♥ 第2の人生を謳歌する 3
トゥヱ
「 生涯、冒険者として生計を立てるには無理がある。
冒険者は引退する引き際が肝心だ。
引き際を見謝ると破滅するぞ。
冒険者はあくまで資金集めの為にするだけだ。
トレスの事を考えれば、何処か落ち着いた土地に家を買い、のんびり余生を過ごすのが良かろう 」
トメリロレンス
「 トゥヱ…… 」
トゥヱ
「 大自然に囲まれた土地に一軒家を構え、敷地内に畑を作り、家庭内菜園や園芸をして余生を過ごすのは贅沢の極みだぞ 」
トメリロレンス
「 それは素敵ね!
自分で育てた野菜や果物,薬草を料理に使ったり、綺麗な花に囲まれて暮らすなんて、夢みたいな暮らしだわ 」
トゥヱ
「 夢を実現させる為にも、冒険者ランクを上げなければな。
怪物の素材やドロップアイテムは稼ぎになる。
価値の分かる信頼の出来る商人と売買すれば、豪邸を立てれる程の硬貨を稼げるようになる。
量と品質なら何処にも負けない自信がある。
怪物を上手く解体し、肉の下処理を丁寧にすれば、料理店に高値で買い取ってもらえる 」
トメリロレンス
「 怪物を解体……。
出来るのかしら? 」
トゥヱ
「 心配するな。
解体は我が出来る。
解体する場所を使わせて貰う必要があるから解体屋にも登録した。
ライセンスを持つプロの解体屋に解体を頼むと解体料が掛かるが、解体する場所を借りるならタダで使わせてもらえる。
解体料を節約する為にも登録は必須だ 」
トメリロレンス
「 トゥヱは先の事を考えてくれているのね。
本当に有り難う 」
トゥヱ
「 当然の事だ。
全ては我のトレスの為だからな 」
トメリロレンス
「 トゥヱ……(////)」
トゥヱ
「 商人ギルドに登録も済ませているから、直に商品を売買する事が出来る。
資金が貯まる迄、暫く冒険者暮らしは続くが大丈夫か? 」
トメリロレンス
「 トゥヱが居てくれるから平気よ。
資金が貯まる迄、冒険者生活を楽しみましょう 」
トゥヱ
「 トレスが前向きで何よりだ 」
トメリロレンス
「 そろそろ、休みますね。
トゥヱも一緒にベッドで寝ましょう 」
トゥヱ
「 夜食を食べたらな 」
トメリロレンス
「 ふふふ…。
トゥヱの食いしん坊さん 」
ワタシはトゥヱを残して休む事にしました。
トゥヱが用意してくれた試着室で寝間着に着替えたワタシは1人でベッドへ入りました。
トメリロレンス
「 お休みなさい、トゥヱ 」
トゥヱ
「 朝までグッスリ眠られよ 」
トゥヱが大きくて頼もしい男性の手でワタシの頭を優しく撫でてくれます。
男性の手なのに女性の手のように綺麗でもあります。
明日もトゥヱと2人で新米冒険者を頑張りましょう。
後悔しない人生を生きる為には、楽しむ気持ちを忘れずに持つ事って大切ですよね。
トゥヱが居てくれるから──、どんな暮らしをする事になってもワタシはきっと楽しめると思います。
ワタシは明日に希望の抱きながら、両目の瞼を閉じました。
トゥヱ
「 眠ったか。
我がゲボク共よ、居るな 」
ゲボク
「 ────此処に! 」
トゥヱ
「 我の主を侮辱した人間共を始末して来い 」
ゲボク:A
「 御意! 」
トゥヱ
「 楽には殺すな。
我の主を侮辱した罪を償わせよ 」
ゲボク:B
「 御意! 」
トゥヱ
「 死なぬ程度に遊んでやれ 」
ゲボク:C
「 御意! 」
トゥヱ
「 行け、我がゲボク共よ! 」
ゲボク:D
「 我等が王の御心のままに── 」
トゥヱの前に突如として現れ出た禍々しくも毒々しい黒い靄は、トゥヱの言葉に従い、宿泊室の壁や窓を通り抜けるとトメリロレンスの故郷である国へ向かって飛んで行った。
何十体もある靄は、これからトメリロレンスに婚約破棄をした男共とトメリロレンスから婚約者を略奪した女共を始末しに行くのだ。
その中にはトメリロレンスの婚約者を寝取った姉と妹も入っている。
トメリロレンスの知らぬ所で、トメリロレンスを貶めた多くの人間が魔族に蹂躙され無慈悲にも虐殺されるのである。
トゥヱは幾多の≪ 魔界 ≫を破壊し、数え切れない程の魔族を大量虐殺して来た “ 虐殺皇神 ” と呼ばれ、多くの魔族だけでなく魔王達からも恐怖れられる存在── “ 終焉の宴 ” である。
気の遠くなる程の遥か昔、魔族達に実験体として生み出されたトゥヱは、超魔王神をも凌ぐ程の膨大な魔力を内に秘めているのである。
その魔力は無限とも言われ、尽きる事なくトゥヱの中で放出される時を今か今かと待っているのだった。




