表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/58

12.流石に2人にはまだ早い

冒険者ギルドでゴブリン討伐の依頼を受けた俺たちは2日続けてスフィカの森へと来ていた。


「よし、さっそくゴブリンを狩って行こう。魔物狩りをするときに注意しなければいけないことは何だ?」


「索敵をしっかりと行い不意打ちを回避することと、格上の魔物の痕跡を逃さないことです。」


レイラの回答に俺は頷く。

昨日夕飯時の講義をしっかりと聞いてくれていたようだ。


実際、初心冒険者が命を落とすパターンとしてはこの2つが最も多いとされている。

不意を突かれて態勢が整わないままやられてしまうケースと、予想外の強敵に遭遇して逃げ切れないケースだ。


スッとイリアナに視線を移すとサッと目を逸らされる。


……イリアナは聞いてなかったか忘れたかだな。

よし、後で説教だ。


「じゃあ今日は索敵の方法を一通りマスターしよう。そしてゴブリンは目標30匹だ。」


「はい。」「はい!!」


そして本日の魔物狩りが始まった。





「ゴブリンの足跡発見。3匹分だと思います。足跡の大きさから120cm程の小さめの個体と推測。」


「不自然に折れた枝を発見!!枝の折れ方から刃物ではなく鈍器系の武器を使ったものと思うよ!!」


「ゴブリン発見。小さい個体が3匹。武器はこん棒2とナイフ1。」


「こっちはまだ見つかってないから風下に回って奇襲だね。移動開始。」


「狙撃でナイフ持ちを狙うわ。失敗した場合は退却ね。」


「1匹減ったらあたしが2匹相手に引き気味に立ち回るからもう1匹狙撃で倒して、残り1匹になったらこっちで倒しちゃうね。」


「周囲の警戒も怠らないように。不測の事態が生じたら退却ね。」


「了解。」


レイラが矢を放ち、それがナイフ持ちの胴に当たる。

その狙撃の勢いでゴブリンは倒れて霧散する。


その隙に飛び出したイリアナがゴブリンの1匹に切りかかる。

強襲に混乱しているゴブリンも必死に反撃しようとするが、こん棒を振り上げた手をイリアナに切り落とされてしまう。

イリアナは腕を落としたゴブリンから離れると、もう1匹へと向かう。

しっかりヘイトを稼ぎながら、ゴブリン2匹をしっかりと視線に捉えれるように、かつ囲まれないように細かく位置取りを変えながら防御に徹する。

その間にレイラの2射目が腕の無くなったゴブリンに突き刺さる。

ゴブリンが霧散して残り1匹になったところでイリアナが前に出る。

ゴブリンのこん棒の一撃をラウンドシールドで受け流し、隙だらけになっている所にショートソードを突き立てる。

そして最後のゴブリンも霧散した。


「周囲警戒。敵影無し。」


「損耗確認!!あたしは消耗無し!!」


「私は矢を2本使用。1本回収。消耗1本。他消耗無し。」


俺はこの2人の魔物狩りを後方で見ていた。


……もう教えることなくね?


「オルカさん。問題ありましたでしょうか。」


ゴブリンの魔石を回収して戻ってきたレイラが採点を求めてくる。

イリアナも期待顔だ。


「ああ、満点だ。戦術はしっかり安全寄りに立てられているし、魔物を前にしての立ち回りも完璧だったよ。」


「ありがとうございます」「よっしゃ!!」


嬉しそうに微笑むレイラとガッツポーズを繰り出すイリアナは対照的だが、いいコンビだと思う。


「この調子で狩って行こう。気になる点があれば都度指摘するよ。」


「わかりました。」「りょーかい!!」


そう言って2人は次の魔物を探し移動を開始する。

俺もその2人の後を追って森の奥へと進む。



「あれ?」


イリアナが何かに気付き声を上げる。


「見たことない足跡だ。なんだろこれ?」


レイラと俺もその足跡を確認する。


「これは……オーガの足跡だ。」


(オーガ)は中級冒険者の登竜門的存在の魔物で討伐難度はCランクに位置している。

見た目は筋骨隆々の巨漢の人型をしている。

皮膚は赤黒く頭部に角を有しているのも特徴的だ。

ゴブリンと同じように武器を持っていることが多い。


「これは流石に2人にはまだ早いな。撤退しよう。」


俺が2人にそう言った瞬間だった。


オオオオォォォォォオオオオオオ!!!!


森の中に雄たけびがこだまする。

俺達は瞬時に雄たけびが聞こえた方向へと視線を向ける。


そこにはこちらをしっかりと視線に捉えているオーガが立っていた。


マズい。

見つかった。


オーガはすぐさまこちらへと駆けてくる。

見た所無手だがそのせいで移動速度が速い。


「ふっ。」


即座に反応したイリアナがオーガ目掛けて矢を射る。

その矢はオーガの大腿に命中するが、少し刺さった程度ですぐに外れて地に落ちる。

オーガの突進の勢いは緩まらない。


「硬いっ。」


「2人は後退しろ。俺がやる。」


そう言って俺は前に出る。

もうオーガは目の前まで来ていた。


オーガが俺を目掛けて右拳を繰り出してくる。

俺はそれを左に躱し、すれ違いざまに右わき腹を切りつける。

鮮血が宙を舞う。


「はぁああああ!!」


すれ違った俺に再度攻撃を仕掛けようとこちらを振り向くオーガ。

その隙をつく形でイリアナがオーガに切りかかる。


だが、振るったショートソードはオーガの皮膚を浅く切ることしか出来なかった。


今度は逆にオーガが左腕を振るう。


イリアナが咄嗟にラウンドシールドを構えるが、その衝撃を受け流せずにまともに受けてしまった。

華奢な体が宙を舞い、地面を転がる。


「イリアナ!!」


俺はイリアナに呼びかけながらオーガへと切りかかる。

ヘイトを稼いでおかなければオーガの追撃が入ると危険だ。


「だい、じょうぶ!!」


見ればイリアナは立ち上がってラウンドシールドを構えていた。


なかなか根性もあるな。


俺は目の前のオーガに向き合う。


俺一人で相対する分には問題ない相手だが……

どうせなら授業に使わせてもらおう。


俺は手をかざすと魔術を発動した。

異世界ファンタジーものの登竜門的な魔物と言えばオーガですよね。

こう思っているのは私だけではないはずです。……たぶん。

この後の展開を見ても良いと思われましたら是非評価・ブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ