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エピローグ
エピローグ
夜の京。人通りの絶えた橋のたもとを、太刀を帯びた武者が一人歩いていた。
その行く手に、僧衣をまとった大男が立ちはだかる。
「何者だ! 儂を六波羅の者と知っての狼藉か!」
「その太刀、もらい受ける」
「何を――!」
武者が太刀を抜く。刃が月明かりをはじいた。
大男は身じろぎもせず、相手の踏み込みを待った。
太刀が振り下ろされた瞬間、身をかわし、武者の手首を打つ。刃が地に落ちた。
大男はそれを拾い上げる。
「悪くない太刀だ」
武者は手首を押さえ、悔しげに大男を睨む。
大男はそれ以上何も言わず、奪った太刀を抱えて闇へ消えた。
人目につかぬ場所で、彼は太刀を置き、傍らの札に筆を走らせた。
九百九十一。
その数字を確かめ、大男は低くつぶやく。
「残るは、九振り」
札を懐へしまい、次の獲物を求めて歩き出す。
京の夜は、まだ明けない。




