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部屋に着いてから、魔導通信機を起動しリリーさんに文章を送る。
(明後日、転生者に会いに行こうと思いますが、その際マリーさんと御一緒に夕飯に行きませんか?今日、話したボア揚げ屋です)と、文章を送ってみた。
程なくして、リリーさんから返事が来た。
未だに、魔導通信機の設定を理解しきっていない俺は、音が鳴っているのが室内と勘違いして、ウロウロしてカオリと珊瑚に心配された。
リリーさんから来た返事は、(必ず行く)と短い文章だった。
「ピィ」[パパ、ちょっと]
「どうした?珊瑚?」
[良いですか?先ずは、魔導通信機を外して手に持って下さい]
「あ、はい」
珊瑚に魔導通信機の設定を詳しく説明された後、俺は明後日の夕方に、ボア揚げ屋にリリーさん達を連れて行く旨を、弘崎君に文章で送信した。
その後、珊瑚先生から設定を教えて貰った俺は、着信音を弄ってみた。
着信音は、最初から入っている音か自分の知っている歌や音楽、後は自作した物が入力できて、マナーモード的な物で自分にしか音が聞こえなくする機能や、全く音を鳴らさない機能まである。
俺は前世で観ていた百合系で、スナック菓子と同じ名のガ○ダムの祝福されたオープニング主題歌を、着信音にした。
アレ途中までしか見れなかったけど、どうなったのかな?
俺より後の世代で、アニメが好きな転生者が居たら聞いてみよう。
そんな事を考えていたら、俺の指輪から歌が流れ始めた。
珊瑚先生の教えは、活かされているな。
「リョウ、着信音それにしたのね?」
[綺麗な歌]
カオリは、俺の知識が反映されているから知っているし、珊瑚はこの歌を気に入った様だ。
(分かりました、楽しみにしています)と、弘崎君から返事が来た。
[パパ、お願いがあるんだけど]と、チョイチョイと上目遣いで服の裾を引っ張りながら、珊瑚が俺にディスプレイを見せる。
「どうした?」
[さっきの歌を、私の魔導通信機に移して欲しいの]
「分かった。じゃ、ちょっと触れるぞ」
俺は、珊瑚の魔導通信機に歌を移した。
ピピィ![有難う、パパ!]
珊瑚は、自分にしか聞こえない設定で音楽を聞いている様だ。
尻尾がリズミカルに、左右に振られている。
「珊瑚、その歌が気に入ったなら、他の歌も聞いてみるか?」
[うん!]
俺は魔導通信機を使って、アニメの主題歌以外にも様々な歌を聞かせた。
珊瑚に頼まれて歌を魔導通信機に移したが、その大半がアニメの主題歌だった。
今日はもう、入浴して寝る事にしよう。
勿論、俺は一人で入浴だよ?
カオリと珊瑚は、一緒だったけどね。
翌朝、目覚めて皆で朝食を取ったが、ミリィさんの姿を見ていない。
ネアさん達に聞いてみたが、ネアさん達も見ていないと言う。
俺は気になり、河野さんの部屋に来た。
そして其処には、アンデッド化した河野さんが居た。
・・・正確には、アンデッドの様になったが正しいか。
「・・・やぁ、元気かい?俺は、元気だよ」
「いや、元気そうに見えませんよ?どうしたんですか?」
「うん、ミリィがね。出て行ったんだ」




