♥ 第2の人生を謳歌する 1
冒険者ギルドの壁には冒険者への依頼書が貼られています。
掲示板と言われているボードは6種類もあって、額縁の色が違います。
トゥヱに聞いてみたところ、冒険者のランクに合わせて依頼書を貼り分けているそうです。
冒険者ランクというものは、S,A,B,C,D,Eと6段階になっているようです。
新米冒険者になったトゥヱとワタシの冒険者ランクはEです。
額縁が赤色のボードに貼られている依頼書の中から、冒険者は身の丈に合った依頼を選ぶそうです。
この国の文字を読めないワタシの為にトゥヱが依頼書の内容を声に出して読みながら、どんな依頼なのか教えてくれます。
どうしてトゥヱは他国の文字を読めるのでしょうか?
ワタシも他国の文字を読めるようになりたいです。
トゥヱに相談してみようと思います。
トゥヱが選んでくれた依頼は、近くの森に生えている茸や木の実,薬草等を採取する簡単な内容の依頼でした。
ボードに貼られている依頼書を何枚か剥がしたトゥヱは、依頼書を持ったまま受け付けカウンターへ向かいました。
トゥヱ
「 依頼を正式に請け負った。
トレス、森へ行くぞ 」
トメリロレンス
「 今から森へ行くの? 」
トゥヱ
「 そうだ。
夜間に採取する植物もあるからな 」
トメリロレンス
「 夜の森……初めてね!
ワクワクするわ 」
トゥヱ
「 我が居る故、怪物の心配は必要ないぞ 」
トメリロレンス
「 頼もしいわ、トゥヱ 」
ワタシはトゥヱと共に冒険者ギルドを出ると、≪ 街 ≫を出てから、≪ 街 ≫の外れにある森へ向かいました。
──*──*──*── 街外れの森
トメリロレンス
「 ──此処が森なのね…。
実際に森を見るのは初めてだわ…。
色んな木が生い茂っているわね…。
この森の中に依頼書に書かれている木の実,茸,薬草が生えているのね。
森の中にも怪物が出るの? 」
トゥヱ
「 本来なら怪物に襲われぬよう、用心しながら依頼品を採取するものだが、我が居る限り、怪物も魔物もトレスに近付けぬ。
我を恐怖れるあまり、距離を取りたがるからな 」
トメリロレンス
「 ≪ 街 ≫を出てから森へ着く間、怪物に遭遇しなかったのはトゥヱのお蔭なのね 」
トゥヱ
「 我が居る限り、トレスの半径5mは安全地帯だ。
安心して依頼品を採取するが良かろう 」
トメリロレンス
「 有り難う、トゥヱ。
早速、依頼品の採取を始めるわね。
でも…何れが何れだか分からないわ… 」
トゥヱ
「 我に任せよ。
トレスが依頼品を採取し易いように何処にあるか、分かるようにしよう 」
トメリロレンス
「 そんな事が出来るの? 」
トゥヱ
「 我に掛かれば朝飯前だ。
──見てみよ、種類によって光る色を変えた。
これならトレスも採取し易いだろう 」
トメリロレンス
「 わぁ──、凄いわね!!
昼間なのに分かり易いわ!
有り難う、トゥヱ♥ 」
ワタシはトゥヱのお蔭で依頼書に描かれている依頼品を集める事が出来ました。
日が暮れて夜になってもワタシは夢中で依頼品の採取を続けました。
ワタシは夕食も眠るのも忘れて、夜通し依頼品の採取をしてしまいました。
気が付いたのは日が明けてから。
こんなに何かに夢中になるなんて、産まれて初めてかも知れません。
トメリロレンス
「 はぁ──、これだけ集められたら依頼主は喜んでくれるかしら? 」
トゥヱが用意してくれた男性用の背負い籠は依頼品で一杯になっています。
どうやらワタシは背負い籠の中を1人で満杯にしてしまったみたいです。
背負い籠はトゥヱのシモベさんが運んでくれる事になりました。
──*──*──*── 街
ワタシはトゥヱと一緒に≪ 街 ≫へ戻ると冒険者ギルドへ向かいました。
──*──*──*── ギルド街
──*──*──*── 冒険者ギルド
トゥヱが4つの背負い籠を受け付けカウンターに居る受付嬢へ渡してくれます。
受付嬢は依頼品でパンパンの背負い籠を見て驚いているみたいです。
トゥヱは持っていた依頼書も受付嬢へ渡しています。
4つの背負い籠を受け取った受付嬢達が、裏へ下がって行きました。
トゥヱ
「 トレス、依頼達成の確認には時間が掛かるそうだ。
一旦、宿屋へ戻るぞ。
朝食を済ませ、一休みしてから冒険者ギルドへ寄ればいい 」
トメリロレンス
「 そうね。
時間が掛かるなら、宿屋で休みましょう 」
何故か疲れていないのだけれど……どうしてかしら?
ワタシはトゥヱと一緒に冒険者ギルドを出ると、《 ギルド街 》を出て、宿泊する宿屋のある《 宿屋街 》へ向かって移動しました。
──*──*──*── ギルド街
──*──*──*── 冒険者ギルド
昼食は宿屋の食堂ではなく、外食する事にしました。
《 飲食街 》へ行く前に《 ギルド街 》にある冒険者ギルドへ寄りました。
トゥヱが受付嬢から依頼の報酬を受け取ってくれます。
報酬の硬貨が入っている報酬袋は、持たずとも見ただけで重そうだと思いました。
ズッシリとしている報酬袋の中には、何れ程の硬貨が入っているのでしょう?
トゥヱ
「 トレス、依頼を見て行くか? 」
トメリロレンス
「 そうね。
折角寄ったのだから見たいわ。
ワタシは読めないけど…(////)」
トゥヱ
「 森の中で採取をする依頼があれば良いな 」
トメリロレンス
「 そうね。
トゥヱ、ワタシもこの国の文字を読めるようになりたいわ。
教えてもらえる? 」
トゥヱ
「 教える必要はない。
トレスにも読めるようにしよう。
言葉は何処の国も大陸語で話している。
文字だけ読めるようになれば不自由しない 」
トメリロレンス
「 そうなのね 」
トゥヱが何かを唱えてからワタシの目の前に手を翳しました。
トゥヱ
「 解読魔法を掛けた。
これでトレスも文字を読める 」
トメリロレンス
「 有り難う、トゥヱ 」
ワタシはトゥヱと横に並んで赤い額縁のボードに貼られている依頼書を見ました。
トゥヱの言う通り、ワタシは依頼書に書かれている文字を読めるようになっています。
トゥヱの魔法は凄いです(////)
ワタシは他国の文字が読めるのが嬉しくて、ついつい長居をしてトゥヱと一緒に依頼書を見てしました。
Eランク以外の依頼書も見てみました。
Dランクの依頼は低級 〜 下級の怪物を倒したり、怪物が落とすドロップアイテムや素材を集める依頼を請け負えるようになるみたいです。
Cランクの依頼は中級の怪物退治を請け負えるようになっていて、Bランクの依頼は上級の怪物退治を請け負えるようになっています。




