第五話「絵筆」
「こうして七人全員が円卓を囲んで集まれたことを嬉しく思う。私の手紙を読んだのなら、今回の会議の目的も分かっているだろう。だが、何より驚いたのは、君がここにいることだよ、コスモス」
マエストロは後頭部に手をやった。
「君には、この会議への出席を禁じる手紙を送ったはずなんだがね」
「手紙なら読んだと思いますよ、マエストロ。ただ、我々の仲間であるエスゴンが私の家に押しかけてきたせいで、手紙の内容を確認する間もなく、無理やりここへ連れてこられたんです」
「それは本当か、エスゴン?」
マエストロはそう尋ねた。
「この任務が我々にとってどれほど重要か、分かっているだろう。コスモスの許可がなければ、先へ進むことはできないんだ」
「コスモスの出席を禁じたままでは、父上も私たちを誇りに思わないでしょう。父上はこの任務を七人全員に託された。そして、私たち七人で成し遂げるべきです。だからこそ、皆で説得するために彼を連れてきたのです」
コスモスはうつむいた。これが何の話なのか、すでに分かっていた。
『馬鹿げている』
そう思った。
『正気の沙汰じゃない』
それでも、コスモスは椅子から立ち上がり、両手を円卓についた。
「何か話があると言っていましたよね、マエストロ?」
コスモスは緑のローブをまとった魔導師を真っすぐに見つめ、尋ねた。
「こんなに早く話すつもりはなかったのだが、君がそう言うのなら始めよう」
マエストロは手にしていた本を開いた。
「エーテルについて知識のある者なら、誰でもエーテルを扱えるようになる。父上は、その正しい使い方を教える役目を私たちに託された。だが、これまで私たちは、どうすればその知識を人々に教えられるのか分からなかった。そして残念ながら、今もその答えは見つかっていない。しかし、何世紀にもわたって世界の生き物たちを観察し続けた結果、私の研究は少しずつ進展した」
マエストロは腰の鞄から、細長い筆のようなものを取り出した。
「バホムンドの住人たちは、エーテルとは異なる魔法を生み出した。彼らはそれを『音楽』と『芸術』と呼んでいる。特に後者は、私の興味を引いた。私たちが魔法で行っていることと、それほど違いはないのだからね」
マエストロは一本の筆を取り出した。
「これは筆だ。これにインクをつけ、キャンバスに絵を描くことで、自分の想像を自由に形にできる。だが、この筆を手に取り、エーテルの知識を用いれば、こうなる」
マエストロは空中に筆を走らせ、風の紋様を描いた。すると、瞬く間に圧縮された風の球体が現れた。
「私の言いたいことが分かるだろう? だが、他の者たちにエーテルを扱わせる方法が分からなければ、これを教えることもできない」
コスモスは顔を上げ、黒の魔導師に目を向けた。黒の魔導師もまた、コスモスを見返した。
まるで、二人ともこの場で何を言うべきか分かっているかのようだった。
そして、コスモスは立ち上がった。
「どうした、コスモス?」
エスゴンが尋ねた。
「私の記憶が正しければ、最後に死んだとき、私はエーテルの魔法を操る者たちに殺されたはずです」
コスモスは少し間を置いた。
「全部で四人。彼らは『四人の弟子』と呼ばれていました」
エスゴンは完全に硬直した。まるで、すべてを見破られたかのように。
そして、ひと目で分かるほど露骨に、青の魔導師へ警告の視線を送った。
*「バホムンド」という言葉は、スペイン語の「ムンド(世界)」と「アバホ(下)」という二つの言葉を組み合わせて作られたものです。




