サインの横に印が押してないですよ。もらって来て下さい」
「お前まさかサインしたくなくてそんな事を言っているんだろう」
「冗談はよして下さいよ。さっさとサインして出て行くのですから」
「そうか」と言ってまた出て行き、直ぐに戻って来た。
「これで書けるな」
「命令書ですが一文追加しても良いですか?」
「何を追加するんだ」
「「離宮を出る際に国及び王宮の名義の物は持ち出さない」と書きます」
「良いだろう」
直ぐに一文を加えてサインをした。
「婚約者破棄書ですが、僕が王太子に慰謝料を払うになっていますが、これは法律違反ですよ。
法律では王太子が僕に支払いする事になりますけど」
「なんだとー」
「これは王族も適用されますけど、このままサインすると王太子は独房入りになってしまいますけど宜しいのですか?」
「良いわけあるかー!!」
「ではこうしませんか? 本当は王太子からの僕に支払いですが、話し合いで王太子からの支払いは無しと言う事で。それなら大丈夫です」
「それで良い」
破棄書の一文を消してから追加して、サインを入れた。
「終わりましたので、持って行って下さい。
僕は此処を出る支度をしますので」
「ああ、1週間以内に出て行く様に」
「わかってますよ」
兄上は出て行った。
◆
その頃王太子はバイオレットと一緒にいた。
「ねぇ殿下、何時宝石を買ってくれるのですか?」
「スタリオンからの慰謝料が入れば直ぐに買ってやれるぞ」
「私嬉しいです」
「戻りました」
「おお戻ったか、それで慰謝料は幾ら貰える?」
「いえ、法律では王太子への慰謝料の支払いは出来ません。逆に王太子が支払いをする方です。
違反した場合は独房入りになります。これは王族にも適用されます」
「なんだとー。そんな法律が有るのか」
「それで話し合いで王太子からの支払いは無しで落ち着きました」
「クー、なら離宮にある物を売れば金が入ってくるな」
「えぇ、書類にも国及び王宮名義の物は置いて行くと書いてあります」
「そうか。バイオレットもうちょっと待ってくれ」
「わかりましたわ。早く買ってくれないと嫌いになりますよ」
「そう言うな。書類は王城の方に出しておいてくれ」
「わかりました」
第2王子は書類の提出に向った。
◆
スタリオンのいる離宮では中にある物は全てマジックバッグに入れられ、3日で終わった。
ー・ー・ー・ー・ー
4日の朝、離宮で働いていたものは全員馬車、もしくは荷馬車にのって待っていた。
最後にスタリオンは離宮の建屋を基礎以外はマジックバッグの中に入れてから出発をしていた。
◆
その頃王城ではスタリオンが東の辺境に向ったと情報が流れ、そこら中で辞表や退職届が出されていた。
◆
「スタリオンこれからどうするの」
母親である側妃に聞かれた。
「このまま真っ直ぐ進んで山脈の手前で1週間程待機します」
「それはどうして?」
「僕の後を追ってくる人達がいるそうです。その人達を待ちます」
「向こうに着いてから待てば良いのでは?」
「東の辺境に入るには、山脈の南北から入るか、丁度真ん中辺りで切れている部分を通って行くのですが、真ん中だと王都から1ヶ月で行けますが南北からだと5ヶ月になりますので全員が通った後に地面を隆起させて山脈を繋げます」
「簡単に来れない様にするのね」
「そうです」
「面白い事をするわね。じゃぁそうしましょう。
後ろから来るならゆっくり行けば良いわ」
「そうですね」
ー・ー・ー・ー・ー
スタリオン達が出て行ってから1週間が経ち、王太子とバイオレット、第二王子はスタリオンのいた離宮へと行ったのだが、そこには建物の基礎しかなかった。
「なんだー、何も無いぞ。どう言う事だ」
王太子が叫んだ。
「俺もわかりません」
2人が話しをしていると、護衛が基礎の所で1枚の紙と分厚いファイルを見つけた。
「殿下、此処に何かあります」
2人が護衛の所行き、紙を見ると<建物の基礎以外は国及び王宮の名義ではありませんので全て持っていきます。詳細はファイルに書いてあります。
そのファイルは写しで、原本はこちらにありますのでもし捨ててもまた提出出来ます>と書いてあった。
「クッソー、何なんだー!!」
王太子が叫んだ。
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