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異世界転生  作者: MSZ-006
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「・・・お兄ちゃん。お父さん、ああ見えて忍法体術の免許皆伝なんだけどね。投擲術だけは全然ダメだし、そもそも体術だってお母さんには逆立ちしても勝てないんだよ。だってお母さん、先代師範の娘だもん。お父さんの技なんて、全部お見通しなんだよね」


めぐりちゃんが、呆れたようにボヤく。


「・・・そうなんだ」


エリートのサラブレッドに、叩き上げの苦労人が勝てるはずがないってわけか。


道理で、あのビンタを避けようともしなかったわけだ。


「じゃ、めぐりちゃんも?」


「うん!ボクも忍法体術、修めてるよ?投擲術も、お父さんと違って問題なし!」


「あぁ、うん。そうなんだ〜。めぐりちゃんは凄いんだね!・・・そういえば、めぐりちゃんって、アニメだけじゃなくて特撮も好きなの?」


「うん!前世の特撮は、古いのとかいっぱい観たよ!やっぱり、宇宙刑事は銀色じゃ無いとね〜!」


「うん、それは俺も同意するよ!!そうだ!めぐりちゃん今度、会って欲しい人が居るんだけど・・・」 


「おいコラァ!ワイを無視して、なに娘とイチャついとんねん!まだ決着ついとらんやろがい!このドカスがぁ!!」


「あの、お父さん。実はちょっと、お願いが御座いまして・・・」


「何が『お父さん』や!ワレにそんな風に呼ばれる覚えはないわ!なんでワレのお願いなんか、聞いてやらなあかんねん!」


「え〜?良いじゃん?ボクからも、お願い〜?」


「めぐりが言うんなら話は別や。ええで、ええで!」


「お兄ちゃん、今の内にお願いして?」


「実は、その素晴らしく、カッコいい仮面騎士XYZの姿を、写真に撮らせて頂けないかと・・・」


「なんでワレが、お願いしてくんねん。アホか?ワイはな、めぐりのお願いやったら、聞くって言うたんや。分かっとんのか!?」


「お父さん、お願い!ボクとお兄ちゃんの三人で、一緒に写真撮って!」


「めぐりが、そう言うんならワイも断れへんやんかぁ。しゃあないなぁ、もう!」


俺の言葉を聞いた後、お父さんは少しの間、何やら複雑な表情(?)で考え込んでいた。


「三人で・・・写真!? ワイと、めぐりと・・・ワレと・・・。ホンマにしゃあないなぁ!ほら、ワレ!さっさとカメラ準備せんかい!ワイのこのXYZ、一番カッコええ角度で撮らなあかんで!」


そう言って、お父さんは渋々といった様子でこちらを向いた。


「ほら、何ボサッとしとんねん!ワイの『XYZ』が一番映えるんは、この斜め45度からのアングルや。分かっとんのか、このド素人が!めぐり、パパの隣に来い!ワレは・・・端っこでええわ!」


「・・・リョウ、私も」


いつの間にか、事の成り行きを傍らで見ていたリリーさんが、静かに、だが真っ直ぐな瞳で俺にそう告げる。


「リリーさんも、一緒に撮りたいですか?」


「・・・うん。◯Xカッコいい」


リリーさんの「カッコいい」という無機質な、しかし確かな賞賛の一言。


それが聞こえた瞬間、お父さんの肩がピクンと跳ねたのを俺は見逃さなかった。お父さん、今絶対『ニヤッ』としただろ!


「それなら、皆で一枚集合写真にして、その後、個別で撮るのはどうかな〜?」


めぐりちゃんのナイスな提案に、お父さんは『し、しゃあない。外野がそこまで言うなら、撮らせてやらんこともないで!』と言いたげな顔で、必死に頬の緩みを堪えている。


仮面で顔は隠れてるけど、俺には分かる。


「リョウ〜?写真撮影するの〜?」


リリーさんの双子の妹、マリーさんが此方にやって来た。


「勿論、リョウ様とのツーショットもあるんですよね?」


クイッとメガネを上げながら、ミリィさんもやって来た。


「リョウさん、私たちの結婚式の写真、此れにするんですか?」


どさくさに紛れて、ゴモリーさんがとんでもない『決定事項』を口にする。


「主、私も」


「お父さん!ご主人と、僕とも撮ってね?」


「パパ!?私も写る!」


瑞(みずき)、ポポ、珊瑚までが俺の周りに密集し、もはや誰の撮影会なのか分からなくなってきた。


「ポポちゃん?そんな・・・私はリョウさんと一緒に、ウェディングドレス姿で撮るなんて、まだ心の準備が・・・」


あれ?


ユカさんまで、ゴモリーさんみたいな幻覚を見始めたぞ?


帰ってこ〜い!!


「リョウ、楽しいわね」


カオリが、微笑みながら此方を見る。


そうだな。


本当に、この世界に来てから、毎日が楽しいよ。


「私も、参加して良いかしら?」


藍お母さんが、此方にやって来る。


「はい、どうぞ!旦那さんの隣に・・・」


「やぁねぇ!リョウさんの隣以外、ありえないでしょう?」


そう言って、藍さんが俺の腕に抱きついてくる。


柔らかな感触と、ふわりと漂う大人の香りに、俺の理性は一瞬で蒸発しそうになった。


ちょ、ちょっと!?


お母さん、それは流石に刺激が強すぎます!


恐る恐る、お父さん(XYZ)の方を盗み見ると、そこには斜め45度のキメポーズのまま、全身からどす黒いオーラを噴き上げている鋼の騎士が立っていた。


「・・・ワレ・・・ワレェ!!ワイのマイハニーに何さらしとんねん!決闘や!写真撮影中止して、今すぐ真剣勝負やぁぁぁ!!」



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