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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第57話 幼くても真剣な妹


 玲緒奈を介して明石沙織ちゃんの悩みを聴き出そうと、妹の七菜香ちゃんのお誕生日会を画策して三日。


 尊敬する先輩である玲緒奈の言葉に素直に従って、紗彩のマンションで誕生日会をすることになった。


 最初はたいそう遠慮したらしいが、紗彩や深雪の説得もあり最後は承諾したらしい。



 どうやら母親が入院中らしく、そこらへんも遠慮の理由があったようだが、玲緒奈がお見舞いにいって承諾を得てきたとのことだ。


 彼女は普段からとても働きもので、家の家事全般はほとんど沙織ちゃん一人でこなしているらしい。

 妹はそこらへんが不器用らしく、結局お姉ちゃんである自分が全部請け負っているって話してくれたことがあったっけ。



 玲緒奈の話では沙織ちゃんは普段から他のみんなに苦労しているところを見せたがらないらしい。

 その事情を知っているのは玲緒奈と店長だけであったが、ある時彼女のお家事情が露見してしまい、キャスト達全員で沙織ちゃんに協力しようという動きになったそうだ。


 なんとも温かいことではないか。安易にお金を渡したりするのではなく、働ける環境を皆で協力して整えてあげるという選択を取った仲間達は、下手な善意を振りかざすやつよりよほど好感が持てる。


「なあ深雪」

「はい、なんですか?」


 いつものオフィス。今日も今日とて副社長室にちょっとした口実で呼びつけられた俺は深雪とお茶を飲みながら沙織ちゃんのことについて話していた。


「沙織ちゃんから感じた不穏な空気の正体だけど、明石家の借金事情や母親の入院。このあたりに問題がありそうな気がするんだよな。俺が直接調べることが出来ればいいんだが」


「年齢が年齢ですし、女子高生のおうちに突然押し掛けるわけにはいかないですものね、流石に。なら、探偵を雇いましょうか」

「探偵?」

「ええ。私が贔屓にしている探偵事務所がありますので、身辺調査という名目で明石家の事情を探ってもらいましょう」

「大丈夫なのか?」

「大企業ともなれば色々とコネクションがあるものですよ。隆行さんにもそのうち扱い方を覚えてもらわなければなりませんからね」

「そうだな。努力しよう」


 水無月コーポレーションを背負って立つ男になるためには人を使う事を覚えなければならない。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 深雪に明石家の事情を探ってもらうこと三日。第一報を聞いた俺たちは顔をしかめざるを得なかった。


「これは、想像していたのより酷いですね」


 深雪は探偵がまとめてきた報告書を見て眼を細める。


 まず明石家は5年以上前に父親が失踪している。その失踪の理由は借金を妻に押し付けて逃亡したとのことだ。

 それ以来、妻である真理恵さん、つまり沙織ちゃんの母親はOLとして働き続け、更には夜のパートなどの掛け持ちで無理が祟って入院してしまった。


 最初は過労かと思われたが、その身体には厄介な病が巣食っており、治療の見込みはないらしい。

 原因は不明。病名すら付けられない病で、入院費が払えずもうすぐ退院らしいが、いい結果を招かないことは明白だった。


「この父親の消息は?」

「どうやらつかめていないようですね。5年も前ではそう簡単ではないでしょう。あるいは既にこの世にはいないかもしれません」

「酒に煙草にギャンブルか……父親はろくでもない人格だったようだな。そんな奴の背負った借金をどうして払い続けているんだろうか」

「推測ですが、持ち家を失いたくないからではないでしょうか。明石家の住まいは、父親の借金の担保だったようです」


「思い出に対する執着か。家族がいればそこが家だろうに。いや、これは俺の価値観か。押し付けるべきものでもないな」

「借金の額もOLに返しきれる額ではありませんね。利息の増え方も不自然です。生かさず殺さず、絶妙な利息で搾り取っています。恐らく非合法ギリギリの業者なのでしょう。こちらも調べておきます」


 明石家の事情は大体掴めたが、これだけだと確証が得られない。あの雰囲気はもっとヤバイ感じがする。


「母親の病気というのが気になるな。病名すら分からないなんて、そう滅多にあることではないだろう」

「そうですね。可能なら、直接会ってみるのがいいかもしれませんね」

「もしかしたら、神力で何とかならないだろうか」

「神力で、ですか?」

「ああ。この力なら相手の身体を良い状態に持っていくことが出来る。キングキャッスルの店長で実験してるし、健康状態を回復させることも出来るかもしれない」

 そうなると沙織ちゃんとより親密になる必要があるな。

 知らない人の病室にいきなり尋ねるというのも……



「そうですね。それなら早めにコンタクトを取ったほうがいいでしょう。どんな病気か分からない以上、放置するのは得策ではありません」

「しかし、どうやって接触しようか。神力の話なんて信じてもらえないだろうし。怪しさ抜群だよな」


「そうなると、いよいよ沙織ちゃんをこちらに抱き込まないといけませんねぇ」


 クスクスと笑う深雪の顔を見て俺は少しだけ可笑しくなった。

「もしかして、ハーレムの拡充楽しんでない?」

「あら、わかります?ウフフ。可愛い女の子が増えるのはいいことですよ。妹が増えるみたいで嬉しいじゃないですか」


 深雪は口元に手を当てて笑う。まあ楽しそうでいいんだけど、このままの調子で人数が増えてしまうと俺の身が持たないかもしれないな。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 数日後、沙織ちゃんと妹の七菜香ちゃんをマンションへと招待した。

「おー!すっげぇマンションだぞ!でっかいぞぉ!」

「こら、お行儀わるいよ七菜香!すみません、妹がはしゃいじゃって」

「あはは。ぜんぜん大丈夫だよ」


 カラカラと笑う紗彩。

 マンションへとやってきた明石姉妹の妹、七菜香ちゃんは広いリビングに感嘆の声を上げる。

 無邪気にはしゃぐその姿は天真爛漫という言葉がぴったりで、しっかり者の沙織ちゃんとは真逆の印象であり、姉妹という枠組みで考えるならギャップ萌えが凄い。


 くりくりした大きな瞳に赤みがかった艶のある髪。目鼻立ちは沙織ちゃんとよく似ているが性格の違いからか受ける印象はかなり違う。


 どちらも美少女であることには変わりないがな。っと、いかんいかん。目的は沙織ちゃんの力になってあげたいというのが最優先だ。(よこしま)な考えは慎まねば。


 ただ、会ってみて分かった。この間よりもイヤな感じが増している。

 沙織ちゃんの身体から視覚的にイヤなオーラが見えるようになった。

 ただ、以前玲緒奈に絡んできたチンピラたちと違ってこちらに害を成す感じではない。

 どちらかというと、なんて言ったらいいのかな。不幸のオーラ。

 そう、あの黒い淀みのようなオーラが彼女に不幸を招き寄せている感じだ。


「さあ、お料理いっぱい用意してあるから目一杯楽しもうね!」

「はい!ありがとうございます!」


「七菜香ちゃん、お誕生日おめでとう!」

「ありがとーなんだぞ!」

「うふふ、七菜香ちゃんは可愛いですねぇ」

「おおぉ、深雪おねーさん、すっげぇおっぱいなんだぞ。うちのおねーちゃんの10倍はあるぞ!」

「ちょっと!何よそれ!少しは膨らみあるもん!あんただってつるペタじゃない!」

「七菜香はハッテントジョーなんだぞ!伸びしろがあるんだぞぉ」

「わ、私だってまだ大きくなるもん」


 遠慮がちだった沙織ちゃんだったが、七菜香ちゃんのはしゃぎっぷりに開き直ったのか、ドンドン肩の力が抜けて楽しんでくれた。


 年頃の女の子は打ち解けるのが早いな。


 特にフィルは背が小さいからか七菜香ちゃんに気に入られたらしく、フィルの方も真逆の性格でウマが合うみたいだ。


 玲緒奈と共に早急に打ち解けて親友認定されていた。


 お誕生日会は一日がかりで続き、ゲームにコスプレ、プレゼントタイムなど、盛り上がりまくって夜を迎えた。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「すみません。まさかお泊りの準備までしてくれるなんて」

「気にしないで。女の子同士なんだから」

「時間になったら俺は別の部屋へ行くから、安心してお泊りを楽しんでってね」


「そ、そんな!大丈夫です。わたし篠宮さんなら気にしないですから!」

「ははは、信用してもらえるのは嬉しいよ。でも男は狼だから誰にでもそんな風に気を許しちゃダメだよ」

「大丈夫です。わたしは篠宮さんだから、あわわ!私はなにを言ってるんだろう。紗彩さんの恋人さんなのに」


「おーぉおお、おねーちゃんが男にろーらくされてるぞ!おじさんスケコマシだなー」

「ろ、篭絡ってなによ!篠宮さんには紗彩さんって恋人がいるんだから」

「そうなのかー!紗彩おねーさんがおじさんの恋人さんなのかー!」


 誰にでも打ち解ける七菜香ちゃんは俺に対しても全く物怖じすることなく無邪気な笑顔を向けてくれる。


「ははは、そうだね」

「おじさんはスケコマシなのか?深雪おねーさんもフィルちゃんも玲緒奈ちゃんも、なんか恋人っぽい雰囲気する気がするぞ!気のせいなのか?おじさん恋人いっぱいいる人なのか~?」


 なかなか鋭いことを言うな。無邪気だからこそ勘が鋭いのだろうか。


「ちょ、ちょっと!失礼な事いっちゃだめでしょ!」

「ん、七菜香間違ってない。ここにいる女、全員隆行の恋人」

「え、えぇええ!?」

 まさかのフィルちゃんカミングアウトによりあっさりハーレムがバレてしまった。


「ぜ、全員恋人って、どういうことですか篠宮さん!?」

 慌てふためく沙織ちゃんは年頃の女の子らしく照れて見せる。

 こういう仕草が人気の秘密なんだろうな。しっかり者なのにウブで反応がいちいち可愛らしい。


「まあ、内緒なんだけどね。実は俺たち5人一緒に恋人同士なんだよ。みんなには内緒だよ」

「おぉお、凄いぞ!現代日本にハーレムが実在したのだぞ!」

「ハ、ハーレム……」

「まあ、そういうことになるかな。でも俺たち全員真剣に付き合ってるよ」

「け、結婚とかどうするんですか!?」


「ふふ、沙織ちゃん。日本という狭い枠組みの常識にとらわれていてはいけませんよ。結婚が全てではありませんし、出来ないなら日本から出てしまえばいいんです。その気になったら土地を買って自治権買い取ってしまえば篠宮王国が日本敷地内に作れちゃう」


「おおーっ!なるほど凄いぞ!じゃあ七菜香もおじさんの恋人にしてほしいんだぞ!そんで七菜香をお嫁さんにするんだぞ!」

「ちょ、ちょっと七菜香!言ってること無茶苦茶だよ」

「おじさんカイショーがあるんぞ。だったらお金いっぱい持ってるから玉の輿でおかーさんもおねーちゃんも借金で悩まなくて済むんだぞ」

「七菜香……」

「いやぁ、俺自身はそんなにお金持ちじゃないよ。確かに貯蓄はそれなりにあるだろうけど」

「でもでも、水無月コーポレーションってすっごい会社なんだぞ。中学生の七菜香も知ってるくらい有名なんだぞ」


 確かに普通のサラリーマンよりはもらってるだろうけど、俺より収入のある紗彩と深雪がいるからな。あまり偉そうなことはいえない。


「おじさんダメか?七菜香をお嫁さんにしてくれたら好きなだけエッチな事してもいいんだぞ♪リアルJCに興味ないか? 無知で無垢な処女中学生をおじさん好みに染め上げてみないか?」

「いったいどこでそんな言葉覚えてくるんだい?」


「な、なななな七菜香ぁ!何いってるのよ!」

「あらあら。最近の中学生は進んでますねぇ」

「いやぁ、確かに七菜香ちゃんは可愛いけど、君に手を出したら俺普通に逮捕されるからね」

「大丈夫なんだぞ。七菜香は来年16歳で結婚出来る年なんだぞ!」

「あれ?じゃあもうすぐ高校生ってことか?」

「そうなんだぞ!」


 無邪気に笑う七菜香ちゃんはつるペタボディで身を寄せてすりすりと甘えてくる。

 未成熟だが女の子特有の柔らかい感触を押し当てながら妖艶な笑みを浮かべてくるその仕草は中学生とは思えなかった。


「なぁなぁ、おじさん。七菜香はダメか?紗彩おねーさんみたいや深雪おねーさんみたいにボインボインじゃないとヨクジョーしないか?」

「七菜香心配ない。隆行はフィルのようなつるペタでもビンビンになる」

「変に煽るのやめようねフィルちゃん」


 さてはフィルだな。幼気(いたいけ)な女子中学生に卑猥な知識を教え込んだのは。


 当て込んでフィルの方向を見やると、「やってやった」と言わんばかりのどや顔をしている。


 あとでお仕置きだな。


「もう七菜香!いい加減にしなさい!」


 沙織ちゃんは怒りの表情で七菜香を俺から引きはがした。

 その眼には真剣な怒りがこもっている。


「さっきから篠宮さんの迷惑考えずに勝手な事ばかりいって!」

「七菜香は真剣なんだぞ!おねーちゃんだっておかーさんがお金で苦労してるって知ってるんだぞ!七菜香はおバカだけど、おかーさんの病気がヤバイってことくらい分かるんだぞ!あんなの普通の病気じゃないんだぞ!だったらもっといい病院に入院したほうがいいんだぞ!そのためにはいっぱいお金がいるんだぞ!」


 場に沈黙が流れる。不意に始まった姉妹喧嘩に仲裁に入ることも出来ずに見守っていたが、とにかくなだめるとしよう。


「まあまあ沙織ちゃん、そんなに怒らないで」

「でも篠宮さん」

「七菜香ちゃんは真剣に家の事考えて今みたいなこと言ったんじゃないかな」

「おおぉ、おじさん分かってるぞ!七菜香は真剣に考えてるんだぞ!」

「……そのくらい、私にだって分かってます」


 流れ的に話を切り出すにはいい機会かもしれない。

 俺は二人に明石家のことについて話してみることにした。


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