↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
5/8

5.ゴラン谷の攻防

 守は戻ったペレニスから報告を聞いた。

「ロワール城に、やはり魔王が?・・」

「住んでいるのは魔王と称するヒュンケルというもので、一緒に住んでいる者たちも人族ではないようですが、潰す気なら容易と思われます」

「魔王か、どんなやつだ」

「見た目は人族に似ていますが、魔術や特別な力を持っているように感じました」

「・・なら、放っておこう。まずはスラーレン法国から手に入れる」

「はい」

「その前にスラーレン法国近くのゴラン谷に居る竜魔族を先に倒すにはどうでしょう。後から倒すより面倒はないかと・・」

とイヴァンが提案した。

「潰すのは人族だけではなかったのか?」

「目標が世界征服に変わったんです。竜魔族もいずれは邪魔な存在になるでしょう」

 いつ変わったんだ?・・覚えてないけど、まあいいか。

「それなら私がゾンビ軍を使って退治してもかまいませんが」

 守護者であるゾンビ(動死体)のドミミクが名乗り出た。

「竜魔族ごときにドミミクが出張るまでのことはないわ。グレインにカシール村の失態の汚名を返上させるチャンスを与えるのはどうでしょう。人族とはいえ、魔術師も揃えているようですから」

 ペレニスの提案に

「よし、それでいこう」

 ペレニスから命じられた男爵のグレインは、アルベル将軍に

「竜魔族を全滅させ、カシール村の汚名を返上するんだ」

と命じた。


 ◇


 ゴラン谷に向かってアルベル将軍率いる数万の兵軍が進軍していった。

「竜魔族はどのくらい居るかわからんが、魔法も使えるらしい。油断するな」

 竜魔族も人族が近づいてくるのを確認した。

「あれはスラーレン法国の人族ではないな。応戦準備」

 ジャギが号令をかけた。

 多勢に無勢。帝国軍が谷に入ってきた。竜魔族は人族より力がある。魔法も使える。しかし数知れぬ大群を相手にしては勝てるものではない。このまま応戦か、退却か、ジャギは判断を迫られた。すると・・・

「ジャギ様、人族の軍に対抗している者がいます」

と配下から報告があった。

 ジャギも帝国軍を攻撃している者を確認した。

 倒れた人族が黒い騎士となって帝国を相手に戦いはじめた。

「あれも魔法なのか」

 倒れた兵が黒い騎士に変わっていき、人族の兵に襲い掛かっていった。その数は段々増えていく。

 それにはマルケドーラの兵たちも驚愕した。

「た、大変です。グレイン男爵。大きな黒い騎士が何百、いや何千も押し寄せてきます」

 アルベル将軍が青ざめながらグレインに報告した。

「スラーレンにはそんな兵力はないはずだ」

「殺されたわが兵たちが黒い騎士に代わっていくらしいです」

「まさか魔王の魔法か。魔法だ、攻撃魔法で戦え」

 魔法攻撃を始めると、黒い騎士たちはあっけなく倒れていった。

「恐れることはない。ゴラン谷に一気に攻め込め!」

 グレインの指示にアルベル率いる兵軍がゴラン谷に攻め込んでいった。

 すると空から大きな火球が落ちてきて帝国軍は全滅した。


 ◇


 少し前。

 雅則とリサ、ヒュンケルはゴラン谷の入り口に転移してきた。竜魔族が帝国軍に抵抗していた。

「マルケドーラ軍は人族のようだな。ここでは流星雨は使えない。何か手はないか」

 雅則が聞くとヒュンケルが

「以前に見た異世界もので、デスナイトを呼び出す魔法があった」

と言った。

「デスナイト?」

「死体に獲りついて自分の配下にする魔法だ。漫画チックだが面白いと思った」

「やってみるか」

「冗談で言ったんだけど」

「冗談では済まされない状況だ」

 雅則は軍の兵士にフィンガーマグナム(指弾)を放って倒すと

「アンデッドモンスター」

を発動した。すると黒いものが飛び出し、死んだ兵に獲りつた。そして黒い騎士となって甦った。

「これがデスナイトか。軍の兵を殺せ!」

 命じると、黒い騎士(デスナイト)は兵を殺していった。

「冗談がほんとうになった。じかに見るとすごい上位魔法だな」

 ヒュンケルも驚いた。

 だが、デスナイトは兵軍の魔法攻撃に弱かった。

「あらあら、(デスナイトは)魔法攻撃に弱いのか。魔法は放てないようだし」

「逆にデスナイトが全滅してしまうぞ」

「なら、だいぶ離れたから『流星雨』を降らせるか」

 雅則が『流星雨』を降らせると、帝国軍の兵士たちは『流星雨』の犠牲になっていった。


 ◇


「五万もの我が軍が全滅した?」

 それを聞いたグレイン男爵はペレニスに報告した。

 ペレニスはビーストに

「また極大魔法で兵軍が全滅したようです。やはりスラーレン法国には上位魔術師が居るようです」

と報告した。

「そうなるとスラーレン法国の女王の話し合いで解決したいというのも信じるがたいですね。ここは従属国にした人族には任せず一気に攻め滅ぼしますか」

 イヴァンがビーストを煽った。

「まあ、そうせくな。もしかしたら、ペレニスが会った魔王ヒュンケルなるものの配下かも知れない」

「なるほど。では先にロワール城を攻めてみますか」

「私も、その魔王ヒュンケルに興味がある。会ってみたい」

 もしかしたら、魔王ヒュンケルは俺と同じ異世界から来た人族のような気もする。それとも本当にこの世界の魔王かも。いずれにせよ興味がある話だ。

 ビーストは、自分がこの世界にアンデッドとして転移して来た頃を思い出していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。