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異世界転生  作者: MSZ-006
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リリーさんに抱き締められた俺は「リリーさん?随分、大きくなられましたね?」と、声を掛ける。


「・・・リョウ、お姉ちゃんって言って」


「はい?えっ?そもそも、今は一体、どういう状況ですか?」


「・・・お姉ちゃん」


「はい。お姉ちゃん」


「・・・うん、カワイイ。今、汚いゴロツキ共が、この修道院を借金の形に、取ろうとしてる」


「で、何で俺は、子供の姿なんですかね?」


「・・・それは、分からない。でも、この姿も良い」


さっき、近くのプレイヤーに呼び寄せられて、他のプレイヤーの物語に転移したって、言ってなかったか?


「この話は、リリーさんの話ですか?」


「・・・そう、私がサイコロで出した」


「そうすると、呼んだのはリリーさんですか?」


「・・・私が転移した時は、誰かを呼ぶ様な話は無かった」


「そうなんですか?じゃ、他の誰かか?」


「・・・リョウ?これ掛けて、あの有名な眼鏡の子供探偵のセリフを言う」


そう言って、黒縁メガネを渡される。


いっそ、その声優さんがユニットを組んで歌っていた、『W』のつくロボットアニメの主題歌でも歌ってやろうか?


「激しいリズムで、感動的な歌とか・・・」


「・・・!!リョウ、お願い、歌って」


そして何故か始まった、修道院でのお遊戯会と言うなの、ワンマンショー。


そう言えば、さっきリリーさんが借金の形にとか、不穏な言葉を口にして無かったっけ?


まぁ、取り敢えず歌い終わったら聴いてみよう。


「リョウは、この修道院の前に捨てられていたんです」と、修道服の老女がリリーさんに話している。


なる程、そういう設定なのね。


「この子は、歌がとても上手で最近は『僕が大人になったら、アイドルになってお金を稼いで、みんながお腹いっぱい、食べれるようにするんだ!』なんて、言ってくれてるんですよ」


老女は、俺の方を見ながら微笑みを浮かべている。


えっ!


そうなの?


知らなかったよ!?


「・・・此処の子達は、みんないい子、リョウは更にいい子」


リリーさんの言葉が、非常にくすぐったい。


取り敢えず『激しいリズムで、感動的な歌』を歌い終わり、リリーさんに話を聞こうとしたのだが。


「・・・アンコール。次は『ピッタリな意思疎通』の曲を希望」


「分かりました。終わったら、話を聞かせて下さいね?」


「・・・お姉ちゃんは?」


「はい。お姉ちゃん、話を聞かせて下さいね?」


「・・・うん、いい子。ご褒美に、いっぱい話してあげる」


そんなこんなで、お望み通りあのWの主題歌のアニメOP版、戦闘音が入っているバージョンを熱唱してみた。


「・・・やっぱり、あの重火器特化機体のガトリング音は素晴らしい」


「分かります!あの機体のガトリング音って、凄く燃えますよね!!で、先ほどの話を、お願いします」


「・・・お姉ちゃん」


「はいはい、お姉ちゃんお願い〜」



「・・・はい、は一回、でもカワイイから許す。話としては、此処に来たら、修道女が借金取りに絡まれてた、それを傍観してたら、チンピラに絡まれた」


「なるほど、サッパリ分かりませんね」


ジョ◯ョ風に言うと『あ、ありのまま今起こったことを説明すると、俺は話を聞いていたはずなのに一ミリも理解が追いついていない。何を言っているか分からないと思うが、俺も自分が何を耳にしたのか分からない。催眠術とか超スピードとかじゃなく、リリーさんの説明が雑すぎるという恐怖の片鱗を味わった・・・』と、いう感じなんだけど?


「リリーさん、もうちょっと、くやしくお願いします」


「・・・詳しく?それとも、チクショウとか、クソとか言いながら?」


「申し訳ありません。詳しく、お願いします」


「・・・うん。じゃ、ちゃんとお姉ちゃんに、お願いして?」


その瞬間、俺の脳内では前世で聴き込んだ、例の『大きいお友達向けゲーム』の主題歌が再生されていた。


あの電波ソングの女王が、甘く『ねぇ、・・・しよ?』とねだるような、中毒性の高いあの名曲だ。


「・・・リョウ、どうしたの?」


「いえ、何でもありません」


まさか、おっきなお友達向けのゲームの主題歌を思い出してたなんて、言えるはずがない。


「・・・困ったことなら、キッパリ、ちゃっかり、全部お姉ちゃんにまかせる!」


「ブッ!? ゴホゴホ!? な、何故そのピンポイントなセリフを?!」


「・・・お姉ちゃんだから、リョウの煩悩の有線放送が受信できる」









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