第2話
私が好きになってしまった男の子は一つ年下の男子バスケ部の子だった。以前校舎で見かけた時からかっこいいとは思っていたけど、気持ちはそれ以上でもそれ以下でもなかった。しかし度々こっそり覗き見していた体育館での練習している姿や、無意識に目でおっている自分に気づき、彼のことが好きになってしまっていたのだ。話したこともない、学年が違うため、顔さえ認識してもらえてないのに、どう手を打つべきだろうか。それに自分は受験生だ。あまり派手には動けないし、何より勉強しなければならない。
「凛華ー?今度の再来週の木曜日開けててね〜。塾だなんて言って逃げるのも許さないよー。」
「え?な、なに?」
他校の友人からそう連絡がきた。どうやらその日はバスケの試合がある日らしい。他校の友人こと栞は、うちの学校の男バスにお目当ての子がいるらしく、私を連れて試合を見に行くつもりらしい。
「おー、了解了解」
「あんたが素直に私の用事に付き合うなんて珍しいね〜なんかあったの?」
ええ、ありますともありますとも。
この機会を使うしかない。ていうかこの機会逃したら私はもうこの気持ちをすっぱり諦める。そう心に決めて、ある作戦を立てたのだ。
そして迎えた当日。市内の体育館で試合は開催された。栞はバッチリメイクにおしゃれな私服に身を包み登場した。ファンともなるとこんくらいしてくるのねーと心の中で感心した。
「ちょ、凛華、休日まで制服着るのー?!」
うちの学校の保守的な少しダサい制服を見て、栞は怪訝そうな顔をした。しょうがないのだ。私が可愛い私服姿で行くより、この制服で体育館に現れたほうが、彼に・・・そう、京介くんに認識される可能性が高いのだ。
「これでも気に入ってるんだから〜。」
あーだこーだいう栞にはむかうようにそういう。
私たちふたりは二階のベンチ席から下のコートで繰り広げられる迫力あるゲームを観戦した。栞はバスケ部だった。私もかつて中学の頃は栞とコートを共に走った仲だった。だから、いくらお目当ての人がいるとはいえども、バスケの試合を純粋に楽しんだのだ。
そして迎えたうちの学校の男バスの試合。栞は隣でお目当ての子である俊哉君を大きな声で応援していた。近くのベンチには俊哉君に最近できた彼女さんがいるにも関わらずこの態度だ・・・。まぁ、あの彼女より栞の方がずっと前から俊哉君を応援してきたもんね。
栞は私が京介君のことをカッコいいと言っていることは知っているが、好きになったとまでは知らない。だから黙って心の中で応援した。
もうすぐ私のゲームが始まる。




