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能力を認められなかった補助魔術師、Aランクパーティを追放されて新人冒険者の育成を始めました。  作者: 江越有司
第1章.『黎明の光』

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27.俺が居たから

回想回終わり、オルカさんが出待ちをしていたバーンさんたちと会ったところに戻ります。

22話の続きになりますので記憶が定かでない方はそちらをご覧ください。

では続きをどうぞ!!

「『紅蓮の剣』で問題ですか?それが俺と何か関係が?」


今俺の前にはバーンとヴァネッサと名乗る2人が居る。

ギルドで出待ちされていたのだが、その理由は分からない。

とりあえず先の自己紹介で気になる単語について聞いてみることにした。


「問題については常識のズレとでも言いましょうか……時に、オルカさんは『紅蓮の剣』で中衛に居たというのは本当ですか?」


「?……ええ、そうですね。」


「『紅蓮の剣』では前衛で連携を取るような動きがなく、司令塔も居なかったのですが、それもオルカさんが?」


「まぁ、あいつら言っても聞きませんからね。司令塔は居ませんよ。戦況のコントロールは心掛けていましたが……」


「ゴリアテを普通の剣で切れる程度に弱体化も出来ますか?」


「そりゃ能力低下(デバフ)をかければ出来るでしょう。」


「『紅蓮の剣』では皆が破魔飾りを着用していましたが、その状態で傷の治癒も出来ていましたか?」


「?……ええ。」


「最後なんですが、オーガを1人で倒せたりしますか?」


「……倒せますね。」


「楽勝で?」


「まぁ、オーガくらいなら何匹に囲まれても大丈夫だとは思いますが……」


堰を切ったように質問攻めにあう俺。

見ればミリカさんが口を開けた若干間抜けに見える顔で固まっている。

バーンさんとヴァネッサさんは納得と言った風に頷いている。


「これ、何の質問ですか?」


たまらずそう聞く。


「いえ、『紅蓮の剣』がAランクだった(・・・)理由がわかりました。いえ、確信が持てました。あなたが居た(・・・・・・)からですね。」


「俺が居たから……?」


そんなことはないだろう。

結局1人でできることには限界がある。

お互い足りない所を補うためにパーティを組むのだからな。


「オルカさんやっぱりすごい人だ!!」


「うん……納得。」


イリアナとレイラがバーンさんの話を聞いて頷いている。

まぁ彼女らは新人冒険者なので先輩冒険者の背中が大きく見えているだけだろう。


「買いかぶりですよ。で、バーンさんは何がしたいんです?」


中々真意の読めない相手に切り込む。

俺はまだ彼らが何の目的で俺に接触してきたか理解できていない。


俺の質問にバーンさんは姿勢を正した。


「私達は魔術師としての成長の壁に当たっています。そしてその壁を超えるためのヒントが欲しい。……お願いがあります。私達と模擬戦をしてもらえないでしょうか。」


「模擬戦……」


模擬戦とは読んで字のごとく戦闘を模擬することだ。

大げさな物言いだが訓練の延長線上にある物で、午前中に行っているイリアナとレイラへの戦術指南なんかも大別すれば模擬戦に含まれる。

冒険者同士でもお互いの技術を高め合うために模擬戦をすることは推奨されており、だいたいの冒険者ギルドには闘技場のような戦闘訓練の行える施設が併設されている。


別にこの模擬戦は頼まれたからと言って受ける必要がある物ではない。

いやなら断ればいい。

決して強制させるものではないのだ。


今回のことだって別に俺にメリットがるわけではないので普段なら断る所だ。

だが、後ろに居る2人にいい経験をさせることが出来るかもしれないとも思う。


「条件を付けさせてもらっても?彼女たちも含めたチーム戦とすることと、模擬戦は4日後としたい。2人もいいか?」


対人戦闘を経験できるチャンスはそう多くはない。

ましてや手の内を知らない相手となると尚更だ。


イリアナとレイラは俺の意図をしっかりと認識し、頷いてくれた。


「ありがとう!!ぜひお願いしたい!!……しかし私達はチーム戦となると前衛が居ないんだ。誰かにお願いしないとな。」


「ああ、それなら心当たりがあります。」


俺はそう言って後ろを振り返る。

さっきから存在を隠そうともしていない視線をずっと感じていたんだ。


「ふはははは!!その大役!!このグレゴリオが請け負った!!オルカと模擬戦とはな!!腕が鳴るぞぉぉぉぉおおおお!!」


俺の視線を受け取ったグレゴリオが席を立つ。

相変わらずうるさい男だ。

注意を促そうかと思ったが、その間にイリアナが割り込んできた。


「ちょっと!!あたし達も居るからね!!」


どうやらイリアナは自分たちが無視されていると感じたようだ。

というか先輩冒険者に平然と突っかかっていくメンタル凄いな。


「おっと!!確かにオルカに鍛えられた冒険者なら油断は出来んな!!お嬢さんたちと戦うのも楽しみだ!!」


「こっちも楽しみだ!!」


「「ふはははははは!!」」


なんか波長が合ってきている。

これ2人揃うとより騒がしくなる奴だな……


俺は笑い合う2人に背を向け、バーンさんに向き合う。


「彼は『戦車騎士団』のリーダーでグレゴリオ。Bランクの重戦士で実力的にはAランクに近い。彼なら適任でしょう。」


「そ、そうなのか。それはぜひお願いしたい。……が、かなり強烈なキャラだね。」


初対面だとインパクトもあるのだろうが、バーンさんが若干引いている。

実力は確かだし問題を起こすような性格でもない。

だが豪快過ぎるために損してるよな、あいつ。


「ちなみに『戦車騎士団』は前衛3人に斥候1人って偏ったパーティなので一緒に組んでみてもいいかもしれませんね。連携の訓練にもなるでしょうし、回復術師と補助魔術師でしたよね?きっと噛み合うでしょう。」


「なに!?」


俺の言葉を目ざとく拾ったグレゴリオが反応する。


「回復術師に補助魔術師だと!?願ったりだ!!早速パーティメンバーに紹介するぞ!!こっちへ来てくれ!!」


引きまくっているバーンさんに構うことなくがっちり握手をして肩を組むグレゴリオ。

圧倒的なパワーでそのままバーンさんを連行して行ってしまった。

ヴァネッサさんもこちらに一礼してからその後を追う。


「相変わらず台風みたいな人ですね。」


レイラがグレゴリオの消えた方に両手を合わす。

いや、バーンさん死んだわけじゃないからな?


「こっちはこっちでしっかり準備しよう。明日からはまた訓練の強度を1つ上げるぞ?」


2人が頷くのを確認して俺達はギルドを後にした。

グレゴリオさん×イリアナさんは雰囲気が好きです。

あと、圧倒的なパワーでバーンさんを連行するグレゴリオさんが好きです。

この後の展開を見ても良いと思われましたら是非評価・ブックマークをお願いいたします。

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[良い点] 常識調べるって言ったくせに調べんな
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