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義士英雄譚-緑と赤の誓い-  作者: レイン
第二章 鞍馬の稚児

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エピローグ

エピローグ


 夜の京。人通りの絶えた橋のたもとを、太刀(たち)を帯びた武者が一人歩いていた。


 その行く手に、僧衣をまとった大男が立ちはだかる。


「何者だ! 儂を六波羅の者と知っての狼藉(ろうぜき)か!」


「その太刀、もらい受ける」


「何を――!」


 武者が太刀を抜く。刃が月明かりをはじいた。


 大男は身じろぎもせず、相手の踏み込みを待った。

 太刀が振り下ろされた瞬間、身をかわし、武者の手首を打つ。刃が地に落ちた。


 大男はそれを拾い上げる。


「悪くない太刀だ」


 武者は手首を押さえ、悔しげに大男を睨む。

 大男はそれ以上何も言わず、奪った太刀を抱えて闇へ消えた。


 人目につかぬ場所で、彼は太刀を置き、傍らの札に筆を走らせた。


 九百九十一。


 その数字を確かめ、大男は低くつぶやく。


「残るは、九振り」


 札を懐へしまい、次の獲物を求めて歩き出す。


 京の夜は、まだ明けない。





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