トンネルを掘るⅡと王城では
昨夜はゆっくり休めたのでHP、MP共に100%にまで復活した。さて後どれくらいで貫通出来るかな?
予定では後5kmを5回位だと思う。
今日も頑張りましょうか。
ー・ー・ー・ー・ー
無事貫通出来たよ。だいたいの予想通りだったが出入口になった所は以前の街道よりも2km程北になっていた。まぁ誤差の範囲と言う事で。
途中エリーゼがトンネル掘りをやってみたいと言ったので300mをお願いした。
彼女の魔力量を考えればこの位の距離に抑えておかないと後がたいへんだからね。
エリーゼは「上手く出来た〜」と喜んでいた。
まぁ本人が喜んでいれば良いか。
「さて出入り口をどう誤魔化すかな。建物だと目立ちそうだな。単純に[結界]で塞いで[幻影]で山肌に見える様にしておいて、トンネル内からは外が見える様にしておけば良いだろう。
[結界]の開閉は外とトンネル内に魔石をおいてやれば良いかな。
取り敢えずは今日は此処でキャンプだな」
皆には今日は此処でキャンプをする事を言って、休んでもらう事にした。
僕は先程言った事を考えていた。
「スタリオン様、どういましたか?」
エリーゼは心配してか、僕に声をかけて来た。
エリーゼは最近名前で呼んでくれる様になり、僕も嬢を付けずに呼ぶ様になって来た。
「出入り口を見つからない`様にする方法を考えているんだよ」
「その様な事が出来るのですか?」
「うん、出来ると思うよ」
「エリーゼ様、この国で売っている魔導具は全部殿下が考えたものですよ」
セレガが話しに入って来た。
「え、そうなのですか? 確か{ランサー}と言う名前だった様な」
「そうです。それで私達の商会で管理しています。
他にもジュエリーや衣料品、玩具等も殿下の発案で、名前は偽名です。本名でやると問題があったので、貴族で流行っているのはほぼ殿下が仕掛けたものです」
エリーゼは驚き過ぎて固まってしまった。
この2人の事は放おっておきましょう。
考えが纏まって来たので直径3cmの魔石2個にイメージを写してから1つはトンネル出口付近の左側の壁に取り付け、トンネルの外に出てからトンネルに向って右側に高さ1mで各辺が20cmの四角柱を建てて天場に魔石を取り付けて試験をしてみた。
一応仕様としては下記の様になる。
○ 外からトンネルがわからない様に偽装。
○ 偽装は[結界]をして外側に[幻影]をして山肌
に見せる様にした。(結界は光属性を使用)
トンネル内から外は見える様にして外の様子をわ
かる様にしている。(安全の為)
○ トンネル内と外側の四角柱の魔石により操作。
1回触ると偽装解除。
2回連続で触ると偽装。
偽装で2回触るのは危険回避の為。
○ 偽装解除から20分経つと自動で偽装する。
「それじゃぁ試験をしてみるか」
トンネル内の魔石を2回連続で触ると発動して偽装した。
本当に偽装の[結界]が出来ているか触ってみると壁の様なものがあった。
「誰か魔石に1回触ってくれ」
僕がそう言うとミラージュが「私やる〜」と言って魔石を1回触った。
手を伸ばし壁があった所は何もなかったので一度外に出てからまた戻った。
「これで20分後に自動で戻れば内側のみは合格だな」
それから20分経ち、外に向って手を伸ばすと壁になった。
「合格だな」と言って、外の四角柱のみ、内側と外側、その逆をやって試験が終わった。
「全て合格だな。セレガ、これだったら良いだろう」
「はい、ありがとうございます。これで商売が出来ます。
それにしても相変わらず凄い物を作りますね」
「誰でも必要になれば出来るよ。取り敢えずは一旦戻ってから公爵の所に行ってくれ。この事は公爵に言っても良いが口止めをしておいてくれ。
まだ暫くは内緒にしたい。手紙も書いておくよ」
「その様にします」
セレガと話しているとミラージュとエリーゼ嬢が来た。
「兄上兄上〜、私も何か作りたい」
「私もやりたいです」
ミラージュが言うとエリーゼも言って来た。
「それじゃぁ簡単に魔石が光るものから始めようか」
「「やった〜」」
2人は喜んでいたので魔石を1つずつ渡してからやり方を教えた。
「作るのは1回触ると魔石が光、もう一度触ると消えるものです。
イメージしたものをそのまま頭から魔石に魔力を使って移動させます。これを写すと言います。
じゃぁやってみよう」
・
30分程で出来て、ミラージュは「出来た出来た〜」と喜んでいて、エリーゼも上手く出来てほっとしている。
まあ取り敢えず出来て良かったよ。
今日もゆっくり休んで、明日からは領地に戻りながら休憩や泊まれる様な所を作ろうかな? 横に掘って広い部屋でも作れば良いか。
ーーーーーーー
スタリオンがトンネルを掘り終わった頃、王城では近衛の報告を国王、王妃、宰相、公爵が聞いていた。
「2王領共に役所は誰もおらず、領民の1人もおりませんでした。
畑は手入れされておらず、小麦畑の刈り取りさえもしていない状況です。
そしてこの2冊が裏帳簿と思われる冊子です」
報告に来た近衛がテーブルの上に冊子を置き、後ろに下がると国王と宰相が手に取り中を見始めた。
「確かに受け取った。下がって良い。それからスタリオンの所に行った者を此方に寄越してくれ」
国王が言うと返事をして退出して行った。
「あ奴らめ本当にやっておったか。王妃よ現実を受け止めろよ」
「はい」
「陛下、横領は管理を始めた翌年から始まっていますね。スタリオン殿下が見始めてからは無い様です。
最新の報告書とは収穫量が全然違い、最新は出鱈目と言う事でしょうな」
「はぁ、この様では国を任せられんな。公爵の言った事になりそうだな」
ドアのノックが有り、返事をするとスタリオンの所に行った近衛が入って来た。
「お呼びと聞き、参上致しました」
「うむご苦労、そちはスタリオンの所に行ったと聞いたのでな、どの様な状況か教えてくれ」
「はっ、全てを見た分けでは有りませんが、領都は南北に10km、東西に8kmの外壁で囲まれており、役所及び離宮を中心に整然とした街並みで、商業区や工業区等と別れておりました。人も多くまるで王都の様でとても活気が有り、新しい産業も始まっているそうです。また領内の問題も順に解決されている様です。
そして領都外の畑等は整備されており、作業がしやすくなっていました。
食料に関しては農産物も良く採れており、海もあるので海産物も豊富でした。
行った時には殿下に労っていただき、美味しいものをいただき、帰る時は数日分の食料をいただきました。以上です」
「相わかった、下がって良い」
近衛が退出すると国王はため息をついた。
「はあ~話を聞くと御伽話の様だな。たった数ヶ月で王都の様な賑わいを出すなど信じられんが近衛が実際に見ておるなら真実であろう。あ奴らとは此処迄差が有るのか。パーティーの後に視察にいきたいが行くだけで5ヶ月ではどうにもならん。
宰相何か有るのか?」
「スタリオン殿下の実力を低く見すぎていましたね。特に上中位の貴族は。
下の方から次はスタリオン殿下にと言うのも分かりますね。結局実力を知っていたのは公爵だけですね」
「いえいえ、付き合いが長いだけですよ。私も此処迄だとは思いませんでした」
宰相の後に公爵が話した。
「取り敢えず帰還パーティーをあ奴らに企画、運営をやらせてみるか」
国王は侍従を呼び、王太子と第2王子を呼びに行かせた。
少しすると2人が現れた。
「お呼びでしょうか、陛下」
「あぁ、2人には1月半後に行う帰還パーティーの企画運営を任す。始めろ」
「えっ、今までやった事は有りませんが?」
「それではこれで実績を積め、宰相どうだ?」
「はっ、スタリオン殿下の残した資料があるのでできるはずです」
「そういう事だ。直ぐに始めろ。それと通常の決裁等も疎かにするなよ。下がって良い」
◆
王太子の執務室に戻った2人は頭を悩ました。
「今の仕事の上にパーティーの企画運営だとー。
寝る間も無いではないか」
「取り敢えずはパーティーの企画を優先して進めましょう兄上」
「そうだな。スタリオンがいなくなってから、碌な事がない」
全て自分達で行ったのに他人事の様にしていた2人だった。
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