15 戦い
「ここまでが今まであったことと、精霊病の正体についてだ。」
アハントはそう言い、話を終える。
、、、。悲しい話だ。ノルアは完全な悪では無い。アハントにも非がある。私は考え込む。ハイビスカスはまだ話が飲み込めていないようで、混乱しているようだ。
「ノルア、、、今まで忘れていた、、何で?僕の妹なのに。ねぇ?お父様、どうして今まで黙っていたのですか?僕に嘘までついて、」
ハイビスカスはアハントにそう言う。
「すまなかった。幼かったお前のトラウマになって欲しくなかったんだ。それに、カメリアの事や、地下牢の事をハイビスカスに話したら必ずノルアに会いに行っていただろう?それにノルアにも負担をかけたくなかったんだ。」
アハントはそう返した。
「そっ、それはそうかもしれないが、、」
ハイビスカスは図星のようだ。私は手をパチンと叩き、
「ハイビスカス。家族の話はこの戦いが終わってからにして!今は宝物庫だよ!こうして話している間もミクト達はノルアと戦っているんだから。」
ハイビスカスにそう言う。
「確かに、ごめん。急がなきゃだね。じゃあ宝物庫へ案内するよ!」
ハイビスカスは私の手を引き、宝物庫へ向かった。アハントはその様を見て、どこか寂しそうにしていた。
部屋を出て、すぐにある扉。そこが宝物庫だ。中に入ると、そこには沢山の金塊と、紙の束が置いてある。
紙幣かな?私はそう思い、紙の1枚をめくる。だがそれには何も書いていない。
「ねぇ?ハイビスカス。どうしてこんなに大量に紙の束があるの?」
私はそれを見て、そう尋ねた。
「あぁ、それはね。この国では紙が希少でね、紙の数が100枚だと、金より価値があるんだよ。それに紙だと金よりスペースを取らないし、資金の備蓄としては紙が1番最適なんだよ。」
ハイビスカスそう説明してくれた。へぇ、つまり金だとかさばるから紙をお金として貯めてるのか。こうゆう所から紙幣が生まれるのかもしれない。ハイビスカスは続けてこう語る。
「それにね、宝物庫には、凄い武器が沢山あるんだよ!例えば陽剣とかね!これは陽術を件に纏わせて戦うんだけど!」
ハイビスカスは剣を手に取った。
「属性武器じゃん!すご!あ!あの奥にあるやつは?」
私はふと部屋の奥にある古ぼけた箱に目を向けた。
「あれはね、観測者からの贈り物だったような?僕が小さい時に送られてきたやつ。」
ハイビスカスは箱を開ける。私は箱の中身を見て、驚愕した。中にあったのは、黒く細長い銃と、白い小さい銃が入っていた。ショットガンとピストルと言った所だろうか?
「これって?」
私はそう尋ねる。
「これはね、王国最強の兵器、打ち出し道具だよ。ここを押したら、この筒の中から磁源を帯びた玉がすごい速さで打ち出される。攻撃の防ぎようが無い、そんな兵器だよ。」
ハイビスカスはそう説明してくれた。うん。銃だね。私は前々から疑問に思っていた事がある。
「えっと、リピティーが作った物なんだよね?これ凄く私の世界にある銃って武器に似てるんだよね。もしかしてリピティーは私の元いた世界から来たりして?」
リピティーは地球から来たのでは無いか?飛行機に銃。それらは名前が違うが私の世界にある物にそっくりだ。
「どうだろう?まぁ、本人に聞いてみればわかるんじゃないかな?」
「そうだね。よし!この最強武器達を持ち出だすよ!」
私はそう言い、白いピストルを持ち、ハイビスカスは黒いショットガンを持ち、その他にも剣などの武器を持ち、部屋を後にした。私達は廊下を走り抜け、ミクトやセイレナが戦っている玉座がある部屋まで来た。戦況は、ノルアは無傷。セイレナやミクトは少し消耗しているようだ。
「お主ら!遅いのじゃ!そこの足手まといはじっとしておれ!そっちの王女はさっさと手伝うのじゃ!」
ミクトは私達を見るなりそう言い、ノルアに向けて、電術を放つ。避けずにノルアは電術を食らう。だが、受けた傷は回復していく。
「くそ、やはり効かぬか。」
ミクトは舌打ちした。
「お姉様!おかえり!早くノルアと遊ぼうよ!!!」
ノルアはそう言い、ハイビスカスの方へ手を伸ばす。ノルアの手の中にあるのは小さな植物の種だった。それは一瞬にして芽吹き、ツタが伸び、ハイビスカスの方へと近ずいてくる。ハイビスカスは剣を握り、迫り来るツタをを切り裂く。だが、切り裂けば切り裂くほどツタの本数が増えていき、捌ききれなくなったハイビスカスはツタに捕まってしまった。
「お姉様!捕まえた!」
ノルアはニタニタ笑う。私達はハイビスカスを助けようと動き出すが、ツタに阻まれて身動きが取れない。
「クソ!離せ!!!」
ハイビスカスはそう言い、手元にある銃を抜き、それをノルアに向ける。そして、引き金を引く。すると、銃口が光り、目では捉えられない速さで、ノルアの右目を撃ち抜いた。撃った衝撃でツタが緩み、ハイビスカスはツタから抜け出せた。ノルアは床に倒れ込み、撃ち抜かれた右目を抑えた。
「痛い。痛い。痛いよぉ、見えないよぉ、」
ノルアは泣き、傷は少しずつ治っていく。だが右目はまだ完治していなかった。
「これ、なに?磁源がすごい速さで出てきてたけど、」
セイレナはハイビスカスにそう聞く。
「これは打ち出し道具。王国最強の兵器だよ。多分使用者の磁源を使って打ち出されるんだ。」
ハイビスカスはそう説明した。
「ねぇ?お姉様?じゃあ、それノルアのものにしたら凄く強くなるんじゃないの?お姉様は昔から磁術が苦手だもんね?ノルアがいっつも1番だったもんね?!ほら、もう磁術の反動がでてる。」
ノルアはそう言い、微笑む。ハイビスカスは膝をつき、汗を流し、呼吸が浅い。
「ハイビスカス!?大丈夫!?」
私はハイビスカスの元へ駆け寄る。
「ごめん。少し力を使い過ぎたみたいだ。大丈夫。すぐ動けるようになるから。」
ハイビスカスは額を抑え、力なく笑う。
「はぁ、こいつは磁源の適性が全くないのう。本当にあのカメリアの娘か?」
ミクトはため息を着き、こう続ける。
「このままじゃと長引けば長引くほどこちらが不利になる。妾はこれから禁じ手を使う。だからお主らも、ちと頑張れ。では、ゆくぞ?」
ミクトがそう告げた瞬間、ミクトの身体が変化し、ネズミの様な虎の様な龍のような兎のような羊のような馬のような猿のようなその他にも沢山の動物達が混ざった姿に変化した。それはミクトのとっておきの最終形態だろう。。私達も全力で攻撃するしかない。
「よし、レイ!ハイビスカス!気をつけてね!じゃあ行くよ!」
セイレナはそう言い、空へと羽ばたき、術の準備をする。
私も重い剣を手に取り、ノルアの方へと走り抜けた。




