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5 価値観

「ねぇ?この人もしかして、死んだの?」

「うん。死んだんじゃないかな?」

「、、、。」

私はこの言葉を聞いた途端に、冷や汗が止まらなくなった。

どうしてハイビスカスは、こんなに普通にニコニコしてられるのだろうか?、人を殺しておいて、私はニコニコ出来ない。

「良かった。危うく僕達が殺される所だったね。」

「ねぇ?ハイビスカス?人を殺したんだよ?今」

私はひあ汗をかきながらいう。

「?うん。そうだね。」

ハイビスカスは不思議そうに答えた。

「罪悪感とかないの?もし、自分が同じ事されたらとか?」

「???どうしてそんな事を考えないといけないんだい?悪い事をした人を殺すのはダメな事なのかい?」

ハイビスカスは、心から不思議に思っているようだ。

「、、、。そっか。」

返す言葉も無い。確かに私達は、さっきまで殺されそうだった。だからって、殺していい理由にはならない。と思う。これが、この世界の価値観なのだろうか。

「すまぬ油断した。」

突然、ミクトが起き上がった。

「!?!?ミクト!大丈夫!?怪我は!?え!治ってる!?死んでなかったぁ、!」

いくらなんでも回復が早すぎて、私はびっくりした。

「妾は死んでおらぬぞ!?全く、失礼な!妾は変化のミクトじゃぞ!回復なんぞ朝飯前じゃ。じゃがな、脳の回復がちと厄介でな、回復に時間がかかってしまったのじゃ。」

「ミクトぉーよがったぁ、!」

私はミクトに抱きついた。

「こら!またお主くっつきおって!離れろー!はーなーれーろ!!」

ミクトは私を引き剥がそうとする。だが、どこか嬉しそうだ。

「変化の祖、ミクト。助けて頂き、心より感謝する。貴方達には、お礼がしたい。是非僕の国、洞窟王国ロワールに来て欲しい。」

ハイビスカスは膝をつき、感謝する。

「うん。もちろんだよ。」

「そうじゃな。妾達の目的地もそこじゃ。」

そんな感じで、私達は洞窟王国ロワールを目指した。旅の道中、ハイビスカスを探している衛兵達と合って、馬車を用意して貰い、移動が楽になった。

「はぁーやっぱり乗り物の方が楽だねぇー!」

私は一息つく。

「随分と馬車に慣れている様だね。レイは馬車に乗った事があるのかい?」

ハイビスカスは私にそう聞く。

「いやいや。馬車は初めてだよ。けどね、私の世界にはね、車って物があってさ超速い乗り物なんだよ!」

「車、初めて聞く乗り物だよ。君の国は随分と発展しているようだね。車ってどんな乗り物なんだい?」

「車はねーー」

そんな感じてワイワイやってると、あっという間に、国に着いた。大きな山に大きな門がついていて、中に入ると、大きな洞窟の中に沢山の家々が建ち並んでいる。洞窟の中なので、暗く、建物の明かりが煌めく。まるで夜みたいだ。

「わぁ!凄い!」

「ロワールはの、夜の国とも言われているのじゃ。昼夜問わず夜のようじゃからのう。」

そして、私達はお城に案内された。お城は大きく、山を突き抜ける程、高い。中に入ると、吹き抜けで、天井には、大きなシャンデリアが、あった。

「ハイビスカス様がお戻りになられたぞー!!!」

「ハイビスカス様、お帰りなさいませ。ご無事で何よりです。」

使用人達は驚き、あたふたしている。そりゃ行方不明になっていた王女が突然帰ってきたのだ。そりゃあ慌てる。

「客が来ている。僕を助けてくれた方々だ。しっかりもてなすように。」

ハイビスカスは、使用人にそう告げて、

「僕は着替えてくるよ。いつまでもドレスのままじゃ格好がつかないからね。」

「ハイビスカスはお姫様なのに、どうして男装をするの?」

「それはね、」

ふと気になって本人に聞いてしまったが、聞いちゃダメな地雷だっただろうか?

「秘密!じゃあ。あとでね。」

一瞬、ハイビスカスの瞳が揺れた気がした。

地雷だったようだ。あっさり流された。私達は使用人に案内され、大きな広間へ案内された。

「こちらにご着席して、お待ちください。」

「はい。ありがとうございます。」

私はお礼をいい、椅子に座る。ミクトは、身長が小さいため、座るのに苦戦しているようだ。

「ミクト、手伝おうか?」

「馬鹿にしておるのか?妾は変化のミクトじゃぞ?」

すると、ミクトは、猿になり椅子に登り、元の姿に戻った。

「器用だね。」

そんな事を話していると、突然、使用人達が一斉に頭を下げた。

広間の奥から、豪華な服を着た男と、ハイビスカスが出てきた。

2人も椅子に座り、

「お前達が、我が娘、ハイビスカスを助けてくれたのか。洞窟王国ロワール、国王のアハント ロワールが感謝する。」

この人、王様なのか!?やばい王様に感謝されちゃったよ!!

「ほぅ、アハント、見ないうちに、随分と歳をとったのぅ。」

「15年振りだな。ミクトさんは変わっていないようで。」

王様はケタケタ笑う。!?まて、

「ミクトって、王様と知り合いなの!?」

「妾は、変化のミクトじゃぞ?アハントが赤ん坊の頃から知っておる。」

「ミクトって、何歳なの?」

「しらぬ。覚えておらぬ。」

ミクトはそっぽ向いた。てか、ミクトって王様にタメ口なんだ。私も考えてみれば、ハイビスカスにタメ口だな。

「ミクトさんはの、数百年ほど前から生きていると城の書庫の本に書かれておったなぁ、」

「数百年ですか!?ミクトって不老不死なの!?」

「妾は多分歳を取らぬのじゃ。」

「羨ましいなぁ」

「どこがじゃ。」

ミクトはそう小さく呟いた。その声はどこか悲しそうに聞こえた。

「僕も父上とミクトさんが知り合いなんて初耳だよ!」

ハイビスカスは嬉しそうだ。

「ねぇねぇ、父上!今日はレイ達をお城に泊めてあげようと思うんだけど!」

「構わぬよ。」

ハイビスカスは顔を輝かせ、

「レイ!あとでお城案内してあげる!」

「え、ありがとう。」

まだ、私達は泊まるなんて一言も言ってないんだけどなぁ、

「これだから王族は。勝手に事を進めよる。」

ミクトはため息をつき、

「おい、そこのメイド。妾を客室まで案内しろ。」

メイドと共に去って行った。

「じゃあ、レイは!僕と一緒にお城探検だ!」

私もハイビスカスに手を引かれ、部屋を出た。

「わぁ、それにしても大きいお城だね」

私は周囲を見回す。廊下はとても長く、部屋が無数に広がっている。

「けど、周辺国のお城より狭いと思うよ?ロワールは国土が狭いからね。」

「確かに、洞窟だもんね。」

「ほら!ここが厨房だよ!」

「わぁ!いい匂いする!」

私達はそんな感じで城を回った。

1階の探索が終わりそうな時、ふと、地下への階段が気になった。階段の奥は厳重そうな扉があり、鍵がかかっている。

「ねぇ、あそこの階段の下って何があるの?鍵かかってるけど、」

「あ〜あそこね。実は僕も分からないんだ。試しに入ってみるかい?」

「いいの!?絶対お宝とかある感じの部屋じゃん!?」

「大丈夫。お宝はちゃんと宝物庫にしまってあるし。何より気になるじゃないか。行ってみよう。」

ハイビスカスはドアノブに手をかける。

「けど、鍵がー」

「大丈夫。王族なら開けられるから。」

なんと、鍵が開き、ドアが開いた。私達は部屋の中へ入った。

中は薄暗く、めっちゃ怖い。だが、城の客室とは作りが同じのようだ。

「わぁ、めっちゃ不気味だね。」

「そうだね。明かりをつけるよ。」

ハイビスカスが手を上に向けると、手から電気のような光が出た。

「わぁ!凄い!これも陽術?」

「いいや。これは電術。僕の場合、陽術は陽体が出ていないと使えないんだ。本当は陽術の方が明かりに向いてるんだけどね。」

「へぇ、色んな術があるんだぁ。」

ハイビスカスは部屋の奥を照らす。すると、鉄格子のような物が見えた。

「檻!?」

やばい、牢屋に来てしまったのだろうか。私達が焦り始めた時、ガシャン。檻の奥の方から音が聞こえた。よく見てみると、人影が見えた。

「わぁぁぁ!!やばいやばい、ハイビスカス!!部屋から出よう!!」

「そそそそうだね。すぐ出よう!」

私達は大急ぎで部屋から出た。

「はぁ、怖かったね。あの部屋って牢屋だったんだね。」

「僕も初めて城に地下牢があるって知ったよ。」

私達が一息つくと、

「おい!君たち、この部屋に入ったのか!?」

背の高い女の人に話しかけられた。女の人は焦っているようだ

「!?」

私達はびっくりする。

「入ったのかと聞いてるんだ。」

「入ったよ。」

ハイビスカスがそう答える。

「あら、ハイビスカス様。大変失礼致しました。ハイビスカス様だとは気づかず。あの!ハイビスカス様、あの部屋の奥で、何か見ませんでしたか?」

「部屋には、牢屋があって、その奥に人影が見えたよ。」

「うんうん。多分鎖で腕縛られてたと思う。」

私達はあの部屋の事を女の人に話した。

「そうですか。その人物については知らないのですね。いいですか、あの部屋には入ってはいけません。今回は無事でしたが、次は何があるかわかりません。とっても危険な場所なのです。」

「誰が居るんだい?それに危険って、腕を鎖で縛られているのに?それにそんなに危険な人物なら殺してしまえば良いじゃないか?」

「それは、無理なのです。あの部屋には、殺せない凶悪犯が居るのです。とにかく!絶対に入ってはいけません!わかりましたか!」

「分かりました。勝手に入ってしまって、ごめんなさい。」

私は謝罪する。

「わかって頂けたら大丈夫ですよ。あら、そういえば名乗るのが遅れましたね。わたしはダルク ヴィトソン と申します。」

「私はレイです!」

そんな感じで、私は客室まで、案内された。客室はとても広く、豪華だ。

「わぁ!さすがお城の客室だね!あれ!ミクトも居る!」

ミクトは暖炉の前で飲み物を飲んでいる。

「お主と同じ部屋なのか。チッ」

あれ今舌打ちしなかったか。そんな疑問は置いておいて、私は一目散に大きなベッドに飛び込んだ。

「わぁぁ!ふかふかだ!まじでトゥルースリーパーだわ!」

「おい、まだ風呂入っとらんじゃろ。寝床に入るな。」

ミクトは怒っている様だ。

「てかさ、ミクト何のんでるの?」

ミクトが手に持っている飲物、緑色をしていて、不思議だ。ジュースかな?

「お主も飲んでみるか?ほれ」

私はミクトから飲み物を1口飲んだ。

「!?ごほっ、!何これ変な味する〜、」

噎せた。これはお酒だろうか?とにかく飲んだ事ない味がする。

「ふっふ、これは大人の飲み物じゃよ。正確に言えば緑豆の酒じゃよ。お主にはまだ早かったようじゃのう。妾を散々子供扱いしよって。お主もまだまだ子供じゃのぅ。」

ミクトは勝ち誇った顔でわらう。

「くそぅ、わっ私の世界では子供はお酒飲んだらダメだもん!初めて飲んだんだもん!ミクトも、未成年飲酒ダメだよ!」

「誰が未成年じゃ!妾は成人しとる!」

そんな感じでイチャコラしていると、ドアが開いた。ドアが開くと共に、いい匂いが部屋に広がった。

「夕食をお持ち致しました。」

メイドが夕食を持ってきてくれた。

「わぁあ!いい匂い!」

テーブルの上に、料理が並べられる。だが、どの料理も見た事がないものばかりだ。まるで、創作料理のレストランに来たようだ。それに、スプーンやフォークではなく、まるで充電ケーブルのような形のした、道具。食べる為の道具だろうか?それに三角のスプーンみたいなスコップみたいなものもある。使い方に困って居ると、

「お主が居た世界ではテーブルマナーが違うのか?」

ミクトがそう聞いてくれた。

「そうなの!何この充電ケーブルみたいなやつ!それにこのスコップみたいのはスプーンで合ってる!?」

「お主の言うすぷーん?は知らぬが、それはトラヴェルと言うもので、スープなどをすくったりして食べる道具じゃ。もうひとつのはなコクネシスじゃ。これは肉などを刺して食べるものじゃ。先端が刃になっておるから肉も切れるのじゃ。まぁ妾はテーブルマナーにとやかくいわぬから安心して食べるのじゃ。」

「おっけ!とりあえずスプーンとフォークみたいな感じね!じゃあ!頂きまーす!ん〜おいひー」

「お主の世界ではわざわざ食事をする前に頂くと宣言するのか?」

「そうそう、頂く命に感謝!みたいな感じ。」

「命に感謝するのか。不思議な文化じゃのう。」

「そうかな?まって、この紙みたいなのめっちゃ美味しい!」

そんな感じで、私達は食事を楽しみ、風呂にも入った。風呂ではメイドさん達がお風呂を手伝ってくれて、少し緊張した。それに風呂にはシャワーはついておらず、沸かして。桶に溜めたお湯をかけるみたいな感じだった。

「ふぅ、気持ちよかったぁ!ミクト縮んだ?」

濡れたミクトはめっちゃ細くなってて、私はびっくりした。

「うるさいのじゃ。」

そして、髪をタオルで拭き、ベッドに入り、私達は、3秒もしない内に眠りに落ちてしまった。

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