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4話目

 到着したのは、古びた洋館。此処で香桜とエルディーナは生活している。


「マリオ、戻ったぞ」

「お帰りなさいです。クラウンから報告は受けてますです。中庭で召し上がってくださいです」

「うむ。エル、『ましゅまろ』には緑茶は合うのか?」

「マシュマロは紅茶だろ」

「マリオもそう思いますです」


 二人を出迎えたメイドの名前は、マリオネット。クラウン同様、名前の通り人形。

 館の中央に位置する中庭にあるテーブル席に、二人は腰を下ろす。


「エル、マリオの事なのだが」

「問題なく稼動してるだろ?」

「あぁ。だが、さっき触れた時に違和感があったぞ?」

「……調べてはみるさ。まずはマシュマロだろ?」

「そうだ! 先ずは抹茶を食べるぞ!」


 大きな紙袋を逆さまにして、中身を全部出すと、抹茶を始め、次々とマシュマロを頬張った。

 数分もしない内に、香桜のマシュマロは綺麗さっぱり無くなった。


「美味かったぞ! しかし、柔らかすぎて食べた感じがしなかったな」

「マシュマロはそこが良いんだが」

「今度は焼きマシュマロを食べてみてはいかがでしょうかです」

「此れを焼くのか?!」

「じゃあ、今夜はバーベキューだな」


 エルディーナはマリオネットに目配せすると、マリオネットは一礼して館の中へ入って行った。

 その場に残った香桜とエルディーナは、紅茶を飲みながら『仕事』の話をしていた。


「次の目星は付いているのか?」

「その事だが、実は一人ではないのだ」

「複数を一気に、って事か?」

「そうなる」

「となると、直ぐにマリオのメンテナンスが必要だな」


 エルディーナの言葉に、香桜は荒々しくカップを置いた。


「前々から思っていたが、そなたは横文字が多すぎるぞ!」

「は?」

「『めんてなんす』とは何だ?! 調整であろう!」

「……貴様は時々めんどくさいな」

「余が横文字が苦手なのを知ってて言っておるのだろう?! 嫌がらせなのか?」

「あのな、今の時代で生きていくなら、横文字に慣れろ。でないと何言ってるのか理解できなくなるぞ」

「其処はそなたが説明してくれれば良いではないか」


 さらりと言った香桜に呆れたエルディーナは、カップに残っていた紅茶を飲み干すと、館の中へ姿を消した。


 空に星が光り出した頃、三人は中庭でバーベキューをしていた。


「香桜! 好き嫌いしないで野菜も食え!」

「要らぬ! 余は『ましゅまろ』を食べるのだ!」

「エルディーナ様も好き嫌いは良くないです。お肉も食べるです」

「いや、肉は要らない。俺は野菜があればそれで良い」

「そなただって好き嫌いしてるではないか!」


 ごく一般的な、賑やかなバーベキュー。ただし、着物青年とゴシックロリータ少年、メイド人形と言う変な組み合わせ。

 時間も経ち、香桜とエルディーナは、用意していた食材を総て平らげ、マリオネットが用意した食後のお茶を飲んでいた。


「満足、満足」

「それは良かった。じゃあ、本題だ」

「マリオの事であろう?」


 香桜は香り高いほうじ茶を啜りながら、エルディーナの報告に耳を傾けた。

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