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50.戦闘メンバーとしても参加を許可されている

一度『まぐまぐ亭』に戻っていた俺達は昼前に再びギルドへと来ていた。

もうその時間にはレイドクエスト参加パーティも決まっており、ギルド内には待機中のレイド参加パーティが数組居るだけだった。

朝のように機を窺うパーティはおらず、その分静かになったギルド内は少しピリついた空気をしていた。


「おう!!オルカ!!こっちだ!!」


この空気間の中、1組だけ場違いに緩い空気を出しているパーティのリーダーに呼ばれる。

『戦車騎士団』のグレゴリオだ。


先に彼らが参加することは聞いていたから驚きはない。

俺達は戦車騎士団の隣の席に着く。


「やっぱり『黎明の光』も参加するんだな!!ギルドとしても実力のあるパーティを呼ばない道理などない!!うむ。実に懸命な判断だ!!」


「オルカさん、クエストをご一緒出来て嬉しいです。是非色々ご指導いただきたいですわ。」


「グレゴリオ、うるさいから声のトーンを下げてくれ。ヴァネッサさんも、こちらこそよろしくお願いいたします。」


席に着くなりグレゴリオが気分よく大笑いしたかと思えばヴァネッサさんから熱視線が飛んでくる。

何も言わないがバーンさんからも恨みがましい視線を感じる。


席選び間違ったかな。


「グレゴリオさんから実力あるとか言われると嬉しいね!!」


イリアナはまんざらでもなさそうなのでまぁいいか。

因みにヴァネッサさんと俺の間に入るようにわざわざ狭い席を選んで座ったレイラはすまし顔だ。

ヴァネッサさんが「まさかまた一人ライバルが……」とか唸っている。


俺は周囲の冒険者パーティを見回す。

どうやらAランクで来ているのは『戦車騎士団』とまだ来ていない『紅蓮の剣』だけのようだ。

後はBランクパーティが4組。

いずれもこの街で長く活動しているパーティなので顔なじみではある。


俺達も含めて7パーティ。

戦力的には十分だろう。


その時、ギルド内へ入ってきたパーティがあった。

『紅蓮の剣』だ。


「皆揃っているな?今回規定によりレイドクエストを指揮することになったトーラスだ。足を引っ張るなよ。」


開口一番の物言いにギルド内に剣呑な雰囲気が漂う。

ベンさんの懸念も最もだ。

こんな傲慢な態度の指揮官が機能するのは上官の命令が絶対である軍隊位のものだろう。

ランクこそあれど冒険者に上下関係はないという事が分かっていないようだ。


「今回の作戦を説明するぞ?コロニーまで辿り着いたら、6パーティで包囲陣を敷く。『紅蓮の剣』(うち)のレティスが広範囲殲滅魔術を放つから、その後は各自突入。ゴブリンロードを仕留める。」


作戦自体はまともだ。

ん?6パーティ?


「ちょっといいか?ここには7パーティ居るんだが?」


俺の発言にあからさまに嫌そうな顔をするトーラス。


「お前らは戦力外だろうが。道案内の必要があるから仕方なく同行を許可するが、戦闘には期待していない。そうだな、Eランクの2人はこのAランクパーティ『紅蓮の剣』の傘下に入れ。守ってやろう。オルカ、お前は適当なパーティに入って戦闘に参加しろ。」


「なっ!?」


何だその扱いは。


「断る。俺達はギルドから戦闘メンバーとしても参加を許可されている。」


「指揮官の指示に従えないと?」


自然、睨み合う形になる俺とトーラス。


助け船を出してくれたのは意外にもグレゴリオだった。


「トーラスは先日の模擬戦を見ていないのか?『黎明の光』は普通に強いパーティだぞ?ここは彼らに戦闘参加してもらった方が成功率が上がると指揮官殿に進言させてもらおう!!」


そう言って笑うグレゴリオ。


「はっ。将来有望な初心冒険者と騒がれていても、所詮Bランクレベルの(・・・・・・・・)お前に手も足も出なかったレベルだろうが。今回の作戦で人死にを出すわけにはいかないんだ。だから俺達が守る。素直に従え。」


「直接模擬戦を見ていないとそうなっても仕方ないか!?だが彼女らは強かったぞ!!皆はどう思う!?『黎明の光』に戦闘参加してもらった方が良いと俺は思うのだが!?」


ここでグレゴリオは他のBランクパーティに意見を聞く。

意外なことに全てのパーティが俺達の戦闘参加に賛成してくれた。


自分たちの担当する魔物の数が減るという打算的なものがあったのかもしれない。

あるいは先ほどのトーラスの態度に反抗心が芽生えていただけかもしれない。

だが、俺達にすればそれは強力な追い風だった。

如何に指揮官と言えど全員が支持する案を無下には出来ない。


「チッ。」


トーラスはイラついたように一度舌打ちしたが、それ以上俺達の事については何も言わなかった。


「各自準備を整えて南門へ向かえ!!20分後に出発だ!!」


それだけ言うと、『紅蓮の剣』を引き連れてさっさとギルドを後にする。




「悪いなグレゴリオ。助かった。」


トーラスが居なくなったのを見計らって俺はグレゴリオに礼を言う。


「なに!!俺は思った事を言っただけだ!!それに、オルカが戦闘参加しないのも俺たちにとっては痛いからな!!話の流れで彼女たちの事ばかり言ってしまったが、そう言う事だ!!」


そう言って再び笑うグレゴリオ。


俺達はその後、他の4パーティにも礼を言う。

皆模擬戦を見ていたようで、イリアナとレイラにも多少なりとも期待をしているようだった。


ともかく、何とか戦闘に参加は出来そうだ。

結果としては良かったが、指揮官に目を付けられるという不安の残る船出でとなってしまった……

再びトーラスさん出現です。

感想もいただきましたがかなり嫌われましたね、彼。

もう少しで彼の秘密の話も出てきますのでお楽しみに。

この後の展開を見ても良いと思われましたら是非、評価・ブックマークをお願いいたします。

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