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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第58話 


「いったい、どういうことでしょうか」

「沙織ちゃん。他人の家の事情に介入するのはマナー違反なのは理解しているつもりだけど、玲緒奈の友達が問題を抱えていて不幸になりかけているのを見過ごすことは出来ないから、お節介を焼かせてくれないか」


 俺は真剣な表情で沙織ちゃんを見つめる。

 何かを感じ取ってくれたのか、沙織ちゃんは居住まいを正して座り込み、俺の言葉に耳を傾ける。


「実は、今日は折り入って君に聞きたいことがあるんだ」

「聞きたい事、ですか?」

「あのね、沙織ちゃんのところの借金とかの話、お義父さんに話したの。まず、そのことは謝っておくね」

「えっと、それは大丈夫だけど、どういうことでしょうか」

「君の家の借金のことだけど、玲緒奈から聞いているのはかなり大きな額だっていうこと。その借金をお母さんがずっと返し続けていることは聞いてる。ただ、そのことに関しては君の家の事情だし、どうこう言うつもりはない。でも、そのせいでお母さんは過労で倒れてしまった。そうじゃないか?」

「はい。無理が祟ったんだと思います」


「沙織ちゃん、店長から聞いたんだけど、扶養を外して社員になるつもりだって話は本当?」

「うん。お母さんが入院してるからその間の生活費もなかなか大変だし、扶養に入ってるとどうしても限界があるから。あの、そのことが何か?」


「お母さんとも話さないといけないだろうけど、君の家の借金、俺に肩代わりさせてもらえないかな」

「ええ!?そんな、そんなこと出来ません。篠宮さんに迷惑が掛かります。簡単な金額じゃないんです」


「うん。それについて、君のお母さんに話をさせてくれないか」

「……」


 安易に金を渡すのは良くないといったばかりなのだがな。他に方法が思いつかなかったのだ。

 俺も大概偽善者である。


「もちろん、これは100%余計なお世話なのは分かってる。でもね、借金っていうのは利息があるから苦しいんだ。それさえなくなれば随分楽になる。借りる先が知り合いに変わるだけだ。それ以外は何も変わらないし、明石家の事情に介入するつもりもない」


「お気持ちはありがたいのですが」

「おねーちゃんまだるっこしいぞ!おじさん協力してくれるのに何が問題なのだ!?」


「子供は黙ってなさい!」

「2歳しか違わないぞ!」

「まあまあ。確かに扶養者を通さずにする話じゃない。そこで、もしもお母さんの了承を得られれば、君たち全員に利益のある話になる。一つ確認したいことがあるんだけど」

「なんでしょうか?」

「君のお母さんは真理恵さんで間違いないかな?」

「はい、そうです」

「明石真理恵、旧姓は西野真理恵ではないかな?」

「そ、そうです。母をご存じなのですか?」

「うん。多分俺の知ってる真理恵さんなら俺の話を聞いてもらえると思うんだ」


 やはりそうか。俺は深雪が持ってきた明石家の調査報告を見た時から気になっていることがあった。

 母親の旧姓を見た時に、俺の記憶には同じ名前の人物がいることを思い出したのだ。


 俺は沙織ちゃんをまっすぐに見つめた。


「信じて欲しいのは俺は玲緒奈から言われただけではなくて、俺自身も君のことを助けたいって思っている。君の笑顔に何故だかこの頃陰りが見えるのを感じて力になってあげたいって、一個人として思っているんだ」

「し、篠宮さん」

「おぉ~篠宮おじさんがおねーちゃんをコマしにかかってるぞ。ついでに七菜香も攻略して姉妹丼にしてほしいぞ!」

「んがっ!?ち、違うからね!そんな言葉どこで覚えてくるんだ!?」

「最近の中学生は早熟なんだぞ!」


 トンデモねー事を言い出す娘っ子だ。しかしセリフ回しを聞いてみると確かに口説いているようにも聞こえてしまう。


「ごほんっ。誤解があるようだけど、俺は君たちを悪いようにはしたいとは思っていない。君が何に対してそこまでこだわっているのかは分からないが、一人の友人として、助けになりたいって思っているんだ」


「……わかりました。今度母のお見舞いに行くので、その時に一緒に来てください」

「ありがとう」

「そ、そんな。お礼を言うのは私の方なのに」


 沙織ちゃんはようやく硬い表情を崩し、笑顔を取り戻してくれた。

「さて。興が冷めちゃいましたね。パーティーはお開きにしてお風呂に入りましょう。そのあとはパジャマパーティーですよ」



 紗彩の一声でパーティーはお開きになった。去り際に耳元で『あとは女同士の付き合いにお任せを』と囁いていたので任せて大丈夫だろう。




 ここで一つ、知らせることがある。

 沙織ちゃんからは相変わらず不穏な空気が感じ取れる。しかし、その中にわずかだけ、ほんのわずかに光って見えるものがあった。


 彼女の心に希望がともったのだろうか。いや、あれは、運命の光に似ていた。

 彼女のイヤな感じのオーラが視覚的にとらえられるようになった途端、わずかな隙間から漏れ出る温かな光。

 消え入りそうな小さな灯に過ぎないが、あれは運命の光によく似ていた。


 弱弱しくてまだ感じ取れるほどではないが、彼女もまた、俺と前世で結ばれた運命の女性なのだろうか。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「ふわぁ……改めて見ると、深雪さんの胸って凄いですね」

 湯船に浮かぶ二つの果実をまじまじと見つめる沙織に、深雪は温かい視線を向ける。

「うふふ、頑張ればこのくらいにはなるかもしれませんねぇ。でも大きくてもいいことあんまりないかもですよ」

「そ、そうなんですか?」


「重くて肩も凝りますし、運動の時に邪魔になりますからね」

「そうですね。私も同じことで悩みます」


 深雪ほどではないにせよ、紗彩もかなり平均値を上回っている。

「お二人ともスタイルいいですよね。お肌もすべすべだし」

「うふふ、隆行さんにいっぱい愛してもらいましたから」

「女性ホルモン沢山出てるかもしれません」

「あ、愛して……そ、そそそそそそれってもしかして」

「おー!おねーちゃん顔が真っ赤だぞ!エロいこと考えてるのか?」

「そ、そんなわけないでしょ!」

「じゃあ何を想像したのだ?」


「そ、それは、その」

「照れてるのだ。仕方ないよな。おねーちゃんムッツリスケベだから」

「七菜香が明け透けすぎるのよ!」

「おねーさんたち、おじさんといっぱいエロい事したのか?」

「そう……隆行とのエッチは、凄く気持ちイイ。女としてもレベルアップする。フィルは隆行に抱きしめてもらうのが一番好き」


「はわわわぁ、そ、そんな生々しいことを」

「すげー!フィルちゃん大人だぞ!レオナちゃんもエッチしたのか」


 ストレートに質問された玲緒奈の顔が紅潮する。

「ちょ、ちょっと、なんて質問してるのよ!」

「沙織も、する!?」

「え!?ええええぇええ!?そ、そそそそそんな」

「フィル、それは流石にストレートすぎるよ。沙織ちゃん困ってる」


 流石に行き過ぎていると思ったのか紗彩もフィルを静止する。しかし、小さな妖精は構わず続けた。


「沙織は隆行、どう思う?」


「ど、どうって」

「沙織ちゃん、いつもお義父さんが来るかどうか聞いてくるよね?あれって好意があるってことなんじゃない?」


「あうう、そ、それは。よく、わかりません。篠宮さんとお話してると、温かい気持ちになります。いなくなったお父さんの優しかった頃を思い出すんです。でも、恋って言われると、よくわからない」


「まあまあ。みんな落ち着きましょうよ。沙織ちゃん困ってますよ。ごめんなさいね沙織ちゃん」

「い、いえ。その、皆さんは、本当に篠宮さんと全員でお付き合いしているのでしょうか?」


 常識的に考えてあり得ない状況に頭が付いていかない沙織はストレートに疑問をぶつけてみた。


「その、複数の女性と付き合うって、嫉妬とかしないんですか?」


 紗彩は口元に指をあてて少し考えてみる。

「しない、と言えばウソになるかな」

「そうですねぇ。思いますね。隆行さんの唯一の女になりたいって思う時が」

「じゃ、じゃあどうして?」


 一般的な価値観としては至極当然の疑問だった。

 沙織の中で複数の異性と付き合うなど不潔で不誠実なことだという価値観がある。

 しかし、それは当たり前の感情だ。誰しも自分の恋人が別の異性と良い仲になることなど許容できるものでない。


「沙織、それは簡単。みんな隆行が好き。それと同じくらい、みんなのことが好きだから」

「そうですね。それが一番しっくりくる答えです」


「れ、玲緒奈ちゃんはどうなの?」

「うーん、そうだね。私も同じかな。紗彩さんも深雪さんもフィルちゃんも、まだ出会ってそんなに経ってないけど、心から信頼できる人だって思ってるかな。心同士が繋がって信頼し合ってるから、嫉妬も気にならないの」


「おぉ、玲緒奈ちゃん大人だぞ。七菜香と同じくらい胸ちっちゃいのに」

「む、胸は関係ないよね!?」

「フィルもつるペタ。でも隆行はそれが好きでいてくれる」

「そうそう!お義父さん大きくても小さくても愛してくれるよ」


「おお、じゃあ七菜香にもワンチャンあるか?」

「七菜香、隆行のこと、好き?」

「好きだぞ!おじさんカッコいいし、イケメンだし優しいし、学校の男子より大人だぞ」

「そりゃぁ中学生と比べればね」

「おねーちゃんはどうなのだ?篠宮おじさん好きか?」


「そ、それは、まだ、よく分かんない。素敵な人だと思いますし、優しい人だとも思います。でも、それが恋かどうかは」

「そうね、ごめんなさい。これじゃあ私たちが隆行さんと沙織ちゃんをくっつけようとしているみたいね」


 みたいというか、そうしようとしていた。


 隆行が見た沙織の運命の光。それは紗彩にも見えていた。

 であるなら、架け橋の役割である自分にできることは二人の橋渡しをすることである。



 風呂から上がり、女性だけのパジャマパーティーを始めた紗彩たちは、隆行と自分たちとの馴れ初めを話し始めた。


 沙織も最初は抵抗感があったが、皆の真剣な語りに徐々に引き込まれていく。


「皆さん、素敵ですね。わたしもそんな恋がしてみたいです」

「すっげーぞ!おじさんヒーローみたいだな!七菜香おじさんが好きになったぞ!」

「うふふ、そうですねぇ。七菜香ちゃんは中学卒業するまで待ちましょうか。年齢が年齢だけに本当に問題になりかねませんから。お母さまの許可もいりますしね」

「おかーさん説得するぞ!」


「わたしは、わたしはまだよく分かりません。篠宮さんは素敵ですし、そんな風に皆さんでお付き合い出来たら楽しいかもしれない。でも、私はやっぱり私だけを好きでいて欲しいです。他の人と一緒なんて、受け入れられない」


「それでいいと思うよ沙織ちゃん。私たちも大概普通じゃないって理解はしてるつもりだから」


「私たちの価値観を押し付けちゃったみたいでゴメンね」


「い、いえ。お気持ちはありがたいです」

「七菜香はハーレムに入りたいぞ!でもせっかくだからおねーちゃんと一緒がいいから待つ事にするぞー!」

「わ、私がハーレム入りする前提で話してない!?」

「素直に認めるんだぞ!おねーちゃんどう考えても篠宮おじさん好きになってるぞ」


「そ、そうなのかな?」

「慌てなくても良いよ。もともと強制出来ることじゃないし、私は沙織ちゃんと一緒にお義父さんと付き合って行けたらいいなって思っただけだから」

「うん。ごめんね。まだ、ちょっと受け入れるのは難しそう。でも、そうだね。みんなで一緒に楽しくっていうのは素敵かも」


 沙織は不思議な気持ちになっていた。

 確かにまだ受け入れるのは難しそうだ。でも、将来的にそうなったら、あるいは自分がそれを受け入れられるようになっていったらいいな、と考えるようになっていた。


 明石沙織は変わりつつあった。



 ◇◇◇◇◇◇


 翌朝、沙織ちゃん、七菜香ちゃん姉妹はすっかり全員と仲良しになっており、女同士、裸の付き合いで打ち解けたことが見て取れた。



「あの、ありがとうございました。母の事、よろしくお願いします」

「うん。可能な限り力になるから」


 沙織ちゃんには、神力のことを打ち明けた。最初は戸惑っていた彼女だが、彼女の古傷を治療して見せることで、俺に不思議な力があることは納得してくれた。


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