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HELLO MORNING  作者: 懐中車
2/5

第二章  奇

アップが遅れてしまいました。

まぁ、読者も少ないんだけどn(ry

ちょっぴりグロ描写(?)らしきものが入っておりますので、そういったものが苦手な方はお気をつけください。



では、本編へGO!↓

さて、状況を整理してみよう。


俺はマンションを降りて、下の玄関口にある自販機までジュースを買いに行った。

・・・・それ以来記憶が無い。我ながらずいぶんと浅はかな記憶力である。

しかし、覚えてないものは覚えていない。手元にジュースはないし、部屋にカンナもいない。さらにはいつこの部屋に戻ってきたのかも覚えていない。


・・・・・・極めつけは、眼下に広がる異常な光景だ。

唯一知っている色形をしていたのは、あの朝を彩っていた太陽だけで、そのほかの造形物なんかは、とても俺が見たことあるようなものでは無かった。




まず、空が緑色なのだ。

本来なら木々に広がっているはずの深緑は、どうしてか地平線までその空を覆ってしまっている。ずっと見つめていると、頭が痛くなってきそうだった。




その次に目に入ったのは、大きく捻じ曲がったビル郡だった

本来ならまっすぐ大地に聳え立っているビルは、重力を無視して心太のように垂れ下がっている。

その光景は実にシュールで、こんな自体だというのに笑ってしまいそうだった




お次は黒い雲だ。白いはずの雲が、見事なくらい真っ黒に染め上がっている。

雷雲も、そこそこ黒いが、今俺の目の前にある雲に比べたら、淡いグレーと化してしまうだろう。




そのほか、言いたいことは山ほどあったが、俺はこういう状況の場合の、お決まりの台詞を唱えることにした。










「・・・・・どこだここ」


















「・・・・・・ま、まずは探索だ。そう、探索」



落ち着いて自分に活を入れた俺は、まず、自分の部屋を捜索し始めた。馴染み深い部屋だ。なにか手がかりがあるに違いない。




手始めに押入れを開け、布団を調べてみた。あのかび臭い匂いは、俺を安心させてくれるとおもったからだ。

いざ布団を持ってみると、不思議と違和感を感じた。

布団を広げてみた。昨日まで行っていた行為だ。布団を引き、その中のカビの匂いの中で寝る。



ところがその布団は、まるでさっき買ったばかりのような、真っ白さを誇っていた。

カビが、消えているのである。




あれだけあったカビが、ひとたび部屋を出ただけでは消えるはずが無い。

俺は不安に刈られた。




冷蔵庫を調べてみた。あけたときの悪臭は無く、肉「だけ」がなくなっていた。



洗濯機を調べてみた。あの爆音は無く、普通に動いた。






部屋をくまなく調べてみたが、見た目は同じでも、数箇所、俺の部屋とピンポイントに違う所があった。

頭が混乱してきた。なぜ俺はこんなところにいるのか。なぜ部屋が微妙に変化しているのか。

考えるだけでも、気分を害する。今の俺の健康状態はすこぶる最悪だろうと思った。


部屋を調べるのをやめ、外に目を向けた。

外は相変わらずの異様な光景で、この世の終わりかのように思えた。


俺は、外に出てみようと考えた。外に出たのなら、何かわかるかもしれない。ここがなんなのかのヒントがあるかもしれない。





まず、マンションを下の階まで降りようとした。ジュースを買いに行こうとした、一番下の玄関先にまで降りようと思った。

すると、となりの562号室の扉が開いた。その扉から、小さな、人の影が見えた。

人がいた。心のうちの恐怖が、安心へと変わってゆく。ほっとした気持ちで、その扉に駆け寄った。

扉を開けた人物を見たとたん、愕然とした。






















右腕が無い



右目が無い。



右わき腹が無い。




出てきた老人は、死人だった。

























ほっとした気持ちは、一瞬にして恐怖へと再変換され、絶望の文字にへとグレードアップした。


「う、うわぁぁぁぁぁ!」



俺は床にへたり込んだ。足が震える。振るえをとめようとしても足は俺の意思とは無関係に震え続ける。

情けない声が出る。しかし、出さずに入られなかった。歩く死人なんてみるのは初めてだから。

こんなことがあるのか?いくらなんでも、これじゃゲームの世界じゃないか・・・!



外の異常な光景といい、「ここ」はいったい何なのだ?死人が歩く町なんて、ゲームの中だけで十分だったのに、畜生、なんだっていうんだ!

早く帰りたい。

カンナに会いたい。

家で肉を食べたい。

カビだらけの布団で寝たい。

あの堕落した生活を、ここまで望んだのは初めてであった。いや、少なくともこんなところよりかはマシだろう。

こんな、こんな死人が歩く町なんぞよりは・・・・・・!








「*********************************************************************************・・・・・」







ふと、小さな音に気づいた。どうやら、この死人が何かしゃべっているらしい。

俺は身構えした。死人が歩き、しかもしゃべるだと・・・・?ますますここが嫌いになってきた・・・・神様よ・・・もしいるのならここから出せ・・・・出さなきゃ二度とお前を信じたりしない。

老人はこちらにかまわず、何かをつぶやき続けている。なんなんだ・・・・・俺に何を伝えようとしているのだ。

死人の戯言など聞きたくない・・・・・頼む・・・・・・帰らせてくれ・・・・・ストレスが半端じゃなくなってきた・・・・・・

帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい・・・・・・・・・・・・














「帰ってどうするというんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」












「っっ!?」









急に考えていることと同じような内容が、死人から聞こえてきたので、俺は目を大きく見開いた。

なんだ。もう。心臓に悪い。これ以上心臓に悪い出来事なんて起きてほしくないのに。

だいたいこいつ・・・死人の癖にしゃべるな!死人は死人らしくおとなしく墓地で墓の下にでも埋まってろ。





「ずいぶんな言い草じゃないか・・・いや、この場合思い草って感じか」





「はっ・・・!?」




びくっと体が反応した。理由はさっきからこいつが俺の考えていることに対して会話をしているからだ。

声に出したか?いや、口はずっとはっはっ、と一定のリズムに合わせてがたがた動いているだけだ。声に出したりなんかしてない。

ならば考えられることは・・・・・・・・・・

こいつには俺が考えていることがわかっている?



「ご名答だ」



「うぇ・・・・!?な、なんで・・・・!?」



有り得ない!声も出してないのに!読心術か何かなのか!?勘弁してくれ!こんなほぼ左だけの奴に心を読まれるなんて冗談じゃない!

気味が悪い!畜生!なんだってんだ!何がどうして俺はこんな明らかに「おかしい」ところで、ほぼ右側が無い動く死人に、こんな的確に心を読まれなくちゃならないんだ!

ああ、頭が痛くなってきた!気を失いたい!失って、あのかび臭い朝を迎えたい!


どうせこれは夢なんだろう!?そうなんだろう!?昨日、カンナと酒でも飲んで、そのままセックスして寝ちまったに違いない!そして二日酔いでこんなふざけた夢を見てるんだ!そうだ!きっとそうなんだ!だったらとっとと覚めてくれ!悪夢なんざまっさらだ!




「黙れ。喧しいぞ小僧」



「は、はい・・・・ってか黙るったってお前が勝手に読んでるんじゃないか・・・!!」



落ち着いてきたのか。俺は死人に向かって反論した。

どうせ夢だ。何を言おうと勝手。ならばこんな奴、怖くも無い。ちょっとリアルな夢で気味が悪いが、夢ならばどうということは無い。

そう思うことにした。そう思わなければ、心が砕けてしまいそうだからだ。












息を整えて、重い腰を上げて、俺は死人と面向かった。

よく見てみると、性格には右腕は完全に失ったわけではなく、上腕二頭筋はまだ体にくっついたままだった。

わき腹は、見事なまでに無い。まるで動物に食われたみたいに、抉り取られていて、そこはぽっこりへこんでいた。

右目があったはずの場所は、虫歯をわずらったような真っ黒な色で染まっていた。

俺にあるようなくりんとした眼球はかけらも見当たらなかった。


本来なら死んでいるはずの、この老人。まるで傷など無いかのように平然としていて、残った左目でこちらを見続けている。

その眼差しは、どこか不気味で、どこか悲しそうだった。


俺は、こいつに聞いてみることにした。

ここがどこであるか。なぜ俺はここにいるか。


面白い夢だったらいいな。たとえば俺はすでに死んでいて、ここは地獄だー、とか。

またこんな妄想。猿も笑わないな。カンナが聞いたら飽きれるに決まっ










「よくわかったな。ここは地獄だ。」










・・・・・?こいつ、何言ったんだ?よく聞き取れなかったぜ。ははっ

さすが夢。言ってることが何かってよくわからないことがあるよな。

あーあー、早く覚めないかなぁ。もう面白い夢でもないし、さっさと起き









「後、夢でもないぞ。」






それにしても腹が減った。今日はあの肉をどんな風にして食べよう。蒸すか、焼くか、はたまた煮るか。

アイディア豊富だな。俺って。流石俺。学校なんて行って無くてもこんなに料理が上手にな







ドゴッ






「ぐふっ・・・!」





急にみぞおちを殴られた。老人だけあって力は弱かったが、それでも俺の脳内を一時停止させるには十分な一撃だった。

足に力が入らなくなり、俺はまた仰向けに倒れた。

仰向けに倒れた俺を、老死人ってところか、そいつが俺を見下ろしてくる。

見下ろしながら、そいつは俺に静かな口調で、確かに言い放った。













「ここは夢じゃねぇよ。死んだ悪人が来る所。」











「お前が言った通り、ここは」











「地獄だよ。」









本当に。悪い、夢だよ。

さて、どうでしたでしょうか。第二章。

大体話の筋としては、まだまだ序盤のほうですが、がんばっていきたいと思います。

話の細かい点で、「こうしたらいいよ」とかなどがありましたら、小説評価にてご報告いただければ幸いです。

追記;懐中電灯見つかりました(


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