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隣にはアイドルが座っているけどハッカーな俺には関係なかった  作者: ゆずさくら


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白い塔に出入りする者

 白い塔の映像を見ていてわかったことは、白い塔の周辺は学校関係者以外、出入りしていないと言うことだ。

 老人から教えられた政治家や官僚などとつながるような接点はなかった。

 膨大な時間の映像で、気になることがあるとすると、時折、教頭が出入りしていることだ。

 しかも、単に出入りしているだけならともかく、生徒を連れ出している映像がある。

 連れ出された生徒の中には、自殺している生徒もいた。

 松田を連れ出している映像はなかったが、もっと過去を探せばあるのかもしれない。 

 なんの為に、どこに連れ出しているのか。

 男子生徒、女子生徒、関係なく連れて行っている。

 調べるとっかかりとしては、面白そうだ。

「教頭って、名前なんだっけ?」

 誰もいな部屋で、俺は独り言を吐くとキーボードに指を走らせる。

 学校から抜き取っていたファイルを検索し、住所録を見つける。

 教頭の名前は『鈴木一也(かずや)』、住所は翔頭(しょうとう)地区だ。教頭の給料がどれほどのものかわからないが、かなりの資産家ということだ。

 白い塔の監視カメラ映像から、映像検索したり、他の情報がないか、パスワードが知られている他人のアカウントを使って様々なSNSを追いかける。

 いくつかでてくる自宅映像なども確認できた。

 教頭は、複数の自動車を所有している。

 俺は引き続きその車の車番(ナンバー)を使って、道路に仕掛けられた車番読み取りシステムへ照会をかける。

 所有している車両の内、スポーツSUVで移動している日と白い塔から生徒を連れ出した日が符合する。

 どこを通過しているのか、読み取りシステムの位置番号から高速道路や、主要道路の位置を追いかけていく。

「地図にプロットして見てよ」

 高橋(かげむしゃ)の声だった。

 突然だったが、俺は驚かない。少し前から、近くに高橋が来ていることを身体が示していたからだ。

「処理するから待って」

「もう出来たの」

「既に持っているのを組み合わせるだけだから」

 地図は、海の無い県の田舎町Y付近を示している。

「別の日は?」

 俺は順番に日付を切り替え、都度、地図を表示する。

「ルートは毎回変えてるみたいだけど、行き着く先は一緒ね」

「何があるんだろう」

「田舎町Yなら、普通に調べたってそんなに時間かからないでしょ」

 何気に、高橋は田舎町をディスっている。

「そんなこと……」

 俺は否定するつもりだったが、田舎町Yといれた瞬間にサジェストされ、表示された内容を見ておそらくここに違いない、と思ってしまった。

「観光バブルの時、こんな田舎町Yにも立派なホテルを作ったのね」

「すぐ倒産して売却しているらしいけど」

「売却先のこの社名、怪しいわね。記憶があるわ」

 俺はそのまま検索にかける。

「表立った情報はないけど、反社と繋がりがあるね」

「記憶の通りだわ。で、学校と反社の繋がりってなによ」

「そんなこと……」

 分かる訳無い、と言おうとして考えた。

「これと依田が生徒を殺したことがどう繋がるんだ?」

「行ってみましょう」

 高橋はディスプレイ上の地図を指差した。

「この建物の中で、何が行われているのか、調べないと」

「行くって言ったって」

 親指をネカフェの外に向けて、腕を振ってみせた。

「車で」

 俺たちは外に出て、車へ向かった。

 今日は、行き先が分かっている場所に行くので、目隠しはされなかった。

 高橋は運転手(ドライバー)に行き先を告げると、寝てしまった。

 その寝顔をしばらく眺めていたが、俺は持ってきたノートPCで可能な限りの情報を収集することにした。

 首相とこの反社団体に繋がりはないのか、とか、この反社がどんな経済活動(シノギ)を得意としているのか。半グレ程度の規模なのか、家系や組系の規模なのか等々。

 調べいる内、バッテリーが低下してきたので、ノートを閉じて俺も寝ることにした。

 田舎町Yに着くと、俺は高橋に起こされた。

 周囲はまだ明るかったが、時間は夕方になっていた。

「そこのコンビニの駐車場で時間を潰しましょう」

 つまり夜を待つということだ。

「……まさか忍び込むの?」

「逆に、どうやって調べるつもりだったの?」

「いや、別に」

 外観はホテルだから、客のフリして聞き込みするつもりだった、とは言わなかった。

 所有している会社は、半グレの連中と繋がりがあり、どうやら風俗を中心として儲けているようだった。

「けど、夜入るって言っても」

「物理的な鍵なら、私が開けるから、電子的な鍵は住山に頼むわ」

「俺に拒否権は……」

「!」

 と、そこで突然、話が打ち切られた。

 高橋は窓の外を睨むように見ている。

「何が……」

「黙って」

 高橋が見ている方に目を向けると、コンビニ駐車場の反対側に汚れ一つないピカピカの外車が二台、停まっていて、そこからこっちに向かって数人の若い男が向かってきていた。

「車を出しましょうか?」

 と、男たちの様子に気づいた運転席から声がした。

「もう間に合わないわ」

 車はいかにもガラの悪い連中に、囲まれてしまっていた。




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